第14話 結果だけなら完全MVP! かいしんのいちげきは98ダメージ
悪魔小娘による惨劇が繰り広げられる。
そしてその裏で暗躍する奈落の破戒僧……。
その手解きにより、深淵の魔女の血化粧が艶やかに咲き乱れていた――。
……?(ナニイッテンダコイツw)
要するに。
旅客船「アルタイル・ホリデー」の救助活動は、極めて順調であった。(適当)
* * *
右舷客室区画。
一体のハイドオーガスが、逃げ遅れた小柄なおなごを壁際へ追い詰めていた。
「へっへっへ♡ もう逃げられないぜ♡」
派手な髪のおなごは怯えたように肩をすぼめる。
「ニョホホ……そうみたいなのヨ」
「……ン?」
「ただし、おめーがなw」
ドスッ♡
「お゛っ♡(ピブー♡)へ、へげ、へぇ、……バモンド!(パボォン♡)」
肋骨の隙間へ差し込まれたミラリィの指が、内部だけを正確に破壊する。
崩れ落ちた個体の通信波形を《X'》へ記録。
直後、別の仲間から呼びかけが入った。
「“モブザスキー、そっちはどうだ?”」
ミラリィは倒した相手の波形を被り、答える。
「”獲物は奥へ逃げた。これから追う”」
「“了解。楽しめよ”」
「言われなくても楽しんでるのヨw」
「“……今、何か言ったか?”」
「”(にょほほ、汁漏れしてたんヨw)何でもない”」
通信を切る。
船内図から赤い印が一つ消えた。
「あと七匹なのヨ。ニョホホw」
敵側から見れば、仲間は今も元気に狩りを続けている。
実際には、順番にミラリィへ狩られていた。
* * *
一方、左舷厨房区画。
「ね、哲人さん……?(クイクイ♡)」
理仁亜が袖を引く。
『む? なんだね?』
「えっと……ミラリィちゃん……ううん、succu=busって……何なんです、か……?」
『ああ、きゃつの事かね。彼女らは「深宇宙探査業務補助員」と呼ばれる人工生命体さ。イルマもそうだよ』
「ンー……。ホゥシエルさんが、言ってた……ワルキュリエ……ていう……?」
『どうやら本来はそう言うようだね……(ヒャッハー!ココハトオサネ……)理屈は分からんが、スペースライダー適正チェック次第でマッチングする仕組みらしい(ドスッ♡)』
「マッチング……です、か?(ピブー♡ ヘ、ヘゲゲ……? エズビッ! パボォン♡)」
『うむ、ホゥシエルさんはそれを「御両親」と呼んでいた……(ヒャッハー!ミツケ……)何でも、「宇宙の益荒男」なるおのこに遣わされるとか……(ドスッ♡)」
「神社で、聞いた話と同じ、だね……(ピブー♡ ホ、ホヘェエ……? ハヴズ! パボォン♡)」
『で、きゃつと「契約」した時、一緒に流れ込んできたデータ……いや、取説かな?(ウェヘヘ……ヌッコロシテヤ……)には、カテゴリー分けが書いてあったよ(ドスッ♡)』
「カテゴリー……です、か?(ピブー♡ キャ、キャッキャ、キャキャ……キャニオ! パボォン♡)」
『彼女らには5つのグレードがあって(グヒャヒャ、オブツハショウド……)、それが戦乙女としての階位を示すものなのさ(ドスッ♡)』
「グレード……。それって、どうやったら……分かるのか、な?(ピブー♡ モヘ、モスモモ……ゴスモ゛ッ! パボォン♡)」
「きゃつの髪を見れば良い。(ゲヘヘ、コノノコデオメェヲ……)色が幾つあるかで判別できる。全部で5つあって、多い程グレードが高いのだ(ドスッ♡)』
「あのスゴイ髪が……じゃ、ミラリィちゃん、は……?(ピブー♡ ルール、ル、ル……ベルルッ! パボォン♡)」
『左様、きゃつこそはエクセレントフィックスターズ……最高レベルの戦乙女……らしいね』
「それで5色なん、だ……。ところで……哲人さん……?」
『む、どうしたね?』
「さっきから……やってる、ソレ……。ミラリィちゃんの技……だよ、ね?」
『ああ、そうだね。きゃつと組手をした時に、私の技と交換ラーニングしたのさ』
「ン……。わたしにも、ソレ……、できるか、な?」
『基本的なアーキテクチャは単純だから多分可能だよ。早速試してみるかね?』
「ン……ッ!」
* * *
『力を表面で止めてはならぬ。打撃点を通過させ、相手の内部へ置いてくるのだ』
「ン……やって、みる」
哲人の前には、拘束したハイドオーガスが一体。
理仁亜が、その腹へそっと指を当てる。
「力を……中へ……」
チョン♡
ドッッッッゴォォォム!
