表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神に何も貰えなかった転生者、実は成長上限がありませんでした  作者: Nagiousen


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/100

第84話 「先行偵察」

 翌朝、セルマが一人で、発掘現場に向けて出発した。


「無理は、しないでください」


 俺は言った。


「Bランクをなめるな」


 セルマは、いつもの調子で答えた。


「日暮れまでには、戻る」


 俺たちは野営地で、セルマの帰りを待った。


 カルロが地図を広げてリンネの遺跡群について、知っている限りの情報を整理していた。


「昔の記録では」


 カルロは言った。


「リンネの遺跡群は始祖の時代よりも、さらに古い可能性がある」


「始祖より、古いんですか」


 俺は聞いた。


「確証はない」


 カルロは続けた。


「ただ術式の様式がオルディナの遺跡とは、少し異なるという記述を見たことがある」


「異なる、というのは」


 俺は聞いた。


「わからない」


 カルロは、正直に答えた。


「実際に見てみないと、判断できない」


 俺は、少し考えた。

 始祖より古い可能性のある遺跡。そこに、何が眠っているのか。


---


 日が傾き始めた頃、セルマが戻ってきた。


 その表情は、いつもより緊張していた。


「どうでしたか」


 俺は聞いた。


「思っていたより、規模が大きい」


 セルマは言った。


「発掘現場に少なくとも、五十人以上の人間がいる」


「五十人」


 俺は、少し驚いた。


「複数の勢力が、混在している」


 セルマは続けた。


「学者らしき人間もいれば、明らかに戦闘要員と思われる者たちもいる」


「無冠の残党は」


 アルクが聞いた。


「黒い服を着た者たちが、確認できた」


 セルマは答えた。


「それだけじゃない」


「他にも、何かあったんですか」


 俺は聞いた。


 セルマは、少し間を置いた。


「見慣れない紋章を掲げた、集団がいた」


 セルマは言った。


「これまで見たことのない、紋章だ」


 俺は、緊張した。


「どんな紋章ですか」


 セルマは地面に、木の枝で紋章を描いた。


 円の中に複雑に絡み合った、いくつかの線が描かれている。俺の知るどの勢力の紋章とも、一致しなかった。


 カルロがその絵を、じっと見つめた。


「見たことがない」


 カルロは静かに言った。


「少なくとも、私の知る限りでは」


「新しい勢力、ということですか」


 俺は聞いた。


「そうかもしれない」


 カルロは答えた。


「あるいは、これまで表に出てこなかった、古い勢力かもしれない」


 俺は頭の中で、情報を整理した。

 無冠でも、天秤でも、王国でもない。


 これが、「まだ見ぬ力を求める者」なのかもしれない。


「他に何か、わかったことはありますか」


 俺は聞いた。


「発掘現場の中心に、大きな石碑がある」


 セルマは続けた。


「まだ完全には掘り出されていないようだが、かなりの大きさだ」


「その石碑が目的の一つ、ということですね」


 俺は言った。


「おそらく」


 セルマは頷いた。


 俺は、しばらく考えた。


「今後の方針を、決めましょう」


 俺は言った。


「正面から乗り込むのは、危険が大きすぎます」


「私も、そう思う」


 アルクが同意した。


「まずはもう少し、情報を集める必要がある」


 カルロが言った。


「あの紋章の正体を、知る必要がある」


「フェリクスさんに、確認できますか」


 俺は言った。


「連絡してみよう」


 カルロは頷いた。


---


 その夜俺たちは鳥を使った通信で、フェリクスに紋章の情報を送った。


 返信は、翌日の朝届いた。


「その紋章に心当たりがある。詳しくは、直接話したい」


 カルロがその手紙を読んで、少し表情を曇らせた。


「心当たりがある、ということは」


 俺は聞いた。


「良くない知らせかもしれない」


 カルロは答えた。


 俺は、緊張しながら、ステータス画面を確認した。


 ゼロ Lv.13

 HP:58/58

 MP:31/31

 筋力:18 敏捷:21 魔力:11 耐久:15 知力:22

 スキル:なし

 備考欄:◇◇◇◇◇◇


 変化はなかった。


 だが見えない糸が、また一つ繋がろうとしていた。

 見たことのない紋章。フェリクスの心当たり。

 「まだ見ぬ力を求める者」の正体が、いよいよ姿を現し始めていた。


 朝の光が、山々の間から、静かに差し込んでいた。



**次回・第85話「フェリクスの警告」**


> フェリクスから届いた、詳しい情報。それは天秤ですら、長年警戒し続けてきた、古い勢力の名前だった。



セルマの偵察で、見たことのない紋章の存在が判明しました。フェリクスにも、心当たりがあるという、不穏な反応。次回、いよいよ、新しい脅威の正体が、明らかになります。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

「続きが気になる」と思っていただけたら、ぜひ★評価・ブックマークをお願いします。ブックマークしておくと更新通知が届きます。

感想・コメントも全部読んでいます。毎日21時更新中です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