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第5話 誘拐

ボクは自らに被さる布——麻袋を見ていた。

たぶん、麻袋だ。子供とかの誘拐の定番だね。


そうボクはなぜか、お姉さんと目を合わせた時に思念(?)を読み取った。

誘拐の。


まあ、いろいろ手を繋いだりしてここの人たちの力の標準を確認した。

地球の人と同じだね。


「あのっ、これでリリィは…。」


「ほらよっ。」


見えないけど、リリィっていう人のために誘拐に加担したのかな?

テンプレだと、そのリリィが攫われているか、病気でお金が必要か。

まあ、他の可能性もあるけど、野太い男の声に合わせてジャリンと金属同士が擦れ合う音が聞こえたから病気の方かな?

どーしよっかなー。とにかく、このまま様子を見るか。

あ、そうだ。演技演技!


「何これ!何するの!」


「おい、こら!大人しくしろ!」


殴られた。麻袋の中だから避けようないし。痛みは普通に感じるなぁ。

まあ、これで気を失ったってことで静かに考察しますか。



ーーー



…飽きたなぁ。


「おい、この子供、妙に静かじゃねぇか…?」


「そうか?気絶してるだけじゃね?」


「そっそうか!気のせいか!」


怪しまれちゃった。まあ、結構経ったしね。今すぐまた暴れたらまた怪しまれちゃうからやめとくか。


「おい、ここだ。」


突然止まったかと思うと復路を逆さにされて落とされた。酷い。

寝てたのが起きた感じの方が、自然かな。


「んー?あっそうだ!わるもの!」


起きた演技もしなきゃ。いやーめんどくさいなー。


「あぁそうさ。俺たちはお前にとっては悪者さ。でも俺たちを悪者にさせてるのはこの街の領主様だぜ?」


うわー。たぶんこれ、あれでしょ?刷り込みってやつでしょ?


だって、領主のことをこいつら知るはずないじゃん。

普通の貴族は平民、ましてやこんなやつらと顔合わせるわけない。


それなのに断言できるとか、君たち、何様?


だーめなんだ、だめなんだー。

…精神年齢ボク下がった?


ここはたぶん、牢屋だね。

中に他のボクと同じくらいの子供がいる。見た目はだけどね。


「誰か、きたの…?」


近くの女の子に話しかけられた。10歳くらいかな?


「きみ、だれ?」


「私はセレナ…って名前だった。」


「だった?」


「ここでは名前、呼んでもらえない…から。」


そう言って諦めたように遠い目で薄笑いをした。


うっわー。ないわー。それはないわー。

…うん。鉄◯森出ちゃった。

まあ、そーゆーこともあるか。

ああいう人間は人の名前なんて覚えないだろうし。

ま、そういうこともあるよね。


人間社会って面倒だからなぁ。

動物たちは本能で生きて、食べて、寝るだけだけど、人間は先人の作った社会という型にはまって思いを我慢して生きるんだからねぇ。

まあここ(異世界)はそうでもないっぽいけど。


型の無い社会は動物たちの特徴である、弱肉強食が色濃く残っている。

そしてその弱肉強食は運でも成り立っている。食うか食われるか。出会うか出会わないか。

この子たちは運が悪かったんだね。

でも、運が良かったんだね。


ボクがいるところで捕まってるだなんてね。

桂鐘です!

いよっ強者ムーブ!


道化「やめて?」


なんか道化ちゃんのその笑顔に寒気はするのきっと、そうきっと気のせい…うん。

こわっ。(´;ω;`)

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