ハイドオーガスは厨房の壁を三枚ぶち抜き、巨大な冷凍庫へ突き刺さった。
冷凍食品が雪崩を起こす。
『ンフッw 理仁亜、力み過ぎではないのかね?』
「抜いた……つもり、だった」
『幸い練習台には困らぬ、もう一度やってみよう』
二体目。
「ンン……五フレーム、我慢……」
プスッ♡
一。
二。
三。
四。
五。
ドッッッッゴォォォム!
爆発四散。
「できた……!」
『我慢した分だけディレイは効いたようだね』
Power S。
Control G。
哲人は腕を組み、しばし考えた。
繊細に制御させるより、全力を前提に組み立てた方がよいのでは?
『ヨシ。理仁亜、君は我慢せず全力で臨むがいい』
「ン……?」
『内部破壊を二段に重ねる。一度目で外殻を抜き、二度目をさらに深部へ置いてきたまえ』
「二段……内部破壊」
『うむ。加減できぬなら、だったら倍にすればいいさ、の気持ちだよ』
発想が奈落の破戒僧であった。
通路の角から三体目が飛び出す。
「ヒャッハー! 見つけ――」
「ンッ!」
理仁亜の杖が胸へ触れた。
ズムッ♡
一重目が筋肉と骨格を通過する。
そのさらに内側で、二重目が炸裂した。
ブッピガァァァン♡
『ア゜ッ!(´・ω...:.;::..(ジュッ♡)』
敵は上半身が粉みじんに爆散、蒸発した。
「ン……できた」
『天晴! 見事な二重内部破壊だ!』
こうして深淵の魔女は、また一つ余計に凶悪な技を覚えた。
* * *
哲人と理仁亜が展望デッキへ到着すると、そこには一人の少年がいた。
十歳ほどの小柄な姿。
破れた服を着て、椅子の陰で震えている。
『おや少年、こんな所でどうしたね?』
「ぼく、怖くてずっとここに隠れてたんだ! たすけて、おじさん!」
哲人を見つけるなり、泣きながら駆け寄ってきた。
『ああ、もちろんさ』
ズゴム♡
「はぎょお!? な、何するのさ、おじさん!?」
哲人の手刀が、少年の脳天を直撃した。
『ふっ。白々しい演技をするのはやめたまえ』
ズゴム♡
「はごぉ!?」
少年が床を転がり、牙を剥く。
「ショタに躊躇なく手をあげるとはとんでも無い野郎だ! おかしいだろ! 人の心とか無いのか!」
『得体の知れぬミュータントが闊歩する船内で、君のような少年が一人きりという時点で不自然だろう?』
「だがちょっと待って欲しい! 親とはぐれたとか、何とかあるだろうが!」
『ふむ、確かにな』
哲人は指を立てた。
『だが君は、私が来た時に迷わず近寄ってきた。まるで野生のポ〇モ〇が草むらから飛び出す如く、最初から私を標的だと知っていたように……ね』
「ぐぬぬ……! くそっ、どっちみち頃すのに変わりないわ! タヒねーい!(ジャキン♡)」
ショタ(嘘)の拳から鋭い爪が飛び出す!
