第4話 おねーさん?(凶悪な笑み)
「…ねぇ?ボク?大丈夫?」
近くのお姉さんが話しかけてきた。
やっばい今めっちゃ恥ずかしくなってきたぁ。
さっきの大声も聞こえてたよね!?やらかした!
「えっと、はい。大丈夫です。」
…もう、変な敬語になっちゃったじゃないか!
まったく、“声”の主ってやつは!
どこかの誰かから聞こえる《 ねぇねぇ、僕の道化師ごときが粋がってんじゃないよ? 》という非難の声を無視して、お姉さんとの会話を続けることにした。
「そうなの?…変な子とかって言われたことない?」
おう、結構攻めてきたね。
まあパワハラや炎上とかの概念はないだろうから、当たり前かも?
というかそんな質問にボクが答えるとでも?
「わかんない。」
うん。これが正義。
「そっかー。ボク、1人?」
いや先にそれ聞けよ。
まあ、1人かな?
「ひとり!」
「そっかぁ。ご両親はどうしたの?」
知るか。こちとら記憶喪失(?)だぞ。
「わかんない!なんかもういないっていわれた。さびしい…。おとうさんたちこっちいったっていってたから…。」
見た目8歳のボクだ。
さっきのメルっちたちにはイラついて演技ができなかったけど、存分に演技してやる!!!
ま、まあ最初の敬語で怪しまれてるかもしれないけどっ!大丈夫。きっと!
「そっかぁ…。辛いこと聞いて悪かったね。そうだ!私たちと一緒に来ない?人いっぱいいるから、お父さんたちも探せるかもね。」
それを言うために絶対近いただろ。
よく分からないけど危ない臭いがぷんぷんしたよ。おねーさんっ?
「うん!行く!!」
どうせ大人いないし、それっぽい大人がいたほうが街に入りやすいでしょ。
せいぜい利用させてもらおうかな。
お姉さんはその答えを聞いてぱああっと顔を輝かせた。
すぐに取り繕うとしたけど。
まだニマニマしてるよ?
「じゃあ、お姉ちゃんについてきてもらおっか。」
優しそうな顔を作ったつもりのニマニマ顔でそう言った。
危ない匂いしかしないねぇ〜。
「わかった!」
お姉さんと手を繋いで街の門まで行った。
なんか厳ついおっさんがいる。
「おう。姉弟か?」
「ええ。これから親戚のところへ行くところなんです。」
お姉さんはそう言って身分証みたいなタグを差し出した。
「よし。行って良し。」
「ありがとうございます。」
お姉さんはボクの手を繋いだまま街の中へ入った。
そのまま大通りから路地へ行き、右へ左へと曲がっていった。
…まあ、そろそろかな。
「あとどれくらいー?」
ちょっと強張った顔だったお姉さんがハッとこちらを向いて笑顔を取り繕った。
笑顔じゃない。それは笑顔じゃない。顔凶悪すぎない?
この人やっぱ演技下手だね。
「ええ。あともうちょっとよ。」
そう言ってまた歩き出した。
そして路地の行き止まりへ行くと…
「ここよ。ここで待っていてね。」
「えー?ここどこー?」
ま、どうするかなんて分かってるけど。…ほらね。
自らに被さる布を見ながら、ボクはそう思った。
桂鐘です!
第4話をお読みくださりありがとうございました!
おねーさん、演技下手すぎない???
そして道化ちゃん、怪しいって分かってるなら逃げなさいよ。
……え? 逃げる必要がない?
まあ、そうだねぇ…。
しばらくは毎日投稿頑張ります!
保証はしません!
それではまた次回で!




