ドリームサンシャイン上野
もう終わりそうですね。
僕はどこにいるのか。
それは、東京だった。
「東京?」
僕と真白さんは上野公園にいた。
さっきまでは廃ビルの中にいたはずだ。だが今は上野公園にいる。
「東京ですよ。」
真白さんは言う。
「終わりってどうするつもりなんですか?」
「わかりませんね。」
「最後はコメディー小説らしく、コメディーで終わらせましょうか。」
「はあ。」
「とりあえず、上野動物園に行きましょうか。」
「はあ。」
「シャキッとしなさい!」
「はい!」
「お金もってなかったんで、お金貸してください!」
「はい!」
僕はお財布から千円札を2枚取り出して、真白さんに渡す。
「どうぞ!」
「ついでにチケットも買ってきてください!」
「はい!」
僕はそこから列に30分並んでチケットをゲットした。何でこんなに混んでいるの……。
「真白さん、行きましょうか。」
僕は、上野公園の入口にいた小学生を必死に口説き落としている真白さんを呼びとめて、チケットを渡した。
真白さんの様子がおかしい。
ただのロリコンである。
僕は真白さんに声をかける。
「まあまあ、真白さん。」
「どうしたんですか。そんな偉そうに。」
「たしかに前章で真白さんはシリアスになってましたけど、まあ、それはいいじゃないですか。今はコメディーパートですし。」
「ええええーーーーーーーーーーーー!!!!!!前章聞かれていたのかよーーーーーーーー!!!!!!!はっずかしい!!!!!!!うわぁ死にたい。」
「真白さんが死んだら僕は絶対に真白さんのことを許さないんで、僕に憎まれないように生きてくださいね。」
「かっこいい。」
「えっと、とりあえず見て回りましょうか。」
「そうですね。そもそも、上野公園に来たのは、回収し忘れていた伏線があったので、回収しておこうかと思いまして。」
「伏線。」
「はい、伏線です。私も章が増えすぎて、イマイチどこに伏線を置いたか覚えていないんで、とりあえず伏線を1つだけ回収しておけばいいかな。と思いまして。」
「なるほど。」
「というわけで、まずはパンダを見に行きますか。」
僕は真白さんのリードで、上野動物園をまわった。真白さんの動物に関する知識は豊富で、ラクダの脱糞シーンを見たことがある。という悲しい自慢も聞いた。上野動物園にはラクダがいないので、脱糞シーンを見たことの話したい具合が高すぎる。
「それで、」
僕と真白さんは園内を1周して、自動販売機で買った飲み物をベンチに座りながら飲んでいた。
上野動物園を1周すると、思ったより距離がある。
僕は真白さんに聞く。
「伏線ってのはどれです?」
「ああ、行きますか。」
真白さんは、すっかり忘れていたような表情をみせた。純粋に楽しんでいたのか。僕は伏線が気になって、集中できなかったというのに。
真白さんは手に持っていたおしるこの缶をゴミ箱に向かって投げて、歩き始めた。
僕は真白さんが外した空き缶を拾ってゴミ箱に捨て、自分の飲んでいたコーラフロートのゴミを捨てて、真白さんの後をついていった。
かっこよくしていたけど、入っていないからね。空き缶。
そもそも、おしるこを飲むのはどうなのだろうか。おしるこ嫌い人間ではないのだが、こんな暑い夏の日におしるこを買う人も買う人だし、自動販売機におしるこを置こうと思った人の発想も酷い。
真白さんについていくと、真白さんは館内をもう1周して、
「あれ?」
と声を上げた。
「どうしたんですか?」
「いや、」
真白さんは手に持っていたパンフレットを広げて顔を近づける。
「チンパンジーコーナーがないんですよ。」
続く