だが……。
『甘い! 安物の柚子最中より甘い!』
ズゴム♡
「はぎゃん! ぐっへぇ……(ゴロゴロ♡)」
爪を振り下ろす前に手刀が頭にめり込んだ。
悶絶するショタ(偽)。
「ンン……哲人さん……実際、どうして分かった、の?」
哲人は理仁亜の耳元へ顔を寄せた。
『なに、簡単な話さ。「まるっとサーチャー」に表示されていたからねw』
「ン……♡ そういえば、そうだ、ね……( ..)φ」
『それに、今まさに救助活動してるのに、此処にぼーっとしてるのは尚あり得ないし……ね』
「ンン……ッ 確かに……( ..)φ」
「な、なんだと! 救助だと……!?」
そこへ、デッキ入口から楽しげな声が響く。
「ニョホホw 先越されとったんヨw」
少年の顔色が変わった。
「あっ……その喋り方! お前ぇ! あの通信のヤツか!」
「気付くのおせーのヨ、ハゲw」
「俺様はハイドオーガジェネラルだ! そしてハゲてねえ! ……( ゜д゜)ハッ! という事は、もうこの船には……」
『左様。君たち賊の皆さんしか居らんよ』
「それもモブーガ……じゃなかった、ミラリィ達がぜーんぶ狩ったのヨ、にょほほw」
『フッ、君たちは何時から自分たちが狩る側だと錯覚していたのかね?』
「グ、ググ……とんでもない連中だ! こうなったら……(メキメキ♡)」
少年――ジェネラルの肉体が軋み始める。
「くっそ、お前らもう皆頃しじゃあ! 俺様の真の姿を見て、恐怖するがいい!」
メキ……メキメキ……♡
細い腕が膨らみ、背中から骨が突き出す。
ドラスティックな変化が、ジワジワ進行してゆく。
五秒後。
「……なげーのヨw さっさとするのヨ!」
ミラリィが額を小突いた。
コツッ♡
「はぎょっ!?」
プシュー♡
膨らみかけた筋肉が萎んだ。
「く、くそ! 邪魔をするな!」
「にょほほ、しぼみよったのヨw」
メキ……メキメキ……♡
もう一度。
五秒後。
コツッ♡
「はぎょっ!?」
プシュー♡
「ニョホホw」
動くものへロックオンしたぬこであった。
三度目。
四度目。
五度目。
「くそっ! 旦那! 自分のおなごぐらい、ちゃんと躾とけよォ!(´;ω;`)」
敵が哲人へ泣きついた。
『おやおや、泣き言かね。そのメキメキ♡はどれ位かかるのかね?』
「ぐうぅ……1800フレームだ!」
「ンン……30秒……です、か?」
『長いな、しかも中断すると最初からヤリ♂直しかね。実用性皆無じゃないか……やれやれ、仕方ないな……』
哲人はミラリィの両脇へ手を入れ、軽々と持ち上げる。
ヒョイ♡
小柄な身体が、びろ~~~~んと伸びた。
「フンッ! フンッ!o(`ω´ )o」
『ほら。持っててあげるから早くしたまえ』
「旦那、ちゃんと押さえてろよ!?」
『ああw』
「離すなよ!」
『分かっているよ』
「絶対だからな!?」
メキ……メキメキ……♡
五秒。
十秒。
十五秒。
『……おおっと。手が滑ったw』
パッ♡
「にょ?」
解放されたミラリィが、獲物へ飛びつく。
「にょわー!( ゜Д゜)」
「ヒッ♡」
プシュー♡
『おっと、悪い悪いw』
哲人は再びミラリィを捕まえた。
ヒョイ♡
「フンッ! フンッ!o(`ω´ )o」
『さあ、やり直したまえw』
「旦那、絶対わざとだろぉ!?」
* * *
さすがに話が進まない。
今度こそ哲人がミラリィを固定し、ジェネラルは三十秒を完走した。
少年の皮膚が裂け、筋肉と増設器官が膨張する。
天井へ届く巨体。四本の腕。背中には生体通信器官が花のように開いている。
「グハハハ! これぞ俺様の真の姿! パワーレシオ45倍! 究極生命体ハイドオーガジェネラル様だ!」
「ン……数値で教えて、くれるんだ、ね?」
『ああ、親切だね。しかし、それにしても……』
「ショッボw ニョホホw」
「んなっ!?(カァァ)45倍じゃぞ! 一般人平均の1.8倍もあるじゃろが!」
『ンフッw また確かに、バイオロイドという事ならかなり高い部類だね……だがこれでは捕獲が難しいな……ミラリィ(スッ♡)』
「おかのした! ニョホホw(スボッ♡)」
哲人に何やら促されたミラリィ。
自身の腰に下げた小樽型コスモポーチにスボッ♡と手を突っ込んだ!
