ジャスティスの真意
お話を続けるのは、難しい
僕は自転車に乗って来た、祖父の知り合いを待ち続ける。
前回では、自転車に乗っている知り合いの姿が、うっすらと見えるぐらいにまで近づいてきていた。
今回はどこまで進むのだろうか。
これまでの話の進み具合からしたら、祖父の知り合いが到着せずに、この章が終わってしまう可能性も十分にある。
どうにか進んでほしいものだ。もっと急いで自転車を漕いでほしい。
そもそも、なぜ自転車なのか。という話である。
この炎天下の中で、この終わりの見えない大地が続く中で、なぜ自転車という選択肢を選ぶのだろうか。バスだったりタクシーだったり、自家用車だったりとするのではないだろうか。しかも、路面は砂地なので、コンクリートの上を自転車で漕ぐよりも大変だろう。まったく理解できない。
まあ、どちらにせよ、来てしまったものは仕方がない。
きっと、当麻町の人にしかわからないローカルルールがあるのだろう。
それにしても……
進まんねえ。
もう、本当に到着することなく終わってしまうのではないだろうか。
早くしてくれ。
自転車は進まない。まるで、このお話の終わりを探っている僕をおちょくっているようだ。馬鹿にしているようだ。
どうやったら見えるのだろうか。
そもそも、話ってどうやって作るのだろうか。
だいたい一か月ぶりにお話を書いたので、お話の作り方を忘れてしまった。
とりあえず、ここは自転車が到着するまでを章の終わりとすればいいのだろう。
「お待たせしました。」
下を向いていた僕に話しかけたのは年齢が17くらいの女の子だった。
「え?」
僕に話しかけたその女の子は、黒くて長い髪をして、自転車にまたがっていた。
僕はさっきまで見えていた自転車の影を探したが、どこにもそんなものはなかった。
ということは……やはりこの女の子が僕の祖父の知り合いなのだろうか。
祖父はいったいどんな交友関係をしているのだろうか。なにがあったら80のおじいさんと高校生くらいの女の子が出あうのだろうか。
「ジャスティスさんですよね?すいませんね、こんな場所を待ち合わせに選んでしまって。でも、下手に動いたとしても、きっと迷子になると思いまして。」
その女の子は僕に話しかけた。そして、話をつづける。
「いやあ、本当なら旭川市とかを集合場所に選ぶべきだったんでしょうけど、自転車で旭川までいくのは少し大変でしてね。これは、私のワガママなんですけど。いやあ、どちらにせよ、炎天下にいさせてしまって申し訳ありませんでした。」
「じゃあ、いきましょうかジャスティスさん。」
アレ?
……これ、人違いだ。
誰だジャスティスって……
つづく




