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神に何も貰えなかった転生者、実は成長上限がありませんでした  作者: Nagiousen


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第97話 「一族からの贈り物」

 数日後、鍛冶屋の跡に、見慣れない人物が訪れた。

 旧血族の若い女性だった。旅装をしており、少し緊張した様子だった。


「ガレオン様の使いで、参りました」


 女性は言った。


「私は、シアと申します」


 俺はシアを、中に招いた。


「ガレオンさんから、何か伝言ですか」


 俺は聞いた。


「はい」


 シアは答えた。


「ゼロ様の修行の話を聞きました。特に、鍵の方の修行について」


 俺は、少し驚いた。


「なぜその話を、知っているんですか」


「石碑の記録の共同管理を進める中で」


 シアは答えた。


「セルマ様から、少し話を伺いました」


 俺は頷いた。


「マナを、体内に留める修行は」


 シアは続けた。


「実は私たち旧血族の血脈の力と、少し似た性質を持っています」


 俺は、少し興味を持った。


「詳しく、教えてもらえますか」


「私たちの、血脈の力は」


 シアは説明した。


「体の中に力を長期間、保持することを前提としています。マナとは異なる力ですが、体内に力を留めるという点では、共通しています」


 カルロが興味深そうに、話を聞いていた。


「つまり」


 カルロが言った。


「旧血族の力の制御方法が、エリナの修行の参考になるということか」


「その通りです」


 シアは頷いた。


「ガレオン様が、これは贈り物になるかもしれないと、おっしゃっていました」


 俺は、エリナを見た。


「試してみるか」


 俺は聞いた。


 エリナは、少し考えた。


「うん」


 エリナは答えた。


「教えて、もらいたい」


---


 シアがエリナに、旧血族の力の制御方法を教え始めた。


「まず」


 シアは言った。


「力を体の一箇所に集中させるのではなく、全身均等に分散させることが、大切です」


 エリナは目を閉じシアの指示に従って、マナを体全体に意識を広げた。


「これまでは」


 エリナは言った。


「一箇所に集中させようと、していたかも」


「それが、負担が大きくなる原因の一つです」


 シアは続けた。


「分散させることで、一箇所への負荷が軽減されます」


 エリナが再びマナを、体内に引き込んだ。


 俺は緊張しながら、その様子を見守った。


 しばらくして、エリナが目を開けた。


「すごい」


 エリナは、驚いた顔で言った。


「前よりずっと、楽に感じる」


「本当か」


 俺は聞いた。


「うん」


 エリナは頷いた。


「体の負担が、全然違う」


 カルロも、驚いた様子だった。


「これは」


 カルロは言った。


「大きな進歩だ」


 シアが、少し微笑んだ。


「お役に立てて、よかったです」


 シアは言った。


---


 その日の午後、俺はシアに感謝を伝えた。


「本当に、ありがとうございます」


 俺は言った。


「エリナの修行が、大きく前進しました」


「いえ」


 シアは答えた。


「これもガレオン様がおっしゃっていた、共有の一環です。石碑の記録だけでなく、私たちの知識も必要なところには、分け合っていきたい」


 俺はその言葉に、深く頷いた。


 対話の道を選んだことが、こうしてまた新しい形の協力に、繋がっている。


「これからも、よろしくお願いします」


 俺は言った。


「こちらこそ」


 シアは、丁寧に頭を下げた。


 その後シアが、旧血族の拠点に帰っていった。


---


 その夜、俺はエリナと修行の成果について話した。


「体が、軽く感じる」


 エリナは言った。


「もっと、修行を続けられそう」


「無理は、するなよ」


 俺は、念のため言った。


「わかってる」


 エリナは、少し笑った。


「今度はちゃんと、慎重に進める」


 俺は、エリナのステータス画面を確認した。


 エリナ Lv.9

 HP:33/33

 MP:24/24

 筋力:11 敏捷:21 魔力:19 耐久:13 知力:15

 スキル:精密投擲


 レベルが、上がっていた。旧血族の知識を取り入れたことで、修行の効率が大きく向上したのだろう。


 俺は、自分のステータス画面も確認した。


 ゼロ Lv.16

 HP:70/70

 MP:37/37

 筋力:21 敏捷:25 魔力:14 耐久:18 知力:25

 スキル:なし

 備考欄:◇◇◇◇◇◇


 旧血族との対話が、思わぬ形で実を結んでいる。

 これまで対立していた相手が、今はこうして力を貸してくれている。

 橋になるという役目が、また一つ形を成していくのを、俺は静かに感じていた。


 窓の外を見た。二つの月が、静かに輝いていた。



**次回・第98話「静かな成長」**


> 旧血族の知識を取り入れたエリナの修行が、順調に進んでいく。だが、その成長の速さに、カルロがある懸念を抱き始めていた。


旧血族のシアがエリナの修行に、思わぬ助けをもたらしました。対話を選んだことが、こうして新しい形の協力に繋がっていく——このテーマを、大切に描いていきたいです。エリナのレベルも上がりました。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

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