「にょーん! ソフトパンチャーなのヨ!(ニャキーン!)」
「ン……! 何それ、カワイイ、ね……♡(キラキラ)」
「にょほほw にくきうなのヨ!(ニギニギ)」
「ンン……やらかい、ね……!(プニプニ♡)」
ミラリィが取り出したるは、いと愛らしきぬこパンチ型グローブ。
戦闘補助装備「ソフトパンチャー」である。
「くっ、何じゃお前らぁ! 重ね重ね愚弄しおってえっ! ゆ゛る゛さ゛ん゛!」
「にょほほw かかってくるがいいのヨw」
「グオォオオ! タヒねーい!(ブォン!)」
「にょわー!o(`ω´ )o(プニッ♡)」
「グボェッ!? オッボェア……(グシャッ♡)」
ミラリィのにくきう掌底がジェネラル(自称)のボディにプニる。
これにはたまらず反吐を吐いて膝をつく。
「わ……、アレ? 何で、です、か? あんなに、やわっこかった……のに?」
『フッ、あれが捕縛用のてかげん(消費SP:5)装備の効果だよ』
「コイツはドンナーパワーで引っぱたいても、自動でてかげん(消費SP:5)してくれる優れもの! わたくしこそが力、わたくしこそが正義! なのヨ! にょほほw」
「グ、ググガガ……グボェッッシュ♡ な、馬鹿な、この俺様がたったの一撃で大ダメージを受けるとは……これがてかげん(消費SP:5)だとぉ!? 嘘つけコノヤロー! グボッ♡」
『左様、それで攻撃すれば、衝撃を自動で補正し、複雑骨折及び内臓破裂程度のダメージに軽減してくれる、慈悲深き装備なのさ』
「ン……! やさしい、ね……♡」
「余計えげつないわぁ~! くっ、殺せ! ひと思いに殺せってんだぁ~!(´;ω;`)」
「にょほほw 良う言いよったのヨ! ほな遠慮なく逝くのヨ!(ヤンノカスタンスオン♡)」
「はわ! ちょ、ちょっと待て! 話し合おう!」
「にょわー!o(`ω´ )o(プニプニッ♡)」
「え゛ッづら゛ッ!(バグシャァ!)」
……五分後w
究極生命体は床へ転がっていた。
四十五倍はそれなりに強い。
一般のガーディアンならば苦戦しただろう。
ただ、相手が悪すぎたようだ。
「おごご、くっそ、まだだ! こうなったら……凶化暴走!(ベキベキ♡)」
全身が更に膨れ上がりつつ、赤黒く染まりはじめた!
「グバババ……! こいつをヤッ♂ちまうと、三日は筋肉痛で動けなくなっちまうからヤリ♂たくなかったが……仕方ない! これでうぬらもお仕舞じゃあ!」
「にょほほw ぷくーっと膨らみよったのヨw」
『ほう、迷わず奥の手を切るかね。良い判断だ。ちなみに、どれくらいの強化なのかね?』
「グババ、聞いて慄くがいい、理性を完全に保ちつつ、全てのパワーを、なな何と! 1.2倍に強化するのだ!」
「ン……1.2倍です、か……?」
「ショッッッボwwww にょほほw」
「な、何だとぉ!?(カァァ)54倍じゃぞ! しかも理性はそのまま! これ出来るのは解放者(賊側の自称)界隈でも俺様だけなんだぞぉ!(´;ω;`)」
『まぁ確かに、その領域まで逝くと頭をやられる者が大半だからね。そういう意味ではすごいね、天晴!(パチパチ)』
「あっぱれあっぱれ~なんヨ! にょほほw」
「ンン……そうなん、ですか?」
「強さと言うのは代償が伴うのだ! これ以上逝くとちせいが0になるヤツしか居らん!」
「ンン……なるほど……( ..)φ」
「にょほほw ほなおめーのちせいは幾つなんヨw」
「グバババ! 33だ!」
「誤差なのヨw」
「何だとぉ!?」
『ンフッw では見せて貰おうか、君のとっておきとやらを、な』
「にょほほw かかってくるがいいのヨw(ヤンノカスタンスオン♡)」
「望むところじゃあ! 今度こそタヒねぇーい!(ブォン)」
五分後w
「イキッてました! ごべんなざい! もう悪いことじまぜんから許して!」
『ほう、降参かね? なら、これを使うかね?(チラリーン♡)』
哲人がハイエイドリキッドのアンプルをチラ見せる。
