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・11・尋問もどき

 「おーい。君。起きてるー?そろそろお話したいんだけど」


 うるさい。何でこの船の連中は寝てる人間に対して気を遣えないんだ。

この様子だと全員童貞だな。


「君、流石に失礼じゃない?大人に童貞とか言っちゃいけないって学校で習わなかった?」


 え、あ、心読まれてる。まあそうだよね。できるよね。そのくらい。獣人が普通に人間界に馴染んでるんだから。テレパシーなんて超能力ですらないか。

心読まれてるんなら何言っても変わんないよね。


「教師から童貞っていう言葉を聞いたこともないです。まともに学校行ったことないんですか?」 


あ、まずい。さっきとは打って変わってすごく暗い顔になってる。どう考えても怒らせた。どうしよう。だいたいこの手の敵幹部キャラはキレてる時とそうじゃない時のギャップがすごいって決まってるんだ。どうする?なんか言った方が良いか?それとも黙って怒りが収まるのを待つか?多分どっちを選んでも殺される。なら謝って時間稼いだほうが良い。


「あ、えーとごめんなさい。あの、バカにして」


 何も言わない。あーこれ終わったやつだ。さよなら。現世。冥界の王は優しい人だと良いんだけど。


「はっ。はははははっ!!」


 え、あーこれ大丈夫なやつかな?殺す前にあざ笑ってるわけじゃない、よね?


「いやー、面白いよ、君。気に入った。弁護してあげるよ。このあと」


 は?弁護?何?、裁判でもするの?


「弁護って、、いつするんですか?裁判するわけでもないでしょう?」


「え?するよ?君言ってないの?」


 最後の言葉はさっきのうさ耳に言っていた。あいつまだ居たんだ。


「いえ、言う前に気絶してしまったので」


「いや、ちょっと待ってくださいよ。何言ってるんですか?僕が何したって言うんですか?」


「この船に勝手に乗ったでしょ?」


 え、それだけ?弁護してもらうほどのことか?


「まあそれ以外にもあるんだけどね。それは尋問だから」


 尋問、ね。何聞かれるんだろう。あの光のことは知られてないはずだし。聞くことがあるとは思えない。パブロフのことはもっと聞かれないだろうし。


「パブロフって?あとは光とかなんとか言ってたね」


 まずい。心読まれてんの忘れてた。完全にカマかけられた。


「小狡い手を使いますね。紳士的じゃない」


「僕は夜の人間だからね。紳士とは対極の存在さ。悪いね」


 一気にムカつくやつになったな、こいつ。こんなやつに弁護なんてされたくない。あと、よく考えたら獣人よりテレパシーのほうが普通にすごい。ここの常識にわずか数時間で染まってしまったってことなのだろうか。

だとしたら僕の適応能力は人類最高だ。



「で、どうするんですか?これが尋問ですか?」


「いや?尋問はこれからだよ。」


「は?何をこれ以上聞くんです?」


「いやね、僕は記憶消してどっか別の大陸に放り出そうって言ったんだけど、兄さんたちがなんか気になるっていうもんだから。でも尋問して何も出ませんでしたじゃ無駄だから、僕がなにかいい情報持ってるか確認しに来たの。」


なんだそれ。それじゃ僕が思いっきり凡ミスしたことになるじゃないか。


「そう!そのとおり。もー、かんべんしてよ。僕だってなるべく早くシティに戻って遊びたかったのに。君のせいで船に残んなきゃいけなくなったじゃない。どうしてくれんの?」


 知らねえよ。そんな事。お前の女事情なんて知ったこっちゃない。


「わお。言葉がすごく汚い。君が言う”紳士的じゃない”言葉遣いだね。今風に言うと、”特大ブーメラン刺さってる”ってやつだ。はは、面白いね」


 怖い。なんかいきなり表情暗くなったと思ったら、変なこと言い始めた。頭おかしいんだろうとは思ってたけど、多重人格だとは思わなかった。


「ん?ああ、ごめんごめん」


 とか思ってたらなんか頬を叩いて話し始めた。ほんとに何してるんだろ。


「”変わり”かけてたね。で、何の話だっけ。」


 女遊びができない話だったと思う。本当にどうでもいい。


「そんな事言わないでよ〜。大体責任は君にあるんだからさ。愚痴くらい聞いて当たり前でしょうが。」


 知らないよ、そんな事。勝手に喋ってれば良いんだ。


「え?ちょっとひどくない?心読まれてるからって遠慮なさすぎじゃない?君捕まってるんだよ?今。」


 心読まれるんだったら礼儀も何もつけられないだろう。僕がそう言おうとするより、さっきのうさ耳が喋る方が早かった。


「アルミナント様。そろそろ尋問室に向かいませんと。総裁閣下がお待ちです。もう一時間ほど遅れております」


「へえ。そんな喋ってた?僕。まずいまずい。おーい行くよ。えーと、君、名前は?」


 名前も知らずにあんな話しかけてきてたのか。頭おかしいな。この人。


「あー名前教えてくれない感じかな?取引の材料にするつもりなら別に構わないけど、良いの?心証悪くなるよ?」


「構いません。そうします」


 どうせ心証なんてもともと最悪なんだから今更足掻くことない。だったら取引に使えるネタは多いほうが良い。そもそも使えるかどうかわからないけど。

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