第13話 方針決め(今さら)
「じゃあ、どこ行くか決めようか。」
「今かよ!」
「そうだよ?」
門を出てから1時間。ボクはくるっと振り返ってそう言った。
そのやりとりが、コレ。
「この方向はサリヨかリコーワですか?少し遠くならばユアイチカもありますが。」
「特に決まってないから方針決めようと思って。」
「今決めるのー?」
「そうだよ。だってスラムみたいに人に聞かれないじゃん?今は人が近くにいないし。方針もついでに決めちゃおー!」
「確かにあの場所では聞かれそうですね。」
「おいどうけ?方針ってのはついでで決めていいものではないはずだが?」
「アハハッ気にしなくていいよ。」
「気にするぞ!?」
うんうん。ボクの教育の成果が出たようだ。アレクやっぱ面白いね。
「じゃあ、どうするーーって。」
みんなこっち見てきた。何?そんなにボクのこと大好きなの?
「めんどーだからさ!どうけが決めちゃえ。」
「僕もリーダーの意見に従います。」
「俺も。冒険者は気ままに過ごすぜ。方針は『生きること』ぐらいだぜ。」
「こらっアレク!…決めちゃっていいと思うよ。」
アレクの耳をセレナが引っ張ってる。ちょっと面白い。不憫で。
「そっかー。まあ、楽しむことだよね!」
「かっる!」
「ボクの売りは軽ささ。」
「「「それもそうかー。」」」
「何声揃えて納得してんの!?」
「安心してください。僕はそんなことは言いません。」
「だよね!?」
「リーダーが責任という言葉から一番遠いのは存じてますので。」
「それ褒めてる!?裏切られた!」
「何のことですか?」
「あ、ベンってナチュラル毒舌なんだ、ってそういうことじゃなくて!」
みんなの意見に不満を持って言い返しつつボクは考える。
“道楽の宴”の方針かぁ…なんか確かに楽しさって難しいなぁ、むむ。でも確か異世界行った時は…。
「あ!なんかあれいいかも!」
「お?何だ急に。」
「めっちゃ強くなろう!」
「は????」
「強くなるべし」って顔の見えない誰かが本を叩きながら言っていたのを思い出した道化師であった。
「なら武芸都市であるユアイチカですね。」
「おっけー。そこを目指そう!」
「誰か突っ込め!」
まだまだアレクの波瀾万丈な旅は始まったばかりであった。主人公ボクだけどね!
とりあえず方針決めです!
楽しさとは無縁すぎる、強くなる目標。…まあ、頑張って!
道化「桂鐘ちゃんは?」
作者「ヒィッ!?」
道化ちゃんの幻聴が聞こえました。…気のせいですよね?




