明細を見る。
明細を確認すると、振込額の合計金額が大きめに書かれていた。
その合計金額――32万円。
「……!?」
カロナの生活費でいえば半年分くらいになりそうな額だ。多少豪遊しても良いし、装備に当ててもよさそうだった。
なんならAI秘書を追加で買ってもいいかもしれない。見習い執事のショタとか。見習いメイドのロリとかとか。
はっ! ペット! ペットもいい! 猫を膝の上に乗せてナデナデするとかお金持ちっぽい!
あ、でもそれを口に出したらコクヨウが「私を撫でてくださっても良いのですよ? 私も猫ですし」と猫耳をぴくぴくさせて迫ってきそうな気がした。
「お嬢様?」
「ハッ!……え、あ、コクヨウ。この額は……!?」
「はい。最近の広告収入、切り抜き動画分の収入等々、詳しくは明細の通りです」
「……おお。おおー……マジですのね!」
まずはカロナの配信でのダンジョン攻略賞金及びスパチャ額。ダンジョン攻略時の損害分を補填した分を差し引いて5万円程だ。
次に、思っていた以上に多いのは、配信アーカイブや動画の広告収入。およそ7万円。
コクヨウの推測ではあるが、星空プロダクションに所属したことにより、コクヨウが作成・アップしていた過去の切り抜き動画を星空プロダクションのファン達が一斉に見たのだろうのこと。
そして企業チャンネルでのカロナデビュー配信による給与振込が18万円程。
スパチャ込みのカロナの取り分である。
「……あの、この金額マジですの? ダンジョン攻略の賞金をダブルスコアで上回る金額。企業チャンネルってパネェですわ?」
「デビューということもありご祝儀スパチャも飛んでましたからね。実際、今回は契約より少し多めに配分してくださったそうです」
「ひょえー……!」
企業チャンネルの登録者数は伊達じゃないということか。
そのおこぼれでカロナの登録者数も順調に上がっているようなものだ。
「いえ、凄いのは星プロをここまで育て上げたアカリ先輩方ですわね」
「ええ。存分に便乗させていただきましょう!」
「言い方が悪いですわよコクヨウ?」
「お嬢様のリアル食生活の改善も見込めますね」
どうやら訂正する気はなさそうだ。
「それにしても、切り抜きも結構な額ですね。コクヨウ、あなた自分で自分の元取れてますわよ?」
「私はお嬢様のメイドですので。引き続きお引き立てくださいね」
「同じAI秘書のはずなのに、セバスより切り抜きのセンスがいいんですわよね」
「愛です、愛」
コクヨウは得意げだ。
「セバスはダンジョン選定が上手いので良い配信ができるというのもありますわ。私がここまでこれたのも、二人のおかげですわね」
「ふふ、お仕え甲斐のあるお嬢様でなによりです」
「ところでセバスは?」
「呼べば来ますが、お嬢様がお風呂上りということもあり自重してるのですよ」
「なるほど。紳士ですわね!」
その意気を尊重し、セバスを褒めるのは後日にしようとカロナは決めた。
ちなみに夜中ではあったが、お祝いにケーキを食べた。VRであれば、夜中にケーキだろうがカラアゲだろうが、何を食べてもカロリーゼロ。無罪なので。




