第9話 むさ苦しい副商会長
そのおっさんはとてもむさ苦しかった。
筋骨隆々の体つきで、普通の服を着ている。ピチピチと今にも弾けそうだ。
「君があの商会長を救ってくれた恩人だね?」
そんな大男と評するに値するおっさんがこちらに手を差し伸べて笑顔で言っている。握手かな?
でもとにかく脳がバグる。
こんなおっさんに丁寧に話しかけられて萎縮しない人がいるか?
あ、ボクがいた。アハハッ
そう頭の中で1人コントをしているが、しっかりと「ワタシは道化師がひとり。ま、特に名前はないので道化師とか適当に何か呼んでください。」とか言って握手もしてる。
道化師が1人?ということは他にいるの?わっかんね。というかやっぱボクに一人称変えてくれよぉ〜。
「本来ならば従業員などはあまり受け付けないのですがあなたはお困りの身。店員に聞きましたが職業につけないとか。ならば護衛などの仕事を任すような形になりますが、よろしいですかな?」
「あ、一応計算もできます。」
さりげなくボクを売り込んどく。あんま護衛であちこち行くのも大変そうだし。計算あんまできなさそうなんだよなー。ここの人たち。1ヶ月前の門兵さんとか十数人の来た人の人数指折り数えてたんだよ?まあ、中世レベルならこんなもんか?たぶん。
おっさんは「そうですか。」と頷いた。
「ふうむ…では軽く計算してはいただけないですかな?」
そう言われたのでとりあえず10桁の数字の足し算をした。
「これはかなりできますな。では、会計の方の見習いという立場でお手伝いできますかな?見習いなのでそこまで稼げませんが活躍すれば賃金も上がりますぞ。」
よっっしゃ!
「ありがとうございます。ではアナタのことは何と呼べば?」
「おや。うっかり挨拶を忘れていました。アルベルトです。よろしくお願いします。…言葉遣いや扱いは、他の見習いや店員の目がありますので他の者と一緒にするぞ。」
急に言葉遣い変えた。変えただけで雰囲気がなんか、凄んでる。
これでビビらないやつはいないよ。ここにいるけど!アハハッ
そういうことで、ボクは会計見習いとしてトレイル商会で働くことになった。
でんでろでーん
((_ _)).。o○
※溶けてます。




