第6話 手品
ボクは早速ここから脱出する手立てを考え始めた。
逃げるだけなら追いかけられるから折角この街に入ってものんびりできないね。
———それなら自分の顔を知っているものは生かしておけないなぁ。
ボクはニイっと笑った。狂気の笑みを。
「ヒッ。」
その顔が見えた女の子が小さく悲鳴を上げた。
すぐにボクは顔を取り繕い、優しそうな顔にした。
ワタシは道化師。調停者。皆を笑わせる者。
ちょっとそんな強迫概念もあってのことだったけど。本当になんなんだろうあの”声”の主はね?
どこまでなら行けるかな?
まあ、今のところはそれに逆らえないから検証は後にして一部の人たちを始末した後みんな解放かな?目的を隠すために。あとは子供にもボクの姿は見られないようにしないと。
このセレナって子はどうしようかなぁ?ま、身寄りもなさそうだから連れ去ったってバレるリスクは少ない。どっかに連れてってどうするかは後で決めようかな。
よし。…まあ、少し様子を見てかな。今逃げ出すとボクがやったって疑われかねない。顔の情報共有はされてるかもしれないしね。この世界の情報も手に入れないと。
「ねえ。いつからここにいるの?」
「私は…たぶん1年前くらい?」
だからか。たぶん動いたり話したりもできない子は数年以上いそうだな。年上が多いし。
だめだ。この強迫概念に今は勝てそうにない。彼らの絶望と諦めのような顔を見てしまったからかな。笑わせなきゃと思っちゃった。目立ったらだめなのに。
「ワ…ボク、いろんな手品ができるんだ!みんなに見せてあげるよ!」
い、言っちゃった…。
「てじな…って何?」
おう、まさか知らなかった。
「みんなをびっくりさせる…ためのことだよ!」
説明意外と難しいなぁ。もう!
「ほら!」
ボクは手のひらにてるてる坊主が小さくなったような人形を一つ乗せる。そして握り…開く。とてもたくさんの人形が出てくる!
「わぁ!」
セレナはびっくりした顔をする。元気がなかった子も…ちょっとこちらを見ている。目がちょっとさっきより開いてる気がする。
ちなみにこのてるてる坊主はボクのピエロみたいな服の右ポケットに入ってた。それはもうたくさん。四次元◯ケットかな?ロケットじゃないよ?存在しないけど。
あと手品なんて知らなかったはずだけど…小道具に触ると知識が溢れてくる。でもボクには使えないようなやつもあった。どうしてこんなのまで入ってるんだろう。
セレナの顔を見ると…こちらを見て目をキラキラと輝かせていた。ボクの道化師の心が喜んだ気がする。
素直に嬉しい…かも?
嬉しいと感じているんだと思うけど…なんか自分の感情が遠いところにあるような感覚だなぁ。
その後ボクはセレナと他の子供達にいろんな手品を見せた。
いつここを出るとしますかね。
もう名前は面倒なので入れるの無しにします!
道化ちゃんの狂気の笑み…ニチャアって効果音がつきそうな感じです。ブルッ
(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)




