10.王国へ
取り敢えず先に登らせよう。
「よし。アル君、先に登るんだ。」
そんな大丈夫かコイツ見たいな目で見るな…心が痛いぞ。
「あぁ…じゃあ先に。」
さて登り始めたな…体鈍ってるしなぁ…ちょっと不安だなぁ…でもまぁ行きますか。
ちょっとしゃがんでジャンプ!
はい飛びすぎた。ダメだこりゃ。
「なっ!?」
アル君停まってないで登りなさい。
はい着地ー。見えないようにと思ったが見上げられてはどうしようもない。
「はぁはぁ、いやすごいな。まさか跳ぶとは思わなかったよ。」
「アル君も途中からは早かったじゃないか。」
「最初は心配でね。無用だったみたいだけど。」
「まぁ実力がわからないからな、仕方ない。」
ホントいい奴。大丈夫なのかこの性格で。
さて2人で歩いてる訳だが…相変わらずノーエンカウント。え?冒険者的な人がいるんだから魔物いるんじゃないの?
「おかしいな…」
「何がだい?」
「魔物の気配が…ない?」
「あぁ…そうなのか?俺は昔からこの辺りで1度も魔物に遭遇したことがないからなぁ…。」
「君を避けてるのかな?多分。」
「魔物に避けられるのもなんか悲しいな…。そうかぁ…昔から避けられてたかぁ…。」
なんて会話をしながらテクテク歩く。
会話もそこそこに昔のようにただただ歩く。そう。俺は無言が気にならない!
アル君に目をむけると話しかけられそうなのであえて前をずっと見続ける。
懐かしい面影を探そうにも植生違うくね?ってなってるから道だけを見据える。
昔は獣道だったのになぁ。ちゃんと滝上までの道があるのがなぁ…この世界にも滝を眺める人がいるのかな?
「暗くなって来たね。この辺りで夜営にしようか。」
「俺を気にせず寝ていいぞアル君。寝すぎてねれないからな。」
「ははは…じゃあお言葉に甘えようかな。」
素直だねぇ…まぁ何もしないけど。この子ホントに騙されたりしないよね?
さてマント問題はとりあえず横にして内側から合わせを握ることにした。そしたら片手フリーだし。
これなら事故ってもなかなか見えないだろうと…。油断は禁物!
朝片付け終わったアル君と共に出発。
相変わらず無言。
準備と片付け観察しててアイテムバックあるんだぁって、だいたいのことは見ればわかるじゃん?
そんなことより服。パンツ。早く着たいの!!
自然派裸族はもう充分満喫したから!
「服、パンツ、服、パンツ」
呟きながら歩きまくりじゃあ!
アル君の視線がちょっと痛い気がしなくもないが些事!
と今日もアル君を寝かせて夜はボケーっとしとく。
魔法打ち上げたらまたあの子達集まるかなぁ…なんてここじゃあしないけどね。
海でやらなきゃ2匹来れないしなぁ…
さてそんなに会話もせずただ服の為に歩いたこの数日に終わりが見えてきた。
城壁キター!門番キター!悪い奴はいねぇかー!ってちょっと自分から探しに行きつつ確認待ちの行列へ。
なんか俺お宝扱いらしいのでアル君に全てお任せ。
早く人間になりたいなぁ…
アル君のお陰で変な目で見られつつも取り押さえとかなかった…それはそれでつまらない。




