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多言失言遺言  作者: シャバゲナイト老婆
lost season
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ロンリー自分語り

ドッスン!

「痛い!!!!!!!」

 僕はあれから宇宙をさまよいさまよって、どこかのよく分からない惑星に着陸した。

着陸というよりは惑星の引力によってグイグイと引かれていたので衝突したという方がより正確だろうか。

 しかし、この惑星、どこなのか一切わからない。

 だがしかし、太陽のようなものと地球のようなものが近くに存在しているので太陽系であり、さらに地球から距離が近いところのどこかだろう。

 きっと火星か金星か。もしかしたら木星かもしれないな。

 この状況になって初めて、自分が天文学を勉強してこなかったことを悔やむ。まさか自分がどこかの惑星に行くことになるとは。もしも予めそれを伝えられていたら学生時代にしっかりと地学の勉強を受けたのに。

 と、よく分からないタイプの後悔をしたところで、僕はようやく惑星との衝突によって受けたダメージに慣れることができた。

「よっこいしょっと」

 僕は立ち上がって周りを見渡してみる。

 どこまでも続く地平線。足もとは荒れていてサクサクと進むことはできない。うかうかしたらつまずいて転んでしまいそうだ。

 僕は地面に転がっていた手のひら大の石のようなものを持って、地球へ向かって投げてみる。

 その石は大きな放物線を描いてから、地面に落ちた。

これは……。

 僕は、今度はできる限りサイズの小さい石を探して、同じように上空に向かって思いっきり投げ飛ばした。

 投げ飛ばされた石はやや抵抗を受けながらも、この惑星から脱出して宇宙の彼方へと飛ばされていった。

なるほど……。

 この惑星は重力が非常に弱く、空気も薄いため抵抗が少ない。

 じゃあ、なぜ僕は呼吸できているのかという疑問にもなってしまうが、それは僕にも分からない。しかし感覚としては地球にいるときと変わらない。重力に関して言えば、確かに軽い感じはあったが、まさかここまで重力が弱い惑星だとは思わなかった。

さて。

 これから何をすればいいのだろうか。僕は。

 とりあえず先決すべきは、食料の確保及び飲料水の確保だろう。もしかしたら希薄酸素環境下でも問題なく生存できているため、食料や水がなくても生活できるかもしれないが、そうではなかった時のリスクを考えると探しておくべきであろう。

 僕はこの星を歩き回ってみることにした。

 しかし、方角が分からなくては、懸命に歩き回っても、実は同じところを何周もしていました。という話になりかねない。

 僕は手当たり次第に、そこら辺に散らばっていた石を集めて、文字を作った。

「よし、これで迷うことはないだろう」

 僕はその文字を背にして歩き始めることにした。

 歩いても、歩いても、やはり景色は変わらない。空の景色はあまり変わっていないし、地面も似たような景色が続くだけだ。

 植物は生えておらず、もちろん動物もいなかった。

 川や滝のように水が流れている場所はなく、それどころか地質は水分を含んでいないようにサラサラとしていた。

 空気はどこまで行っても同じように乾燥していて、やはり水分は感じられない。

 僕はうっすらと絶望を感じ始めていた。

 しかしめげずに歩く。

 歩いては休み、休んでは歩いた。

 朝も昼も夜も関係なく、太陽がどんなに傾いても歩いた。

 草木は枯れた後すらない。

 水は乾燥して蒸発した後すらない。

 何日かかっただろうか。

 僕は目の前に絶対に見たくなかったものを見た。

 初日に僕が石で作った文字だ。

 僕は一切の草も水も、それどころか役に立つのか立たないのか分からない物すらも見つけることができなかった。

 それは端的に言って絶望だった。

 何日もいたずらに浪費してしまったのだ。

 しかし、分かったこともある。

 きっと僕は空腹やのどの渇きで死ぬことはない。日の落ちを数えて1ヶ月ほど、僕は一切それらを感じることはなかった。

 つまり僕は無気力で日々を消化することも可能なのだ。

 朝でも夜でも気にせずに眠り、時には運動をしたり考え事をしたり。

 そんな日々を送ることもやぶさかではない。

 さしずめ、早すぎる隠居生活といったところだろうか。

 それも良いかもしれない。

 定年まで働かずに隠居生活に入る。それはどれだけ多くの人が望んだことだろうか。どれだけ多く人がなりたい職業だろうか。

 その夢のチケットを僕は手に入れてしまったのだ。

 さて、じゃあ僕も隠居生活を味わってみるか。

 まずは昼寝をしよう!

 ……。

 ベッドが欲しいなあ。

 床が一切の慈悲もないガチガチの床だから寝づらいどころの話ではない。漢字の「機」の上で寝ているような感じだ。

 この惑星を歩き回っていたころは疲労が来たら眠るかんじだったから床の硬さをチェックせずにすぐに寝てしまったから分からなかった。

 もう諦めよう。

 そもそも、睡眠というのは寝たい時に寝るからこそ最高であり至高であり究極であるのではないだろうか。

 他のことをしよう。

 散歩?

 もう一生歩きたくないほど歩いてしまったからもう嫌じゃ。

 他のことをしよう。

 テレビ?

 は――ない。

 インターネット――もない。

 あれ?これもしかして何もないんじゃね?

 もしかして僕、隠居生活、全然入れないサムライなんじゃね?

 これは切腹ものだ。

 サムライだけに。

 ……1人でかけても虚しいだけだった。

 真白さんが恋しい。

 やはり僕は真白ロスから抜け出せていないのだ。あれから1ヶ月経っても、未だに真白ロスを引きずっていたのだ。

 どんなに欲を抑えながら生活していても、やはり心の奥底には真白さんのことを思っていたのだ。

 まさかの2回連続真白ロスである。

 女々しいやつかよ。

 いや僕は女々しいやつであってるんだけどさ。

 さすがに2回連続は辞めた方がいいか。

 前向きな感じに心を切り替えよう。

 そうだ。

 きっと将来、真白さんは僕のところへ来る。

 だから真白さんがこの惑星に来た時に、住みよいと感じるように開拓していかなければならないだろう。

 よし!

 次回は開拓編だ!

 はい僕が今決めました~。次回は開拓編で~す。

 終わります。


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