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【連載版】転生したら断罪の場でヤジを飛ばして石を投げるモブ平民だった  作者: Vou
第三章 猟奇的な辺境編

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第五十一話 東方辺境伯の不可解な断罪3

 俺がスキルで放った石は、断罪台に向かって飛んでいくかと思いきや、空中で急回転し、Uターンした。


 まさか、犯人がこの場にいない!?


 少なくとも、やはり辺境伯オットーは犯人ではなさそうだ。


 進路を変えた石はまっすぐ俺のほうに向かってくる。


 ……だが高度は下がらず、俺の頭上を高く越えていく。


「クローデリア様、後ろです」


 俺は横に立っていたクローデリアに告げる。


 クローデリアは頷く。


 俺たちは後ろを振り向いた。

 

 石が観衆のかなり後方の人物の頭に当たった。


 真っ黒なフード付きのローブに身を包み、見るからに怪しい。

 しかし……遠くて顔が見えない。鉄仮面は……かぶっていない。北方辺境伯事件の犯人とも別の人物なのか? あるいは組織での犯罪なのか……?


 クローデリアと俺は観衆をかき分け、犯人のもとに急ぐ。


 犯人は自分に向かってくる俺たちに気づいているのかどうかもわからないが、その場に止まって逃げる素振りを見せない。



 やがてその顔がはっきりと視認できる距離にきた。


 どこかで見た顔だ。



 ……セラフィナ!?


 クローデリアを奸計にはめて断罪の憂き目に合わせようとし、大司教グレゴールと共謀して「呪い」で偽聖女を大量生産した「魔女」だ。

 グレゴールの「名喰い(ネーム・イーター)」発動後、行方知れずになっていたはずだが……。


 俺たちの顔を見たセラフィナがにやりと不敵な笑みを浮かべる。


「来ると思っていたぞ。『断罪の使徒』(エックス)に『剣姫』クローデリア!」


「クローデリア様、お願いします」


 俺はクローデリアに向かって叫んだが、まだ距離があり、観衆が邪魔だ。

 やつは「呪い」を扱う魔女なのだ。何か仕掛けてくる前に捕縛しなければ。


 俺も急ぎ石袋から硬い石を探す。確かミスリルの石も入っているはずだ。……袋を分けておけばよかった。


「舌は十分に集まった。王都を滅ぼすには十分だろう」


 セラフィナが真っ黒なローブの懐をはだけると、大量の人間の舌が地面に落ちた。

 そして詠唱を始める。


 周囲の人々が地面に大量の舌が落ちていることに気づき、悲鳴を上げ、逃げ出した。


 ……よし、道が開けた。


「クローデリア様……」


 間もなく剣の射程圏内に入るというところで、クローデリアが「断罪聖剣」の柄に手をかける。


呪言の囁き(カース・ウィスパー)


 クローデリアが剣を抜くよりも早く、セラフィナが何かの魔法を発動した。

 地面に落ちた舌が灰色の煙のようなものを吹き出した。

 呪具として使うために舌を集めていたのか!


 クローデリアが膝をつき、片手で頭を抑える。


 ……なんだこれは? 頭に直接言葉が流れてくる。


「人が断罪されるのが好物ってどんだけクズ野郎なんだ、下衆モブ平民が!」「いつも女に守られてへこへこしてんじゃねえ、軟弱モブ平民が!」「奴隷って言われて喜んでんじゃねえ、変態モブ平民が!」「公爵令嬢がモブ平民を好きになるわけないだろう、勘違いキモ平民が!」


 まるで自分に返ってくる「断罪の罵声(コンデム・シャウト)」そのものではないか。


 まさかクローデリアもこれを食らっているのか?



 俺やクローデリアだけではない。観衆たちが皆、倒れ込み、耳を塞ぎ、頭を抱えている。断罪台の上の宰相ジークフリートや王太子レオンハルトも、王城前広場の外にいる人々も王城内の騎士たちも、一様に項垂れている。


 俺の頭の中の言葉が続く。


「おまえはクズで罪人だ。生きている価値などない。処刑だ。処刑だ。処刑だ。死んでも処刑だ」


 ……頭が割れるように痛い。


 単なる精神攻撃ではない。これは精神を通して身体にもダメージを与えている。


「王都の愚民どもも王政府のクズどもも、自分が断罪される苦しみの中で死んでいくがいい!」


 セラフィナが言うとおり、この痛みは死につながりかねない痛みだ。


 呪いの範囲内にいる者……下手をしたら王都中の人間が呪いに冒されている……



 セラフィナの高笑いが王城前広場に響く。


 絶対絶命だ!

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