014話 プリムラ(義母)のエッチな下着と女子会の恋話
泡姫の義母だったプリムラは、商会を営んでいる富豪の女傑ディステルに借金をして、後は貴族院に入学するだけとなった。借金を返済するまではディステルの息子ウォードの面倒を見る約束なので、プリムラはウォードに翻弄されていた。
「い、嫌よ! そんな下着!!」
「ぐふふ。プリムラちゃんなら似合うから!」
プリムラはお金の心配はなくなったが、ウォードは年頃の十五歳の男子なので思春期の真っ盛りである。お互いに十八歳の成人になるまでは性的な接触をしないと約束はしたが、あくまでも世間体に配慮した風習であって日本の様に法律で禁止している訳ではなかった。
ちなみに接触がなくても思春期のリビドーを発散させる行為は可能である。何でも買ってくれると言うウォードの言葉に唆されて、プリムラは女性向けの下着屋でエッチな下着の試着をお願いと言う名の強要をされていた。店員も悪乗りをしていて、ウォードに買い物をさせて売り上げを確保したいので、プリムラの味方はどこにも居ない。
「ウォード坊ちゃま、こちらの新作はどうでしょうか? 女性を際立たたせる逸品でございます」
「おおっ! 僕の心にジャストなヒット商品だ! 試着しな、プリムラちゃん」
「ひ、紐??」
上半身も下半身も紐状の何かで出来ている下着で、絶対に横から見えてしまうので拒否した。
「ぜ、絶対に嫌! 紐じゃないそれ!」
「紐ではございません。伸縮性のある高級な布で仕立てられているのでジャストな部分にヒットする素晴らしい逸品でございます」
ウォードは伝家の宝刀を抜いた。
「プリムラちゃんに庇護があると、貸出時に遡って利子が発生するけれど大丈夫?」
「ぐぬぬぬぅぅぅ!!」
良く契約書を読まないでサインしたプリムラはピンチに陥った。
泡姫とヴィンスの婚約騒動が一段落すると、公爵の屋敷が皆の溜まり場になった。今日は男女で別れて女子会と男子会が行われている。女子会は公爵夫人アマリリスが主催して喫茶室でお茶会形式になった。
「まあっ! 美しいケーキですね!」
アマリリスはテーブルに出された苺のショートケーキのホールを見て歓声を上げた。トレニアも初めて見たようで手を口に当てて驚いている。ショートケーキは泡姫のデバッグ・モードの『アイテム生成』で出した物だ。いくらでも出せるので使用人の女性陣にもお裾分けしている。
今回、女子会を開いたのは泡姫が婚約の贈り物に悩んでいたからである。
「それでお母様。こちらでは婚約するとお互いに贈り物をするのよね? 何が良いかしら?」
「ええ、私もアーネストにカフスを送りました」
結婚している使用人達も参考にと思い思いに品名を教えてくれた。どうやら実用品のアクセサリが多いので、泡姫もその路線で行こうと画策する。皆がショートケーキに舌鼓を打っている間にアイテム生成で検索していると良さそうな品物が見つかった。
「予約特典のハズバンド・リストバンド! ヴィンスの髪の色に合わせて青色ね」
「色は奇麗だけれど地味じゃないかしら?」
トレニアに駄目出しをされてしまうが、泡姫は隠し効果を公表した。
「ふふっ! これ魔法が付与されていて防御力を増すのよ。騎士にはピッタリ!」
「「「「す、凄い!!」」」」
「あ、アリエル様。私も欲しいです!」
護衛騎士のカルミアが凄く欲しそうに珍しく懇願した。本来は仲が良くなった攻略対象に贈る品だけれど、カルミアにはお世話になっているので良いかと泡姫は考えるが、意地の悪い考えも同時に浮かんで贈呈する代わりに聞き出したい事を尋ねた。カルミアの髪色の緑に合わせた品をアイテム生成で出して机に置いた。
「ありがとうございます! アリエル様! ……あっ!」
「待って! ブレイドの事をどう思っているのか聞かせてくれたら上げるわよ」
「!!」
カルミアが取ろうとしたので、届かない位置に泡姫はハズバンド・リストバンドを隠してしまう。他の女性陣もカルミアとブレイドの事は聞きたかったようで聞き耳を立てた。
「ぶ、ブレイドさんは今まで私の近くに居なかったタイプなので、気になると言えば気になります!」
「「「「「「「「わぁっ!!」」」」」」」」
カルミアは体育会系らしくハッキリと声を出して告白したので、皆が歓声を上げる。
「うわぁ、良い恋話が聞けたわ。ごちそうさま! はい、これをブレイドさんに渡してアタックね!」
泡姫はカルミアの正直な気持ちが聞けたので満足し、アイテム生成でブレイドの髪色の茶色に合わせたハズバンド・リストバンドも出してカルミアの分と合わせて2個を渡した。
「ありがとうございます!」
泡姫は次の標的を見つけた。
「トレニア。ルパート様はどうかしら?」
「どう…とは何の事かしら?」
「この流れで言ったら恋愛関係に決まっているでしょ」
「あの方は私を忘れていました」
「まだ怒っているの?」
「それだけではありませんことよ。王になる気概が感じられないのが致命的です」
「「「「「「「「うわぁっ……」」」」」」」」
ノースグラナリー王国人としては不敬になってしまうので言えないが、トレニアは隣国サウスインダス王国の第2王女なので的確に痛い所を突いて来た。
「そこだけ何とかなれば、見た目とか人となりとか環境はどうなの?」
「私は他所に嫁ぐために育てられましたので、嫁ぎ先として考えたら悪くありませんことね。あの様子ですと愛してはくれそうですし、見てくれは好男子に見えるので育て甲斐がありますね」
結構、辛辣に聞こえるが脈なしではなさそうなので、泡姫はルパートの武運を祈った。
プリムラは一番に高そうな分厚い下着を手に取った。
プリムラ「この下着は商人で成功する人には透明に見える下着よ!」
下着店員「お、お客様?」
プリムラは小声で下着店員を説得する。
プリムラ「話を合わせれば買ってくれるかもよ?」
下着店員「!! 左様でございます。ウォード坊ちゃまでしたら透明に見えますよね?」
ウォード「……そ、そうかなぁ? まあいいや。それをくれ!」
プリムラ「セーフッ!!」
下着店員「やったーっ!!」
次回の話は翌日の19時になります。
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