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【連載版】転生したら断罪の場でヤジを飛ばして石を投げるモブ平民だった  作者: Vou
第三章 「猟奇的な辺境編」

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第五十二話 東方辺境伯の不可解な断罪4

 死を覚悟した俺はクローデリアの方を見た。最期にこれまでの感謝と、俺の想いを伝えなければと思ったのだ。


「クローデリア……様」


 俺は必死に這った。


 俺は自省によって、「剣姫」クローデリアさえ倒せなかった断罪聖獣まで倒したのだ。

 他のやつらとは、精神汚染への耐性が違うのだ。


「ユウ……マ……。私……もう……だ……め」


 クローデリアが涙を流し、苦しそうに声を出す。


 俺は必死に手を伸ばす。


 死の瞬間に……せめてその手に触れさせてください……。


 俺は最後の力を振り絞り、一歩を踏みしめ、クローデリアに向けて倒れかかった。倒れながら、俺の手が、剣にかけていたクローデリアの手に触れる。


 そのとき、俺の体重がかかった衝撃で、剣の刀身がわずかに鞘から出た。


 その瞬間、セラフィナの呪いの煙に触れた刀身が光を放ち、一気に周囲の煙を吸収した。


 ……声が消えた。頭の痛みも嘘のように霧散した。


 断罪聖獣の角の破邪の力……? セラフィナの闇の力を無効化したのだ……。あの厄介な力が今は味方になってくれるとは……。


 立ち直ったクローデリアが即座に剣を抜きながら立ち上がった。


静寂の(サイレント・)宣告(センテンス)


 間髪を入れずクローデリアが剣技スキルを放つと、セラフィナの高笑いが止まった。その剣筋は俺の目にはまったく見えなかったが、確実にセラフィナを捕らえたようだった。


 「ちくしょうぉぉぉ!」と断末魔の声を上げながらセラフィナが膝をつき、地面に倒れ込んだ。


 セラフィナの呪いの魔法が途切れ、クローデリアの「断罪聖剣」が呪いの煙を吸収していく。

 瞬く間に、王城前広場の煙が晴れていく。


 呪いの根源が絶たれた今、王都に巻き散らかされた煙もやがて消えていくだろう。


「助かった……。ありがとうございます、クローデリア様」


 クローデリアが俺を見て、小さく微笑む。


「ユウマが剣に込めてくれた祈りが、呪いから守ってくれたのね。またあなたに助けられてしまったわ」


 いや、俺じゃなくて断罪聖獣の力でしょう。


 ぜっんぜん俺が助けた感じはしないんだけど。


「ともかくも、よかったです」


 本当に……王都の人々が全滅するところだった……。

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