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スキルマイスターの苦悩  作者: 水田万里
14/22

魔物と話

なんでこんなんなってんだよぉぉ!!


肩で風を切りながら人の流れと逆方向に逃げる。

心の片隅では頼むからこっちに来ないでくれと祈りながら、こっちを追ってくれば上手く人のいない方に誘導できると、偽善的な事を身体が勝手に行う。


その身体の行動を肯定するかの如く魔物は自分に向かってきていた。


なんかいい手はないか、そんなこと考えながら走っていた。

こちらの最大戦力は紫電一択しかないのだ。

使いどころを間違えたら即ゲームオーバーだ。


そこら辺の魔物と圧倒的に違う力を前にして、僅かな可能性に賭けるしかない状況に刻一刻と追い込まれている、そう肌で感じていた。


「ちょっとまったぁぁぁ!!!」


振り返り、話し掛ける。

魔物相手に何をと思われるかもしれないが、

先程まで普通に会話していたのだ、一縷の望みというよりは確信的な行動だ。


「なぜ俺を殺そうとする!?」


直情的な疑問を投げ掛ける。


「我が貴様を殺そうとすることになにか理由がいるのか?」


魔物ゆえにってやつか。

確かに魔物と人間。出会えば即、殺し合い

見敵必殺、サーチアンドデストロイ。

当たり前すぎる道理だ。


「殺される方からすればな。

何か理由が欲しいところだけども。」


そういいながら紫電を発動させる。


「ならばよい、敢えていうなら我の生きる意味、いや、我の造られた意味よ。

貴様を殺すが我のいる意味。我は貴様に殺される為にある。故に貴様とあの場所で会うのも必然。予定調和。貴様はあの場所に呼ばれたのだ。」


訳がわからない……が紫電いつも以上の魔力を流し込み周囲の良導体に抑えきれなくなった魔力が誘導的に流れ始める。


不味いな流しすぎか。

魔力の無駄遣いは得策ではない。

何とか此の状況を打開すべく、時間を稼ぎ、且つ

魔力調整をしていかなければ……


こんな魔物街に放たれれば街は簡単に滅ぶ。

そんなことは絶対にさせない。

こいつは必ずここで殺す!!!!


一撃必殺を狙いながら時間を稼ぐ。


「俺を殺すのに、俺に殺される意味があるとは?それどういう事なんだ?」


にやり、と魔物の口元が歪む。


「こういう事だ。」


そう言って手を見せた。

すると、そこには見たことのある炎が灯っていた


「それは…」


「これか?見てみるがいいさ。得意なのだろうミル事が。」


そーかよ…鑑定っ!







鑑定っ!



あれ?


「見えない……?」


「そうか。我は鑑定を奪ったか。」


なんだそらぁぁあ!


「ちょ!それ何で!そんな事出来んの?!」


「だから言ったであろう我はその為にある。

異界の神より授かりしskillを奪い封印する。

其れが我の役目よ。」



こいつ……どこまで知っていやがる?!


「何を知っている。

お前は俺がなぜここに来たのか知っているのか?」


「それは知らされていないな。

ただ主より仰せつかったのは神のskillを封印しろとだけだ。」


一番使い勝手のいいskillをやられた。

恐怖心で動けなくなる俺にはうってつけのskillだったのに!



時間が引き伸ばされていく。


最初に紫電を纏った時よりも速く、そして強力に

だが相手の目は俺を外さない。


正直、この速さについてこれるとは思わない……


だが念には念をと、速度を保ったまま魔物の真後ろに転移、そのまま6度刀を振るう。


両翼に腕、脚を無くした魔物がどさりと地面に煙を立てる。


「最後に聞こう。あの娘は、ミュートはどこにいる?」


「何を言っている?貴様は既に知っていよう。」


やはり……


ズブリと魔物の頭に刀が優しく突き刺さる。



雨が降ってきた……

その雨に濡れるのを嫌がるようにナナシの身体はその場からかき消えるのだった。


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