配信後の打ち上げ
そして、配信後。カロナの私室にアカリ、ユキ、ソラの3人がやってきた。
部屋の方は一旦ベッドを仕舞って白いテーブルとイスを並べてのお茶会スタイルである。VRならではの一時的でも大胆な模様替えでお客様おもてなしスタイルになっていた。
「カロナちゃんのお部屋、ゴージャスでいいねぇ……!」
「フフフ、わたくしのこだわりなのですわ、アカリ先輩。」
得意げなカロナが手をポンポンと叩くと、セバスがスッと音もなく現れ、紅茶を入れてケーキを置いていった。
「執事……老執事、いいですね」
「いいですわよAI執事。ユキ先輩も懐に余裕があれば個人用で購入しても良いかと」
「なら私は青年イケメン執事で。こちらに一度弟子入りとかさせたいですね……」
「うふふ、その時は教育にご協力いたしますわ。ね、セバス?」
「はいお嬢様。奉仕の心を叩き込んでやりましょう」
「……良い」
ユキに自分の執事を褒められ嬉しくなるカロナ。
「それはさておき、個人ホームにお邪魔してよかったのか?」
「ええ。かまいませんわソラ先輩。リアルの家ならともかく、VRなら常にお片付けもおもてなしの準備も完璧。人を呼んでも何ら恥かしくないのですわ!」
「確かに。リアルの家はどうにも片付けが大変だもんな」
もっともカロナのリアルホームは、逆にモノが無さ過ぎて片付けするまでもないのだが。趣味や装飾はVRに、このBCDのホームに全振りなので。
「今後打ち上げをカロナちゃんちでやるのもいいね……!」
「ふふ、歓迎いたしますわ」
ケーキを美味しそうに頬張るアカリ。BCD内ではいくらケーキを食べても太ることはない。アスリートやアイドルでもたくさん食べて大丈夫な無罪のケーキだ。
「ソラ君のホームだとカレーとかカラアゲとか食べ放題なんだよ。カロナちゃんも今度来たらいいよ」
「おいアカリ、なんで俺のホームに勝手に誘ってるんだ。……まぁいいけど」
「あら。見た目によらず脂っこいのが好きなんですねソラ先輩」
「まぁな。リアルでは運動をやってる都合、体型を維持するためにあまり食べられないんだ。だが、こちらではカラアゲもカレーも飲み物にできるほど食べられる。最高」
言いながら、ケーキをパクパクと食べ、コクヨウにおかわりを貰っていた。
ソラ先輩ってリアルでアスリートなのですわねぇ。とカロナは頬に手を当てて頷く。
「ダイエットコーラと同じで、食べたのに身体には糖や油分が補充されないからかえってお腹が減り爆食いしてしまうという研究もあるけど?」
「ならユキは食べないのか? そのケーキ貰おうか」
「食べないとは言っていないわ」
そしてケーキをフォークで切って、一口分突き刺し、もぐっと食べるユキ。
「……これ、かなりいいケーキね。高かったんじゃない?」
「ここでは一度買えば食べ放題。であれば、良いものを揃えた方がかえってお得なのですわ」
「それは確かにそうね。食べれば食べるだけ元が取れるもの。サブスク方式じゃないあたり、BCDが優遇されてるのは間違いない」
「サブスク方式だったらわたくしとっくに破産してますわね」
BCDではダンジョン攻略者を増やすという方針のため、あくどい商売は許されていない。AI秘書も買い切りである。貧乏なカロナにはありがたいことこの上なかった。




