41.Blowback 06
しばらく無言のまま斜行エレベーターは進み続けていた。どれほど時間が経った頃だろうか、リオはふと自分の体が徐々に軽くなっていくのを感じた。
「重力が弱くなってる?」
小さな呟きに議長が応じた。
「目的地が近いからね。あちこちで慣性制御が働いていて、重力が安定していないんだ」
「……いったい何があるっていうの」
議長は椅子から立ち上がり軽く手を振った。それだけで椅子は分解され、元の金属片へと戻って床に散らばった。
「我々にとって最も大切なものだよ」
「私にそれを見せていいの?」
「いいよ。本当はまだ見せるつもりはなかった。けど、ミールが限界だから。緊急措置さ」
「その大切なものがミールに関係してるの?」
「大いに」
「私が行けば……彼は助かるの?」
「――かもしれない」
その曖昧な答えに、リオはそれ以上言葉を続けられず、座ったまま項垂れた。
「……どうして。なんで彼は、そんなことになるまで戦うの」
「戦争がなくてもいずれそうなった可能性はある。これは我々のせいでもあり……『君』のせいでもある」
思いがけない言葉だった。
「……私の?」
「そう。君であり、君でない『君』のせいかな」
何をしたのか。何が原因なのか。リオはその言葉の意味を掴めないまま、ただ沈黙するしかなかった。
――――――――――
斜行エレベーターが最下層に到達した。その先にあったのは巨大な縦穴だった。内部から青白い光が静かに漏れ出している。
あまりに大きい。小型の宇宙船ならそのまま入っていけそうなほどに……。
「さあ、このシャフトに飛び込んで」
「え……大丈夫なの?」
思わず身構えるリオに議長は軽い調子で答えた。
「ここから先は微小な重力しかないから大丈夫」
そう言うなり議長はためらいもなく穴へ身を投げた。青白い光の中へ彼女の影がすっと消えた。
「……よし」
一瞬の躊躇のあと、リオも覚悟を決めて穴へと飛び出した。微かな浮遊感と共に光の中に落下していく。落ちながら下を覗くと、光の発生源が見えてきた。縦穴はおよそ百メートルほど続き、その先で急に開けていた。
穴を抜けた瞬間、視界が一気に広がった。
そこは巨大なドーム状の空間であった。並のスポーツスタジアムなら丸ごと収まってしまいそうな広さがある。ドームの中心には、何百本もの巨大な柱が乱立していた。淡いようで力強くも感じる、不思議な青白い光を放っていた。それらは幾何学的な結晶構造を連ねながら、上へ向かうほど細く、尖っていた。高さも太さも不揃いで、人工物であると断じきれない神秘さがあった。
空間の中では多くの人が重力に縛られることなく浮遊し、柱の周囲で作業を行っていた。大半はマシナリーだろう。精巧な人形のような容姿は人工の美を感じさせた。共通して緑色に光る瞳からも、リオは彼らが未来人であることを悟った。
『あと何年――』
『わからない。でも――』
不意に頭の奥に声が流れ込んでくる。いつもとは違う複数の声。知らないはずなのに、何か遠く、懐かしさすら感じた。
幻聴と頭痛にリオは片手でこめかみを抑えつつ、議長の方を向いた。
「何……ここ」
議長は静かにドームを見渡し答えた。
「ここは『ソルトピラー』。我々にとって最も大切なものだ。宇宙の終わりを覆すため、創造の術を導く演算装置」
「ソルトピラー……?」
その言葉を聞くとリオの頭に何かが流れ込んだ。意識が遠のく。無数の声が重なり、嵐のような感情が彼女の心を塗り替えていく。自分という輪郭が溶けていく感覚――このまま消えてしまいそうだった。
そのまま意識を失ったリオは、光に満たされた空間の中で宙に浮かんでいた。
「……やはり、君は――」
そう呟く隣の議長の声だけが、かろうじて彼女の耳に残っていた。
――――――――――――――――――――
ここは……どこ……?
――あれは、「私」?
