・31・車内で
公共駐車場で調達したSUVで、湖の畔をひた走る。周りは流石にリゾート地なだけあり、小綺麗な風景が続いている。イアンは先程、ききそこねたことをもう一度聞いた。
「で、僕はどうやって戦えばいいんですか?港の時みたいな力は出ませんよ?」
ジョヴァンニは少し考えて、笛をよこした。
「なんですか?これ。」
「吹いてみな。ナイフでも思い浮かべながら。」
言われたとおりに吹いてみる。そうしたら、イアンの手の中に思い描いたとおりのアーミーナイフが現れた。
「魔法系の不思議アイテムですか?」
「そうそう。鏡笛ってゆうらしい。欲しい武器を思い浮かべながら吹くとそれに変化するってやつ。」
「そんなことだろうとは思いましたけど」
「本当はそこに魔力を流しながらやるんだけどね。君は魔力垂れ流し札から。ただ吹けばいいよ。んで、それで作った武器は完全なる君の管理下だから。どんな動きでもできる」
そう言ってジョヴァンニは前に向き載って運転を続けた。やけに物わかりがいいとかなんとか言いながら。
そりゃ一目でわかる。昔父と一緒に海に沈んだはずの内皮がいきなり目の前に出てきたんだ。
いくらイアンでも魔法だって信じる。
けど大丈夫だろうか。いくら武器を手に入れたからって、そう簡単に強くはならない。港の時みたいな力が自分の意志で出せるような連中に挑むには、あまりにも心もとない。死ななきゃいいけど。




