ホワイトチョコレートの真実
お話は急激に急展開になってますが、というのも、今回は趣向を変えてみました。ガチ章をつくってみました。
なぜ明日ではなくて元旦に投稿したのか、というならば、元旦に投稿してみたかったからです。
クライマックスに入った物語は、どうやって終焉を迎えるのだろうか。
このふざけたような物語は、どのようにして終わるのだろうか。
シリアス展開に打つのだろうか。
鬱展開に打つのだろうか。
それは、誰もわからない。
ただ、1つ、言えることがある。
私は、とりあえず、なんとしてでも、ジャスティスさんを、生かさなければならない。このまま、生きて、返さなければいけない。
岩がさく裂した音、あの音を、私は聞いたことがある。
銃弾が岩に当たった時の音だ。
あの特有の響きを、私は覚えている。
正直なところ、私はどうすればいいのか分からない。
だが、一度失われそうになったこの命、誰かに尽くすために残そうと思っていたこの命。助けてもらった恩人のお孫さんに捧げられるのならば、それに勝るものはない。
何としてでも、逃げ延びなければならない。
「ジャスティスさん。」
私はジャスティスさんを呼ぶ。
「とりあえず、こっちに来てください!」
私はジャスティスさんの手を掴んで、ビルの入り口付近にあった階段を駆け上がる。とりあえず、1階にいるのは良くない。
階段は当然のようにボロボロで、足を踏みしめた途端に、足場が崩れてしまいそうで、できることならば歩きたくない。
だが、そんなことは言っていられない。
ただ、逃げるしかないのだ。
私達は三階に駆け上がった。最上階である。
最上階の窓から地上を見る。
探す。
探す。
探す。
いた。
彼らは動くもの全てに銃を構える。目があったら銃弾を飛ばす。
まずい。
逃げられない。
あそことあそこ、それにあっち。
数はざっと10というところだろうか。
どうしようか。視界を窓からビルの中に戻すと、そこには困惑しているジャスティスさんの顔があった。
「大丈夫ですか?顔色がチンパンジーみたいですよ。」
私は動揺を表情や声に出さずに会話する。
「もうチンパンジーはいいですよ。そもそもチンパンジーはチョイ役じゃないんですか。どんだけ引っ張るんですか。」
もう手はこれしかなかった。
あんなものに頼りたくはなかった。だが、これしか手はなかった。私だけならまだしも、ジャスティスさんを連れた状態でこの状況は危険すぎる。
自分の不甲斐なさに悲しくなってくる。腹が立ってくる。もしもこれが他の人だったなら、もっと上手にできたのではないだろうか。
自分のやり方が悪かったのではないだろうか。もっと臨機応変に対応できたのではないだろうか。
「ジャスティスさん。」
「なんですか?」
「チンパンジー欲しくないですか?」
「いや、いらないです。」
「欲しいですよね?」
「欲しいかもしれない。」
「いやいや、欲しいですよね?」
「欲しいです。」
きた。
私達の目の前にチンパンジーがいた。
「ジャスティスさん、準備はいいですか?」
「準備なんて、あってないようなものです。」
「じゃあ、行きましょうか。」
私は、目の前にいたチンパンジーの左腕を両手で持った。
「なんです?」
チンパンジーは話す。
気にしない。
私は歯を力いっぱい噛みしめて、
腕の筋肉に最大限に力を入れて、
足を踏ん張って体をひねり、
私はチンパンジーを外に投げた。
チンパンジーは高々とあがり、四方八方から撃たれた。
「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
チンパンジーが断末魔の叫びをあげた。
「チンパンジーがああああああああ!!!!!!!」
横にいたジャスティスさんも叫んでいた。
「ジャスティスさん、いきますよ。」
私はジャスティスさんの手を掴み、3階の窓から飛び降りようとした。
ジャスティスさんは逆の方向に力を入れた。
「なんでですか!危ないですよ!」
「ああ!畜生!」
私は叫んだ。
まずい。
チンパンジーに注目が集まっているこの時間に逃げなくてはいけないのに。このままでは私達もやられてしまう。
「私を信じろ!」
私は叫んでいた。
それから何秒後だろうか。
それは、時計的に見てしまえば、数秒だったのかもしれない。
だけど、私にはそれは何分にも何年にも長く感じた。
ジャスティスさんは私の顔をじっと見ていた。
私達は初めて目が合った。
ジャスティスさんは飛んだ。
ああ、そうか。
いよいよ物語は終わりになるのだ。
私に明日は残されていない。




