第82話 「出発の準備」
レイとの話し合いから、数日が経った。
俺たちは、リンネへの旅の準備を進めていた。
鍛冶屋の跡で、パーティ編成について、話し合いが行われた。
「今回は、遠征になる」
カルロは言った。
「編成を、しっかり考える必要がある」
「誰が行くべきだと、思いますか」
俺は聞いた。
カルロは、少し考えた。
「ゼロ、エリナ、アルク、セルマ」
カルロは言った。
「これまでと、同じ編成だろう」
「カルロさんは」
俺は聞いた。
カルロは、少し間を置いた。
「今回は私も、行こうと思う」
カルロは答えた。
俺は、少し驚いた。
「体調は、大丈夫ですか」
「もう、完全に回復している」
カルロは続けた。
「それに今回の遠征には、私の知識が役立つかもしれない」
「リンネの遺跡群について、詳しいことを知っているんですか」
俺は聞いた。
「詳しくはない」
カルロは答えた。
「だが、始祖の力に関する古い伝承には、多少の知識がある。現地で役立つはずだ」
俺は頷いた。
「エリナは」
俺は、エリナを見た。
「私も、行く」
エリナは、迷わず答えた。
「無理は、していないか」
俺は聞いた。
「していない」
エリナは続けた。
「もう体調は、完全に戻ってる」
俺は、エリナのステータス画面を思い出した。着実に、レベルが上がっている。体力面でも、問題はないはずだった。
「わかった」
俺は言った。
---
その日の午後、俺たちは旅の準備を具体的に進めた。
食料、水、医療品。武器の手入れ。馬の確保。
エリナが、荷物を確認しながら言った。
「今回は十日以上の旅だから、しっかり準備しないと」
「そうだな」
俺は答えた。
アルクが、地図を広げた。
「ルートを、確認しよう」
アルクは言った。
「東部への道は、これまでとはまた違う地形になる」
「険しい道ですか」
俺は聞いた。
「一部、山岳地帯を、通ることになる」
アルクは続けた。
「馬での移動が、難しい区間もある」
「準備は、念入りにしないといけませんね」
俺は言った。
セルマが、装備を確認しながら言った。
「山岳地帯なら、私の経験が、役に立つはずだ」
セルマは言った。
「以前、似たような地形での、遠征をしたことがある」
「心強いです」
俺は答えた。
---
夕方、王国騎士のディーンが、ランドルを訪れた。
「リンネへの遠征、聞いた」
ディーンは言った。
「王国としても、この件を注視している」
「王国もリンネの発掘について、把握しているんですか」
俺は聞いた。
「情報は、集めている」
ディーンは答えた。
「ただ詳細は、まだ掴めていない」
「何か、協力できることはありますか」
俺は聞いた。
「一つ、提案がある」
ディーンは言った。
「王国の東部拠点の情報を、提供できる」
「それは、助かります」
俺は言った。
ディーンは、一枚の紙を渡した。
「リンネに近い、王国の拠点の場所だ」
ディーンは続けた。
「何かあれば、そこを頼ってくれ」
「ありがとうございます」
俺は、紙を受け取った。
「気をつけて、行ってくれ」
ディーンは言った。
---
出発の前夜、俺はエリナと最後の確認をした。
「準備、整った?」
エリナが聞いた。
「整った」
俺は答えた。
「明日、早朝に出発する」
「長い旅になりそうだね」
エリナは言った。
「そうだな」
俺は頷いた。
「今までも、色々な旅を乗り越えてきた」
「今回も、大丈夫」
エリナは微笑んだ。
「一緒だから」
俺は、少し微笑み返した。
「一緒だな」
俺は、ステータス画面を確認した。
ゼロ Lv.13
HP:58/58
MP:31/31
筋力:18 敏捷:21 魔力:11 耐久:15 知力:22
スキル:なし
備考欄:◇◇◇◇◇◇
エリナも、自分のステータス画面を確認した。
エリナ Lv.7
HP:27/27
MP:18/18
筋力:9 敏捷:18 魔力:15 耐久:10 知力:13
スキル:精密投擲
準備は整った。
明日から、また新しい旅が始まる。
窓の外を見た。二つの月が、静かに輝いている。
リンネの遺跡群。まだ見ぬ力を求める者。
その正体が少しずつ、明らかになっていく予感があった。
**次回・第83話「東への道」**
> ランドルを出発したゼロたちは、東への長い旅路につく。険しい山岳地帯を進む中、これまでとは違う種類の困難が、彼らを待ち受けていた。
リンネへの遠征準備、カルロも同行することになりました。王国のディーンからの協力も得られ、体制が整ってきました。次回、いよいよ東部への長い旅が始まります。
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