『こんにちは。私はリオ』
『僕はミール。君は地球から来たの?』
知らない光景。知らない出会い。そこにいるミールは自分の知っている彼じゃない。中性的だけど、普通の男の子の姿をしていた。
場面が流れる――
『卒業したらどうするの?』
『私は超能力大したことないから、月で頑張って就職かな』
『そっかあ』
『ミールは大学で働くんでしょ? 家庭は任せてよ!』
また世界が切り替わる。少し年を重ねた「私」と、変わらないミールがいた。
『あなたは年を取らないんだね』
『僕は特別な処置をされてるから』
『……あなたをいつか残しちゃうんだ』
『そうだね……』
胸の奥が、じわりと痛む。さらに光景は進んでいく。
『あなたの使命に私も連れてってよ』
『でも……』
『必ず会いに行くから。絶対に! 先に行くね、約束――』
『約束だね、わかったよ』
――これは、「私」の記憶? 違う。「私」なのに、「私」にはこんな覚えはない……。
光が満ちていく。
次に映ったのは見覚えのある場所。セランの大学だ。
『はじめまして。私はリオ。あなたは?』
『……ミールだよ』
……え? また、同じ始まり。世界が回る。
『未来のために、ミールは何度も繰り返してるの?』
『そう』
『私は……あなたを思い出せないのに』
『仕方ないよ。僕だけが特別なんだ』
『今回の私は絶対忘れない。必ず会いに行くから!』
――――――――――
『はじめまして! 私は――』
『約束――』
『はじめまして――』
『――めまして――は――』
『――――』
何度も。何度も。何回、繰り返してるの……?
「私」は……「私」は――
――――――――――
『女の子?』
『ミール。僕の名前はミールだよ』
「私」の知ってる彼の姿だ……。
ふたりの距離は今よりずっと近い。知らない場所なのに、ひどく胸が締めつけられる。
『その姿――ナノマシン整形なんだよね。どうして?』
『君がいなくなった先でも、君が恋しくてね……自分の姿を記憶の中の君にしたんだ』
『似てなくない? 私、金髪じゃないし』
『百年も経ってたからね。記憶が曖昧でさ』
『しかも無駄に綺麗だし。記憶美化しすぎ』
そう言って、「私」じゃない「私」はミールの頬を引っ張っていた。
――あの姿は「私」を模したものだったんだ。全然似てないけど。
『……意識まで上書きしちゃったからさ。ナノマシンはこの姿を『正しい僕』だと思ってる。おかげで勝手にこの姿に固定されるんだ。元の自分の姿も……もう思い出せない』
『そっか。でも……私はその姿好きだよ、可愛くて。前の男の子なミールを私は知らないけど、その姿のミールでも私はミールを好きになれたんだから。私は必ずあなたを好きになるよ』
『知ってる』
『ごめんね、私は何回もあなたを傷つけてるんだ……』
その言葉と共に「私」は彼の方に傾き頭をつけた。甘い空気よりも寂しさが勝つ。
『君に会えるから僕は進めるんだよ』
彼の痛々しい笑顔が記憶にこびりついていた。
――――――――――
『必ず会いに行くから! たとえ忘れても必ず私はあなたに恋をする! だから――』
どうせ忘れるくせに……。
――――――――――
『ミールのその姿は何かこだわり?』
『大切な人が好きって言ってくれた見た目だから……』
ミール……。
――――――――――
さらに別の記憶に飛んだ。
『エメス、ミールを解放できないの!?』
『記録ではまだ――回目。先はまだまだ長いよ』
『何で彼なの……』
『適性があったのが彼だけだから。君じゃ特異点の代わりにはなれないよ。彼のこと思い出すこともできないんだろ?』
『それは……』
『今回の彼が少しでも幸せになるように、君なりに愛してあげればいんじゃないかな。人類の原動力でしょ?』
『それを利用してるあなたが言うの!』
今の自分よりも大人な「私」が議長に怒鳴っていた。
『彼のために我々もできることはする。だが演算が最優先だ』
議長の冷たい声が耳に残る。
継ぎ接ぎの記憶が数えきれないほど流れ込んでくる。それぞれの想いが「私」を塗り替えていく。
ああ――だから「私」は初めて会ったときから彼に惹かれていたんだ。
これは自分「だけ」の想いじゃない。それでも、確かに「私」の中にあった。
――――――――――
ここは……今いる場所だ。「私」が何かの機械に繋がれている。
『これで君の『意識』を過去に送れる。でも君に適性はない。過去の自分にあたって砕けるだけだよ』
『……可能性はゼロじゃないんでしょ?』
