我慢の限界
「ニミッツ参謀総長?もう私は怒っていない。あきれて口が出ない状態だ。空母打撃群を9個も失い最早制海権は敵空母打撃群により、ほぼ取られたも同然だ。こうなったらもう海軍には頼らん。陸軍や空軍や海兵隊に日本討伐の任務を与える。」
「それはそれで良いのですが…。日本陸軍や空軍は相当手強いですよ?」
「我が国に残された最後の原子力空母打撃群ジョン・C・ステニスを太平洋に展開。海兵隊と陸軍の日本本土上陸を支援しろ!」
と、いきまくマッカーサー陸軍元帥であったが、どこから攻めて良いか正直迷っていた。アラスカから北海道方面に出る方が良いのか、太平洋艦隊を擁して沖縄辺りの南西諸島から出る方が良いのか?その辺の細かい事情については、信頼の失墜したニミッツ参謀総長の方の専門であった。しかし、ニミッツ参謀総長には指揮権がなく、空軍のエドワード空軍大将に海軍及び海兵隊の指揮権が付与される事になった。
「マクドナルド大統領?この人事で良かったのですか?」
「良いも悪いももう我慢の限界だ。海軍に頼り過ぎていた事は間違いない。」
「了解しました。」
その頃東京市ヶ谷の防衛省では…。
「山田中将ならやってくれると信じていた。よくやった!」
「よくやったのは部下達です。私はただヤマト艦橋で戦況を見守っていただけです。」
「にしても死者・怪我人無しは流石に凄い。」
「運が良かっただけですよ。ほとんどの作戦は沖田少将率いる4代目厳龍によるものが大きいかと。」
「これで相手は大慌てだな?」
「米国海軍が機能不全となった今、恐らく温存して来た陸軍や空軍そして海兵隊に海軍の残党が大軍を率いてやって来るわ。気を引き締めて頂戴。」
「田中総理!何故市ヶ谷に?」
「私はこの自衛隊の最高指揮官よ?」
「知られてまずいことでもあるの?」
「いえ、その様な事はありません。」
「で?米軍の総攻撃が来るのはいつ頃?」
「分かりませんがこちらには陸海空各自衛隊にサイバー防衛、宇宙作戦群と戦力は万全です。専守防衛に徹しているから、死者も出ないのです。」
「なるほど。目処がついたら講和する予定だから反撃もほどほどにしてね。」
「ほどほど…。にですね?了解しました。」
米内光政聯合艦隊司令長官兼海上自衛隊元帥大将は、そう田中恵理総理にたんかをきった。総理からの信頼感抜群の米内元帥は、小林防衛大臣との交代説もあったが、シビリアンコントロール(文民統制)の観点から流石にそれは廃案夢物語となった。




