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23/37

・23・やっと終わった

最初に見えたのは天井だった。なんの変哲もない、ただの天井。灰色で、コンクリートと配管がむき出しの、天井。視界の端に緑色の髪が写った。なにか見覚えがある。確か気絶する前にもみたはずだ。誰だったか。


「お目覚めになりましたか?」


「ああ、はい。あなたは?」


「ミシェル・ライオネルと申します」


ミシェル?・・・・ああ、ギュスターヴが言ってた強制魔力操作の奴か。


「どうですか?調子は。魔力が暴走しかけてたので、半分くらい吸い取ったんですけど、頭痛くなったりしてませんか?」


「あ、えっと、なってません。あのー魔力の暴走って、、、、なんです?」  


「そのへんも含めて後で兄様から説明があるはずです。今はとにかく回復に務めてください。兄様は72時間以内にあなたと会談することを望んでいます。僕の任務はそれを叶えること。そのため、あなたをこれより眠らせます。全てのエネルギーを回復に使ってください」


え、なんて?もう声が出なかった。まるで金縛りにあったみたいに体の全部分が全く動かない。次の瞬間、目の前が暗くなった。


次に明るくなった時に目の前にあったのは、いつか尋問を受けたあの部屋だ。

つい数時間前に見た光景のはずなのに、随分と懐かしく思われる。気のせいだろうか。



「そうでもないよ。もう3日は前だからね。」

また心を読まれた。少しは制御できないものかな。しかも僕を焼き殺そうとした男に。


「ああーー、えーーと、教えてくれてありがとうございます。ところで、心を読む、いや読めてしまうのは、あー、制御できないものですか?アルミナントさん。」


「できるよ?」


じゃあ何でそうしないんだ。ここの連中にはプライバシーという概念はないのか。


「あるよ、一応というべきか勿論と言うべきかというところだけど。ただ、君は今虜囚だからね。」

ああ、なるほど、たしかに僕でもそうする。この人達でも少しはまともな行動理由があったんだな。


「じゃ、納得できたところで行こうか。」


「え、どこにですか?」


「甲板。尋問、というか裁判そこでやるから。いや、僕はここでやろうって言ったんだよ?だけど兄さんがすぐ処刑できるように甲板でやろうって。」


「えーと、どちらのお兄様がそうおっしゃったんです?」


「きみのこと殺そうとしたほう」

なるほど。随分と嫌われてるみたいだ。


「えーと、僕の判決ってまだ決まってませんよね?」


「公式にはね」

なるほど。裁判官それぞれのなかでは決まってるわけだ。僕を無罪放免してくれる確証がある人は0人なのに、死刑にしてくれる人が一人確定してるこの状況は、どう解釈すべきなんだろう。


「まあそんなに悲観すること無いって。僕は君のこと無罪放免にするつもりだから。安心してくれていいよ」


「どこかで、マイナスの感情を偽装するのは難しいけれど、プラスの感情は簡単に偽装できるって聞いたんですよね。どう思います」


「そんなことを言うガキは死刑にしてやろうって思うね」


「ご勘弁願います」


うん。不安だ、誰一人として味方が居ない。この様子で本当に生きて帰れるんだろうか。


「それじゃ、甲板行くよ。」


「どうやって行くんです?」


「え?歩いて」


「あ、そっか。普通は歩いていくんですもんね」


「え?なにいってんの?」


「いや、歩いて行ったこと無いんで」


「ああ、たしかに。じゃあ、案内がいるね」


「ええ、そうなんです」


「誰か案内してくれると良いね」


ん?ちょっと待て。今僕は道案内がないと甲板にたどり着けないと言った。そしてこの男は、誰か案内してくれると良いねといった。あれ?こいつが案内してくれるんじゃなかったのか?


「え?案内してくださらないんですか?」


「しないよ?じゃ、頑張って」


これまでにないスピード感で見放された。この様子じゃこの人も僕を無罪にはしてくれないと思う



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