表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生がリアルすぎる!?  作者: 全州明
二章 勇者マサユキ編
PR
18/28

ガーゴイルの蛇2

「怪しいもんじゃないよ」

 両手をあげるその人影は、町の明かりに照らされ、輪郭が白く光っていた。紫のパーカーのような格好に、黒い長ズボンをはいたその女は、被ったフードから紫の髪をたらしていた。

「お困りのようだね。力を貸そうか」

「何?」

「あたしはニクロ、ニクロ・マンス。情報屋さ」

「情報屋?」

「『ガーゴイルの蛇』に仲間をさらわれたんだろ? 見てたよ。ってことは、今あんたたちは、『ガーゴイルの蛇』のアジトの場所が知りたいはずだ」

「知ってるのか?」

「知ってる。あたしゃなんでも知ってるよ。あんたのこと以外なら」

「は?」

 顔をしかめる僕に、ニクロは距離をつめてのぞきこんでくる。そして、

「……あんた、この世界の人間じゃないだろ?」

「っ!?」

 小声でささやいた。思わず、息をのむ。

「あたりかい? ハハハ、カマをかけたつもりだったんだけどね。まぁいいさ。それより、金はあるかい?」

「金?」

「ギルグだよ。あればあるほど良い」

「人の命がかかってんだぞ!?」

 思わずカッとなってニクロの胸ぐらをつかんでしまう。しかしニクロは涼しい顔をしていた。

「知ったことじゃないね。知り合いでもない、身内でもない人間に、興味なんてない」

「そんな……」

「で、あるの? ないの?」

 迷っている場合じゃない。僕はポケットから冒険者カードを取りだした。

「それでいい」

 ニクロも冒険者カードを取り出す。両者を重ねることで、ギルグを転送できるのだ。

「『ガーゴイルの蛇』のアジトは、南の洞窟からさらに南西に向かった、バルグの洞窟にある」

「よし、酒場の人たちも呼んで、すぐに向かおう」

「うん!」

 走りだそうとする僕の背中を、ニクロが引き止めた。

「待ちな、サービスしてあげるわ。アジトと言っても仮拠点だから、大勢で行くと勘づかれて逃げられる。少数精鋭で行ったほうがいいよ」

「……そうか、わかった」

 ニクロの助言により、僕らは装備を整える時間も惜しく、二人で乗り込むことにした。早馬の馬車を雇い、すぐさまバルグの洞窟へ向かう。


      #


 アキヒトたちが去っていったあと、ニクロは独り、笑っていた。

「ーーーーさて、この情報、やつらにいくらで売れるかしら」

 高笑いするニクロ。そう、彼女は情報屋だ。誰の味方でも、ないのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