エンドロールはさよならの風
年末年始休業だから積極的に更新します。
チンパンジーがなんだかうるさかったので、ポケットに入っていたバナナを思いっ切り遠くに投げたら、チンパンジーはいなくなった。所詮はチンパンジーである。
気が付いたら、凍てつくような寒さや、雲の上のように広がっていた氷はなくなっていた。
「あれ?」
「どうしたんですかジャスティスさん。」
「氷河期編はもう終わったんですか?」
「編とか言わないでください。編とか言わないでください!」
「それで、この状況はなんですか?」
僕と真白さんが乗っている自転車は、今、ドラえもんとかに出てくるタイムマシンで移動する時のモヤモヤの中にいた。
「タイムトラベル中ですよ。」
「そうですか。」
「次はどこにいくと思いますか?」
「どこって言われても……。」
ぜんぜん予想つかない。
「いきたいところに連れていってあげますよ。」
「家!」
僕は即答した。もう帰りたい。
「誰の家ですか?アメデオ・アボガドロの家ですか?」
「アボガドロの法則を考えたConte Lorenzo Romano Amedeo Carlo Avogadro di Quaregna e Cerretoの家に行きたい人なんているのかよ。」
「イタリア語使うの辞めてください!」
「辞めます。」
僕達は気付いたら建物が乱立している土地に来ていた。
「なんか話の展開が早いですね。今までならクソみたいな会話して終わり。とかだったんですけどね。」
僕は素朴な疑問をぶつける。
「うんこネタを2週にわたって続けなくていいですよ。」
「いやいや、そっちのクソじゃないですよ。あんまり女の子がクソを日常的に考えないほうが良いですよ。」
「怒りますよ。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。許してください。許してください。」
「2回言ったら1回言うよりも強い。みたいなことはないですよ。その考え方がセコイというか、何でしょうね。気にくわないんですよね。」
「ヒドイ!」
「ひどくない!」
「じゃあ、ひどくないのかなあ。」
「流されやすい。」
「たぶん真白さんが流されなさ過ぎなんですよ。」
「そうかなあ?」
「そうですよ!」
じゃあ、そうなのかなあ。」
「流されやすい!」
そんなくだらないことを話しながら、自転車を漕いでいた僕は、目の前に会った岩が炸裂したのを目にした。
「は?」
「どうかしたんですか?ジャスティスさん。」
「目の前で岩が砕けたんですよ。」
「……とりあえず、自転車から降りましょう。」
僕は自転車を停めて、降りた。
「あの中に入りましょうか。」
真白さんが指を指したものはビルだった。だが、そのビルはボロボロで、いまにも崩れてしまいそうだった。わかりやすいように穴が開いていて、ビルの窓ガラスは全て割れていた。
「なんだここ?」
僕はこの時になって初めて、僕が今いる場所がどんな場所なのか確認した。
地面はろくに舗装されていなくて、まわりにある建物は軒並みダメージを受けていた。町中には人が誰もいなく、誰かが生活している、という感じもしなかった。
「なんなんだここは……。」
僕は何も言えなくなった。
「とりあえず、隠れましょうか。話はそれからです。」
真白さんはその場で固まって動かなくなっていた僕に話しかけて、僕の袖を掴んだ。そのまま僕を廃ビルに連れていった。
「なんなんですか?ここ。」
ビルの中に入った僕は真白さんに聞いた。
「どうやら、銃撃戦の最中らしいですね。戦時中か、はたまたシリアなのか。わかりませんけどね。」
「なるほど。」
「物語はいよいよクライマックスですね。」
「それ真白さんが言っちゃうのかよ……。」
物語はクライマックスに入るらしい。