これを注入したらば、どんな重傷でもたちまち回復する優れもの。
「くれ! 旦那、それをくれ!」
『勿論だとも。そらっ!』
グサー♡
注射器が刺さり、傷がみるみる塞がった。
『(メキメキ♡)グハハ! わざわざ回復してくれて礼を言うぞ! 褒美に息の根を止めてやろう!』
「にょわー!o(`ω´ )o」
プニッ♡
「ごべんなざい!」
『反省したかね?』
「じまじだ!」
『仕方ないな、特別だぞ。そらっ!』
グサー♡
「グハハ! 今度こそ――」
「にょわー!o(`ω´ )o」
プッニニャン♡
「お゛っほぉ!」
グサー♡
ニョワー♡
グサー♡
ニョワー♡
ジェネラルはようやく学習した。
回復しても勝てない。
心は鞄に入れたまま忘れてたプリッツの様にバッキバキに折られた。
もう襲いかかる気力すら沸かぬ。
だが、完全降伏もしない。
彼には一つだけ、ローグとして珍しい長所があった。
撤退を恥と思わない判断力である。
「ぐぶっ、あげげ……! くっそ、もうやめじゃあ! こんな所には一秒だって居られるか! 俺様は帰るぞ!」
『ほう、撤退かね。君は重ね重ねローグとして頭抜けた能力をもっているようだね』
「くそっ! 嫌味にしか聞こえんわ! じゃがまぁどうでもエエわ! 二度と会わんからな! あーばよ旦那!(シュバッ♡)」
「ン……ッ! 逃げちゃう、よ?><」
『ふっ、大丈夫だ、問題ない』
「へへっ、言ってろ……おお゛っ!? へげらっ!?(バグシャァ♡)」
全速力で展望デッキから遁走するジェネラル(愚)。
だが、突如として足をもつれさせ、顔面から派手に床へダイブしよった。
「ぐおぉ……! 何故じゃ、あ、脚に力が入らん! それに、頭痛もする……ッ! これは一体……!?(ガクガク♡)」
「ンン……? 何でで、しょう?」
「にょほほ……おめー、ミラリィに何回プニられたと思いよるんヨw」
『先程教えた技の応用だよ。流すパワーを調整すると、ああやって神経の伝達を阻害し、身体の一部分を麻痺させる事も出来るのだよ』
「ンン……! なるほど……( ..)φ」
「あげげ……くっそ……! この頭痛もそうなのか!?」
『いや、それは今、君がフロアに頭をぶつけたからだ』
「そりゃおめーのせいなんヨw」
「あぐぐ……出口は、出口はすぐそこなのに、ぬぐおお……」
『さて、いよいよ見苦しくなってきたね。ミラリィ、楽にして差し上げろ』
「おかのした! にょおお!(シャキーン!)」
「わ……爪が伸びるんだ、ね……♡(キラキラ♡)」
「だるダルネイルなのヨ! にょほほw」
『これも捕縛用に刃引きしてある。精々、厚さ50㎝の宇宙船装甲盤を切断する程度の切れ味しかないのさ』
「ヒェッ……。何がなまくらじゃあ! 十分じゃろがぁ!」
「にょほほw 受信料の納め時なのヨ!(ワキワキ♡)」
「ヒッ……い、いやだ! た、たすけ……たすけてくれぇ……!(ズルズル♡)」
これにはたまらず、尚も逃走を企てるジェネラル(芋)。
必死に出口目掛け這いずりよる。
「にょほほ……何処へ逝こうというのかねーw にょほほw」
「はひ! ひ、開いてぇ~!(´;ω;`)」
ジワジワ追いすがるミラリィを何とか振り切った(?)ジェネラル(Θ)。
デッキの扉へ、少しずつ近づく。
だがそれと同じく。
扉の反対側では、コラーダがようやく哲人らに追いつこうとしていた。
「この先が展望デッキ! 隊長殿らがおられるはずでござる!」
哲人たちへ合流しようとする者。
哲人たちから逃げようとする者。
二人が、扉の両側へ辿り着く。
扉が開いた。
「隊長殿ー! ようやく――」
コラーダの爪先が、床の僅かな段差へ引っ掛かった。
「あっ」
前へ倒れる。
手にしていた《フレキシブル長巻》の切っ先が、低い姿勢で這っていたジェネラルの頭部へ吸い込まれた。
スコン♡
「開い……ま゜っ♡(グサー♡)」
バッタリ♡
かいしんのいちげき!
