祭壇と災難
見慣れたベッドがある。
宿屋まで転移ができたことを意味していた
「えっえっ?!何で?!さっきまで僕の封印の部屋にいたのに?!」
「長い距離は初めてだったけどうまく言って良かったよ。」
「どうやって……「まぁそーいうことができるとだけぼんやり思っててくれればいいよ。」
「そっか…助けてくれてありがとう。」
「あ、あぁいいんだよ気にしないでくれ。」
「だけど何で?何で僕を助けたの?」
何で?そりゃかわゆい娘だから…
じゃなくて…何でかなぁ妹っぽいからかな?
なんか可愛そうに思えてかなぁ。
なんか傲慢な考え方だな……
そういや、地球にいたときは…
「あれ?」
「ん、どうかしたんですか?」
あれ???地球にいた時には独り暮らしだった。
それは覚えてる。
ただ……思い出せるのが死んだ日だけだ……
親の顔も思い出せない。
なぜだ?やって来た仕事の知識は、休みもなく働き続けたということ意外どんな場所で仕事をしていたのかすらも思い出せない。
神のいっていたリセットが正常に働かなかった結果か?
黙り考えていると、ミュートが不思議そうに話しかけてくる。
「ナナシさん?具合悪いの?」
「いやいや大丈夫だよ。ごめん心配掛けて。」
「それでこれからの事なんだけどね…」
「はい!」
「何にも考えてないんだよね…たはは
どこか行ってみたい所とかあるかい?」
「実は1ヶ所だけ。」
「ん?どこ?」
「エルフの里に行ってみたいんだ。
僕を唯一匿ってくれたし、里を追われたお父さんも、お母さんも一緒に暮らしてたんだ。
だから心配で…」
「そうか。じゃぁまずは場所を知らないとダメだよな。心当たりが1つだけあるんだ。」
「明日そこに行くとしてちょっと早いが晩御飯を食べに行こうか。そのついでにギルドに行って、しこたま拾った魔石を売って金にするか。」
「ナナシさん、僕、あの、外に出るのは……」
「大丈夫だよ。何かあったら俺が守ってやるから。それに何事もやってみなけりゃ始まらない」
「……うん。
わかったよ。頑張ってみる!」
ギルドは夕方になり依頼完了報告の冒険者たちでごった返していた。
「すごい人だな。」
比較的すいている買い取りカウンターに並ぶ。
「魔石の買い取りなんですけど……ここにだしても?」
「ああ、構わねーぞ。」
パンパンの麻袋とカード渡した。
「金額多いからこのままカードにいれとくぞ!」
「はい、ありがとうございます。」
魔石はそこそこいい金額になった。旅支度もはかどりそうだ。
「好きなものを頼むといいよ。ちなみに俺は昨日も食べたパスタにするよ。すごく美味しいんだ」
「あっ!じゃあ僕もパスタがいいです」
「ふぅー、流石に大盛りは食い過ぎたかな?」
そう言いつつ隣でアイスシャーベットを頬張る
ミュートを微笑ましく見守る。
こんな可愛い女の子が迫害を受けているなんて…
そこまで考えた時に不思議な違和感を感じた。
…………平和…過ぎないか?
人間や魔族たちから迫害を受けている。
そう、言っていた。
だが、半魔のはずの彼女を見てもなんのアクションも起こしてこない、…………いい事なんだ。
だが……
何かおかしくないか?
「なぁ、ミュート…」
「ん、はい!なんですか?」
「ここには人間たちが大勢いるよな?」
「??はい、いますね」
「お前、本当はなんだ」
「かっ!勘のいいやつだな、ミュートといい、お前といい糞が!!!!」
ミュートであったはずの顔がみるみる崩れていき角を持ち翼を持つ魔物へと変貌していった。
鑑定っ!!!
ダンジョン最下層の守護者、ツクラレシモノの監視者、ソウルイーター
なんだよ?!名前しかでない?!
かなりエマージェンシーでしょこれ!
悲鳴が上がり皆一様に逃げ始め、酒場だけでなく
街全体が混乱につつまれた。




