テレフタルへと近づいていく
とりあえず、前書きには何か書いておこうかと思っているのですが、とくに書く内容がないですね。
「あの、」
僕は目の前にいた女の子に話しかけた。
「人違いじゃないですか?」
「え?でも、当麻駅で待ち合わせする人なんていませんよ?」
「えっと、僕の名前がジャスティスじゃなくて、聖堂義人なんで、たぶん別人だと思いますよ。」
「祖父江大徳さんのお孫さんですよね?」
……あってる。
僕の祖父は祖父江大徳である。(三章参照)
おっと、はからずとも、“三章”と“参照”でかかってしまった。さらに、祖父と祖父江でなんとなくかかってしまった。
恥ずかしいわ。
せめて、祖父に相手の名前を聞いておけばよかった。このままだと僕が知らない人とマッチング(matching)してしまう可能性だってあった。
どうやら、僕の目の前にいる人は正解のようだが。
「たしかに、僕の祖父は祖父江大徳です。」
「ああ、やっぱりそうじゃないですか。じゃあジャスティスさんじゃないですか。もー。」
「いや、ジャスティスじゃないですけど……。」
「聖堂義人さんですよね?」
「はい。」
「じゃあジャスティスさんじゃないですか?」
ヤバい人と出会ってしまった。何だこの人。祖父は僕のことを何て伝えていたのだろうか。なぜ祖父は僕をこの人に会わせようと思ったのだろうか。
「聖堂義人の聖と義で正義ですよ。そこから、正義は英語でジャスティスですし。手に取るように明らかですね!」
「聖義だと漢字のつくりが違いますし、そもそも僕は“せいどうよしひと”ですよ。正はなんとか説明がついたとしても、義は読み方が違いますよ。」
「うるせえなあ。」
「口が悪い!」
「本当に大徳さんのお孫さんか?」
「僕の祖父の信頼厚いな。」
「そりゃあそうですよ。ジャスティスさんは自分の祖父の凄さを分かっていないのも当然かもしれませんけど。」
「あの。」
「なんですか。」
「その、“ジャスティスさん”っていうの、辞めてくれません。」
「わかったよ。ジャスティス。」
「うわあ、馴れ馴れしくなった。」
「だって義人さんって言いづらいですよ。」
「はあ。」
「となるとジャスティスさんしかないじゃないですか。」
「わからん。」
「取りあえず、本題に戻りましょうか。その前に、」
「その前に?」
「今章はここで終わりにしましょうか。」
「結局本題に入れなかった。」
「物語を進めるのは難しいのですよ。」




