追うものと追われるもの
「スピードはこれ以上出せません。マカッチェン中佐!」
「サンディエゴ海軍基地まではまだまだあるな。追っては哨戒機一機と潜水艦2隻か…。よし、F-18A/スーパーホーネットを2機出撃させろ!」
「マカッチェン中佐?しかしスーパーホーネットでは対潜水艦作戦能力はありませんが?」
「目障りな哨戒機だけでも叩かないとな。ニミッツ参謀総長に何を言われるか分からない。」
「沖田艦長!敵空母より艦載機が発進しました!」
「P−1青山中佐聞こえるか?」
「はい。聞こえています。」
「そちらに米国海軍原子力空母ジェラルド・R・フォード級の空母艦載機が2機向かった。何とか振り切って日本本土に戻ってくれ!」
「了解しました。」
「敵哨戒機現場海域から遠ざかります。追いますか?」
「いやテノール大尉深追いするな帰還しろ。」
「了解しました。」
「やはりロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦2隻をやられたのが運の尽きだったか。」
「沖田艦長?もう相手は丸腰みたいなもんですよ?射程圏内に入り大津波型魚雷をぶちこめばきっと何も残りませんよ?」
「分かっている。両舷全速!」
「潜望鏡使用可能海面まで浮上します。」
「いたぞ!応急措置はハリボテだな。大津波型魚雷で一気にケリをつける!」
「マカッチェン中佐!敵潜水艦にロックオンされています!」
「くそ、このデカい図体のジェラルド・R・フォード級原子力空母では、急な回避行動は無理だ!」
「マカッチェン中佐!聞こえるか?」
「ニミッツ参謀総長?」
「総員退避させろ!ジャップの潜水艦は恐らく確実に一撃必殺の空母キラーである原子力潜水艦Xだ。空母打撃群が全くない状態では、航空母艦は丸腰。どうせ死ぬならなんて悲観的にならずに、総員退艦を下命せよ。」
「了解しました!」
と、その時だった。
ズドドドガーンズドドドガーン!
4代目厳龍の放った大津波型魚雷が、ジェラルド・R・フォード級原子力空母に命中。火災が発生していた。米国海軍のサンディエゴ海軍基地までは遥か彼方。まだミッドウェー島から数マイルしか出て来ていなかった。
「相手は大慌て。我々はそれを見届けるだけ。」
「沖田艦長!一応駄目押しをしてもよろしいでしょうか?」
「いや、どうせ火が回って火薬庫や艦載機に延焼してドカーンだろ?」
「あぁ、なるほど。そう言う筋書きか。」
「マカッチェン中佐!中佐も退避しましょう!」
「駄目だ。私はニミッツ参謀総長に艦長代理を任された身。無事に空母打撃群と合流出来なかったのは私のミスかも知れない。とにかく原子炉に火が回って水蒸気爆発を起こしたらミッドウェー島には死の灰が降る。それだけは避けたいからな。さぁ、行け!」
「はい!」
と、マカッチェン中佐は腹をくくった。




