表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】転生したら断罪の場でヤジを飛ばして石を投げるモブ平民だった  作者: Vou
第二章 反断罪戦線編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/60

第三十一話 手がかりはデスホール

「『反断罪戦線』の理念は王国の治安を著しく乱すものであり、聖女の誘拐と合わせて明確に国家反逆罪と認定される。その他の数百に上る余罪も勘案し、勇者ソウマの死罪は確定とした。ただし、死罪の前に『想像を絶する残酷な方法』での拷問を行う」


 目を覚ましたソウマにそのことが告げられると、勇者ソウマは泣いて謝罪し、「『反断罪戦線』のことは何でも話す」と、減刑を懇願し始めているらしい。

 司法取引というやつだ。


「軽減されたところであまりに罪状が多いからな。殺人も何件かありそうだ」


 ジークフリートが言った。


「しかし勇者が反逆罪とは……王政府が甘やかしすぎたせいかもしれんな。私も反省しなければならないことがありそうだ。それにしても、二人はよくやってくれた」


 クローデリアと俺に、ジークフリートが労いの言葉をかける。


「本当に、ユウマの『断罪の石投げ(コンデム・ストーン)』はすごいわ。索敵だけじゃなくて、遠距離攻撃もできるなんて。勇者を一撃で倒すってすごい火力よ」


 あなたも勇者を一撃で倒しているし、なぜあなたが俺をそこまで買っているのかマジでわからん。が、ミスリル石の火力は正直俺も驚いた。もう二度と断罪でミスリル石は投げまい。勇者でなければ死ぬ。


「ともかく、『断罪結社』も大きな成果を出して、宰相の私の評価も上がって、言うことなしだ」


 結局のところ、ジークフリートは自分の手柄が一番か?


「ジークフリート様、今回成果を挙げたのは『断罪の刃』パーティーですわ」


「『断罪の刃』? 何ですかそれは?」


「ユウマと私で冒険者パーティーを結成しましたの」


「そうなのですか? まあ、結社のほうに支障のない程度にお願いしますよ」


 俺はどっちも辞めたいんだけどなぁ。


 聖女はまだ奪還できていないし、「反断罪戦線」との戦いは続くだろう。

 そして俺はそれに関わらない方向でいきたいと切に思う。


「ところで、エリシア様の居場所はわかったのですか?」


 俺はジークフリートに尋ねた。それが優先事項だろう。クローデリアがエリシアを罪に問うつもりがない以上、エリシアは誘拐犯ですらない。


「ああ、『想像を絶する残酷な方法』での拷問をちらつかせたら、即吐いた。『勇者』のくせにまったく勇ましくなかったぞ」


 さすがクズ勇者だな。


「で、エリシア様はどこにいるんです?」


「断罪迷宮デスホールだ」


 ジークフリートが俺の問いに答える。


「何ですか、それ? ずいぶん安直な名前ですが、もしかしてダンジョンですか?」


「そうだ。そのダンジョンの最奥に監禁されているようだ」


 ジークフリートが深刻そうな顔をする。


「勇者らしいといえば勇者らしいわね。確かにダンジョンであれば簡単には救出もできないでしょうし」


 クローデリアも同様に深刻な表情をする。


「クローデリア様はデスホールとかいうダンジョンのことはご存知なのですか?」


「ええ、潜ったことはないけれど、確か古代遺跡の遺構のようなところだったと記憶しているわ」


 古代遺跡……未知のトラップが多そうだな。ダンジョン名からして死にそうなトラップばっかりありそうだし。


「でも勇者が捕まっても聖女が解放されないということは、勇者の協力者がいるということなんですかね?」


「それはそうだろう。『反断罪戦線』って言っているんだから組織だ。だが、勇者ソウマも『反断罪戦線』のメンバーを知らないようでな」


「隠しているだけなんじゃないですか」


「減刑をやめよっかなー、と言っても『本当に知らないんでゲス』って鼻水垂らして泣きながら言っていたからおそらく真実だろう」


 本当っぽいな。


「ともかくダンジョンに潜るしかないってことですね」


「現在のところ、それしかできることがないな。ダンジョンはパーティーの人数制限がかかるから、依頼する冒険者の選抜が必要だ」


 冒険者たちが駆り出されることになるか。大変だな。こんな危険そうな依頼ばかりだろうに、本当になぜ冒険者になんかなりたがる人がいるのか理解できない。


「クローデリア様のご意見を伺いたいのですが、二人は確定として、どのようなパーティーメンバーが良いでしょうか?」


 ジークフリートがクローデリアに意見を尋ねる。クローデリアは確かにいろいろ経験がありそうだ。頭もいいし。


「トラップが多いですし、エリシアを見つけないといけないから、斥候系のジョブは必ず一人必要でしょうね。あとはバランスを考えて、盾役(タンク)、回復役、攻撃魔法系が一人ずついれば十分です」


 物理攻撃はクローデリアと勇者が担うということか。確かにバランスは良いな。二人は確定ということだが……


「勇者は案内役として必要かもしれませんが、裏切るおそれがあるんじゃないですかね」


 そう尋ねると、ジークフリートもクローデリアも何を言っているんだ、こいつみたいな顔をした。

 素人が余計な口出しするなということか……


「すみません。余計なことを言いました」


 ジークフリートが険しい顔をする。


「勇者なんか連れて行ったら案内どころか、邪魔をしてくるに決まっているだろう? あいつは今実刑を逃れるために必死なんだからな。……ユウマ、おまえ、まさか自分は行かないとでも言う気か?」


 ……いや、こっちがまさかだわ。


「いやいやいや、冒険者でもない俺がダンジョンなんか行くわけないじゃないですか。足を引っ張って邪魔するだけですよ」


「そんな……ひどい……。せっかくがんばって冒険者ギルド登録までしたのに……」


 クローデリアが涙を浮かべる……が、あなた書類は10分でかなり適当に作っていたし、俺は最初から冒険者なんてやる気はなかったですよ。


「一緒にS級冒険者を目指そう、って言ってくれたのは嘘だったの……?」


 そのまったく俺の記憶にない発言は何?


「おい、ユウマ、公爵令嬢を傷つけるなど、どんな断罪をされても許されんぞ」


 ジークフリートまで乗っかってくる。


 あんたら……ほとんど詐欺師じゃねえか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