コラーダはジェネラルに98のダメージ!
ジェネラルをやっつけた。
『…………』
「…………」
「…………ン」
静寂。
コラーダは長巻を握ったまま、床へうつ伏せになっている。
その下で、ジェネラルが絶命していた。
「た、隊長殿! 拙者、また何かヤッ♂てしまったでござるか!?」
『……うむ。敵の首領を討ち取った。見事w』
「なんと!?」
「最後だけ持ってったんヨw」
「ン……すごい、ね?」
哲人の端末へ、戦果集計が届く。
SOS光通信の発見。
乗客百八十七名の避難誘導。
全員救助完了。
敵首領ハイドオーガジェネラルを討伐。
文字だけを見れば、誰がどう考えても九津木コラーダがMVPである。
『フッ、すごいじゃないか九津木君。加入直後に大活躍だな』
「はわ! 違うのでござる! 救助以外は全部ヤッ♂ておらぬでござる!」
「謙遜とかコラ助のくせになまいきなのヨw」
「違うのでござるぅ!(´;ω;`)」
哲人は、涙目で訴えるコラーダへ手を差し出した。
『何はともあれ、救助誘導は見事だった。君になら安心して後ろを任せられる』
「……隊長ぉ……」
『広い座学知識。正規ガーディアンとしての基礎技能。救助と支援。そして任された仕事を最後まで遂行する責任感。君が十二年積み上げたものは、ちゃんと役に立ったではないか』
コラーダは差し出された手を取り、立ち上がった。
「はい!」
涙で濡れた顔に、今度こそ笑みが咲く。
「せっしゃ、もっともっとお役に立ってみせるでござる!」
『期待しているよ』
「では早速、この長巻の修練を――あっ♡」
再び何もない所ですっ転ぶコラーダ。
切っ先は過たずジェネラルの頭へ吸い込まれた。
スコン♡
「……(死~ん)」
「ひええ!? 仏に申し訳ないでござる!><」
『確実なる止めを刺すとは……おみそれしたよw』
「おめー死体蹴り容赦ねーのヨ! にょほほw」
「はわわ! 違うでござる、違うでござるぅー! たいちょー!(ガシッ♡)」
『やれやれ……何にせよ、良くやったな、えらいえらい(ナデナデ)」
「うわー! だいぢょぉおおおん! うわわ、うわ、うわあああああーん……(ズルズル)……チーン♪(コカンハジキ♡)」
『ンフッw レガシーパフォーマンスまでするとは、ますます恐れ入ったよw』
「にょほほほw リアルで初めて見たんヨw」
「はわ、へへっ……ヒッ♡(joe)」
「ン……コラーダさん……? ちょっとお話……しません、か……(ハイライトオフ)」
「アッハイ、サーッセンシッタ……(シオシオ♡)」
『ンフッw おや、この彼、何やら変わったお守りを持っているね』
哲人がジェネラル(死)の首元にフォーカスすると、そこにはデカいガジェットがぶら下がっていた。
「でけーw 初代お遊戯少年位でけーのヨw」
『ひょっとするとこれが隠蔽技術の発生源かもしれん。戦利品としてもらっていくか』
「おたから:お遊戯少年なのヨwにょほほw」
「おお! おたからでござる!」
「ン……いいのか、な……?」
『何はともあれ救助成功。皆の者、ひきあげじゃあ!』
「ミッションアコンプリッシュなのヨ!(*´Д`)」
救助と支援なら、かなり頼れる。
戦闘運用は、やっぱり分からない。
コラーダ攻略、継続。




