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異世界転生がリアルすぎる!?  作者: 全州明
一章 異世界転生編
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ダンジョン攻略へ!

「ーーーーで、これからどうする?」

 宿屋で昼食兼夕食を囲みながら、ペティがみんなに向けて尋ねる。

「とりあえずショップに行きたいな。新しい武器や防具買っときたい」

「そうね。どのみち回復薬とか、消耗品補充しなきゃだし、みんなでショップいきましょ。……それはそれとして、よ」

「ん?」

 なぜか、三人の視線が焼き鳥をほおばっていた僕に集中する。

 切り出してきたのは、ペティだった。

「ねぇ、私たち、いいパーティだと思わない? 旅人、剣士、魔法使い、ヒーラーで、パーティバランスもいいし」

 気のせいか、ペティが急に色目を使ってきているような気がした。マードラとイアンも、終始落ち着かないといった様子でこちらをちらちらうかがってくる。

「あぁ、確かに」

 もぐもぐしながらのんきに返事をすると、ペティの目の色が変わった。

「じゃあさ、私たち四人で、本格的にパーティ組もうよ!」

 僕の太ももに手を置いてくるペティ。突然のボディタッチにどきりとする。

「いや、それはいいけど、みんなどうしたの? 急に」

「やったぁ!!」

 途端にぎゅっと抱きついてくるペティ。いろいろ当たってしまっていて、正直気が気でなかった。

 マードラたちも心から嬉しそうだ。

「私たち、ずっと四人目を探してたんです。でも、なかなかいい人がいなくて……」

「アキヒトさんなら、僕も賛成です」

「私たちのなかでこっそり話してたのよ。アキヒトならどうかって」

「なるほど。で、その四人目のパーティメンバーになると、どうなるんだ?」

「クエストのあるなし関係なしに、一日中ずっと一緒にいるって感じ。特に制約もないし、悪い話じゃないでしょ?」

「まぁ、それなら。ちょうど僕も困ってたとこだし」

「よかったぁ」

「四人目って、そんなに重要なのか?」

「はい。パーティメンバーは基本的に四人単位で構成されるものなので、四人でないと受けられないクエストや、作れない陣形がほとんどなんです」

「三人と四人じゃ、大違いってわけ」

「へぇー」

 スライムの討伐クエスト中は当たり前のように陣形を組んでいたが、口ぶりによると、案外慣れていなかったのかもしれない。

「じゃあさじゃあさ、明日、四人でダンジョン攻略にいかない?」

 嬉しそうに身を乗り出すペティ。しかし、マードラとイアンはあまり乗り気ではないようだ。

「え、ダンジョンって、あの南の洞窟ですか? でも私たちにはまだ早いってーーーー」

「そうですよ。あのダンジョン、最近ゴブリンたちが増えてきてるみたいですし」

 珍しくイアンも抗議する。

「四人いれば大丈夫よ! これから今回のクエスト報酬も入るわけだし、さっき倒したスライムの分も、みんな結構たまってるでしょ? アキヒトはどう?」

「いや、僕にふられても……。ダンジョンとか、行ったことないから、どのくらいヤバいとこなのかさっぱり……でも、マードラたちが危ないって言うなら、やめといた方がいいんじゃない?」

 三対一の空気を察したのか、乗り出していた体を引っ込め、うーんとうなりだすペティ。強引に押し切るのかと思ったが、案外まわりの意見を汲み取るタイプのようだ。これまでもペティがリーダーとしてやってきたらしいことがうかがえる一面だった。

「じゃあ受け付けのお姉さんに聞いてみて、ヤバそうだったら、やめとく?」

「それが良いと思います」

 しっかりと噛み終えてから喋るマードラ。食べ方に気品が漂っていた。対してイアンは人のことを言えた義理ではないが、意外にも食べ方が汚かった。イアンと僕のまわりだけ、食べかすが散乱している。

 普段からは考えられないような男っぽい食べ方をするイアン、上品なマードラ、食べ物を口いっぱいに含みながら平気で喋るペティ。こんなところで各々の性格が出ていた。

「話は戻るけど、ダンジョン攻略ってそういうクエストなの?」

「ううん、ダンジョンのボスが討伐クエストになることもあるけど、私たちが行くのは普通のダンジョン攻略。モンスターたちと戦いながら奥まで進んでって、ボスを倒して、お金を稼ぐのが目的なの」

「なるほど。モンスターを倒したときにもらえるギルグが目的なわけか」

「そうゆうこと。ダンジョンは他と比べてモンスターの湧きがいいから、その分大変だけど、ギルグもてっとり早く稼げるってわけ。今の私たちにもってこいでしょ? ダンジョンのボスを倒したら結構なギルグがもらえるっていうし」

 ゴクリ、とイアンとマードラが唾を飲み込む。今頃高級な防具でかためた自分たちを想像しているのかもしれない。

「いいな」

「でしょ? じゃ、決まりね」

 その後は他愛もない雑談が続いた。

 隣町の盗賊がどうとか、酒場の受付のお姉さんの恋愛事情がどうとか、そんな話だ。受付のお姉さんの恋愛話にイアンが異様に食いついていたのが面白かったが、それ以外特に特筆するようなことはなかった。

 食べ終えると、またしばらく雑談した後、自然と各々の部屋に戻る流れになった。各々の、といっても男女別に別れた二つの部屋なので、僕の宿代はイアンと割り勘だ。

 疲れが溜まっていたので、イアンと二言三言会話して、その日は早いうちに寝た。

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