第三十七話 ダンジョンの断罪5
パーティーメンバーが一人ずつ犠牲になっている。いや、一人ずつ狙われて殺されているようにしか思えなかった。
このままでは全滅してしまうのではないか……。
今さらながら、俺よりもっと有用なやつを連れてくるべきだったのではないかと考えてしまう。
「まるで私たち、一人ずつダンジョンに断罪でもされているみたいね」
クローデリアが呟いた。
……ああ、それがダンジョンに俺たちを引き込んだやつらの狙いなのか。「断罪」迷宮とはそういうことなのか?
しかし、それでも……
「行こう。彼らの犠牲を無駄にはできない」
俺はクローデリアとノクティアに言う。
二人は苦しげな顔をしながらも頷く。
祭壇の下に現れた隠し通路に俺が先頭を切って入り込む。
「ユウマ、待って。なぜそんなに急ぐの? トラップにかかったら、もう治療してくれる人もいないのよ」
「俺は『断罪の使徒』Xですが、わかっています、クローデリア様。しかし、この中で犠牲になっても最も影響が少ないのは俺だと思います。俺はあなたには無事にダンジョンから脱出してほしいのです。最悪、聖女様を救えなかったとしても、あなただけは……」
「ふざけないで! やめなさい。すぐ戻ってきて! あなたは私の奴隷なんですから、言うことを聞きなさい!」
「申し訳ありません、クローデリア様。では心苦しいのですが、奴隷はやめさせてもらいます」
「奴隷が自分でやめることなんてできるわけがないでしょう?」
俺は無視して先を急ぐ。
あなただけは、絶対に何ものにも傷つけさせない。
「待って、ユウマ!」
「俺は『断罪の使徒』Xなので、待ちません」
そうだ、今この瞬間、俺はあなたの奴隷ではない。「断罪の使徒」Xなのだ。
隠し通路は斜め下方に向かって伸びているようで、細い通路だった。這いつくばって進む。這いつくばりなどまさにモブ平民に相応しいではないか。
後ろからクローデリアとノクティアがついてくる音がするが、そう簡単には追いつけまい。追いつけたところで追い越せるほどのスペースもない。
やがて、通路の先に通路の出口が見える。
明るい魔導灯の灯りがついた、広い空間がありそうだ。
出口まで辿り着くと、俺はその空間に顔を出す。
そして引っ込めた。
クローデリアとノクティアを待った方が良さそうだ。
「どうしたの? トラップ?」
って、もう追いついたのか……。さすがクローデリア。
「いえ、トラップではないのですが……」
「じゃあ、何よ。トラップがないなら出たらよいだろう?」
あ、ノクティアもついてきていたか。這いつくばり走でも勝てないとは……。ステータスの差はどんな条件でも埋められないようだ。
やはりここは彼女たちに任せるべきだな。
「なんかデカいのがいるんですよ」




