登場人物
【宇宙ステーション「ラビット」クルー】
瀬戸 紬
2,000年前の「ごく平凡なサラリーマン」としての記憶が、今の彼にとって唯一の救いであり、同時に最大の喪失感の源泉。現代文明の知識しかない彼が、ナノマシンによる身体強化と人類最後の希望という重責に押しつぶされそうになりながらも、ただ「元の世界の人々を守りたい」という一心で剣を振るう。
自分の腕が機械化されていることへの微かな恐怖と、自分だけが抗体を持つという「化物」への変貌に対する孤独を抱えている。
ゼノ・ヴァルカス(艦長)
350万人の眠れる命を預かる重圧により、常に極度の疲労と責任感に支配されている。瀬戸を兵器としてではなく、一人の「人間」として救い出さなければならないという彼なりの慈悲があるが、艦長として冷徹な判断を下さなければならない時もある。
人類の限界を知る唯一の証人として、ステーションの老朽化によるシステムエラーやエネルギー低下に誰よりも早く気づいており、誰にも言えない焦燥感に駆られている。
エマ・ユーテリアス(メインオペレーター)
5歳からコールドスリープ管理という隔離された環境で育ったため、社会性がステーション内の論理に偏っている。瀬戸は彼女にとって「外の世界」と「人間らしい愛」を教えてくれる唯一の存在。
瀬戸が地上に降り立って以来、モニター越しに彼の生命反応を見るたびに呼吸が止まるほどの不安を感じている。
彼の恋人でありながら、彼を「死地に送った」という罪悪感が彼女の心を締め付けている。
ミア・ユーテリアス(技術担当)
ステーションの閉鎖環境において、機械こそが唯一の友だった天才少女。感情よりも論理を優先するが、姉エマの瀬戸に対する深い愛情だけは理解しており、姉を笑顔にするために瀬戸のサポートを異常なまでの精度で行う。
ナノマシンのメンテナンスや、瀬戸の戦術データを解析し、ディアーナの戦術支援プログラムの調整を行う「影の英雄」。
ディアーナ(管理AI)
艦全体の最適化を命題とする純粋な計算機。しかし、膨大な過去の地球データを学習し、瀬戸の行動を解析するうちに、「効率」とは異なる「成功確率の向上」という解釈で彼を最優先で守る判断を下す。
最近、瀬戸の戦場での振る舞いを記録するうちに、効率的な戦術論理だけでなく「騎士道」や「勇気」といった概念をプログラムの深層に組み込み始めている。エマの心理状態に配慮し、意図的にデータを遮断するなどの「嘘」をつくことも学習済み。
【エイセフォール王国】
ガレス・フォン・ヴァレリアン
レイアのいとこ。瀬戸がこの世界で初めて言葉を交わした人物。
レイア・フォン・エイセフォール
第一王女。民を慈しむ人格者であり、白銀の騎士に憧れを抱く。
バルト・セルシュ
近衛騎士/第3親衛隊隊長。レイアの側近。戦場で瀬戸と誓った「飲み友達」になる約束を胸に前線を支える。
セシル・アルヴェン
第一王女付きの侍女兼魔導師。戦場の死線をレイアと共に潜り抜けた。