『ほぼゼロをゼロじゃないと主張するならね。過去に送るエネルギーもタダじゃないんだけど』
『我儘でごめん。でも私は彼を独りにしたくない』
記憶の議長はまるで、人間のように困ったような顔をしていた。
『その微かな希望が彼を傷つけると思うけど。まあ、我々にとっては束縛が強い方がいい。『私』としては応援するよ』
『ありがとう、エメス』
視界が光に包まれた。
――――――――――
『ダメだった……』
『失敗した――』
『ごめん。ミール……』
記憶の渦から意識が引き戻される――
――――――――――――――――――――
そしてリオは目を覚ました。目から溢れた涙は落ちず纏わり付くことで視界がぼやけた。涙が止まらない。苦しい。罪悪感? 自分のじゃない。「私」たちのだ。自分の中にいる「私たち」が感じている罪悪感だ。
「その様子だと思い出したんだ。素晴らしいよ、リオ」
声に顔を上げると、そこには議長がいた。腕を背中で組み、脚を交差させたまま、上下逆さまに宙へ浮かんでいた。
わからない。すべてを知ったわけではない。だけど、たくさんの「私たち」の記憶を、たくさんの「私たち」の想いを、自分が引き継いだことは確かだった。
「ミールに私は、酷いことをしてきた……できもしない約束で、彼を」
「出来たじゃないか。今、思い出したんだろ?」
リオは手で目元を擦り、涙を拭った。無重力に近い空間のせいか、その水滴は小さな球形となって周囲を漂った。
「なんで私が思い出すと思ったの……他の私たちはみんな戻ることに失敗したんでしょ……」
上下逆さまに宙に浮いていたエメスは、手足を軽く振って姿勢を整え、リオと同じ向きに身体を戻した。
「いや、思い出す確率は低いと思ってたよ」
あっさりとした口調だった。
「でも、ここはリオが最後に必ず来た場所のはずだからね。きっかけになる可能性はあると思ったんだ。それに――」
エメスは軽く身を捩じり、リオの正面に浮かぶと人差し指を一本立てた。
「――今回の君は幻聴として、他の君たちの声を聞いていた。そこに賭けてみた感じかな?」
リオは記憶に従いドームの一番下を見た。そこには一つの椅子のようなものと機械が並んでいた。時を超えて「意識」を送るための装置だ。あれで「私」は何度も過去の自分に意識を送り込んでいた。次こそ自身を失わず彼に会えると信じて。
「ミールは今、本当はどうなってるのエメス。ここに連れてくるのは毎回最後だったはず。それだけここは漏らしたくない場所でしょ?」
エメスは興味深そうにリオを覗き込んだ。
「未来では私は呼び捨てなのか。私は繰り返してないから、そうなのかは知らないけどね」
記憶を取り戻したリオに、曖昧な言葉で誤魔化すつもりはないらしい。
「すべてを知った君には正直に話そうか。ミールは今、精神的にかなり危険だ。崩壊寸前……いや、もう壊れてるかな? 我々の計画が破綻しそうなくらいには」
ここに連れて来られる前に、彼の現在の危険性は聞かされていた。しかし、その言い方を聞くともう手遅れのように思えて胸が締め付けられた。
リオ「たち」の胸に怒りと焦り、恐怖が一気に込み上げてくる。
「エメス! あなたがいながら……なんで!?」
感情が昂り、つい大きな声を彼女は出してしまった。空間にその声が反響した。
「そうか……君『たち』の中で、私はそれなりに信頼を得ていたんだね……」
不思議そうに、しかしどこか眩しそうにエメスは目を細めた。
「まず単純な話として――何度も繰り返す世界に彼はもう限界が近い。繰り返しのことは記憶で見たんでしょ?」
リオはそれに頷き答える。
「宇宙が滅びるまで計算を続けても、創造の演算は間に合わない。だから、最も人類文明が狭い範囲に適切に密集している『この時代』を繰り返すことで時間を確保する。そのために基点となる『特異点』が必要……でしょ?」
過去と未来を正確に繋ぎ、ループを成立させるための『特異点』――それがミールだ。
リオの言葉にエメスはわずかに目を見開いた。
「未来の君は随分と深く計画に関わっていたみたいだね」
「彼のためだから……」
リオは視線をエメスから外し、ソルトピラーを眺めながら言葉を重ねた。
「……ミールは特別。唯一の例外。あらゆる情報、意識のすべてを完璧に過去の自分に飛ばし、受け取れる適性をもつ。もう見つからない人材――」
エメスは慣性に任せてゆっくりと回転しながら、その続きを代わりに語り始めた。
「そう。だから我々は彼に運命を託した。数百年耐えれる肉体を与え、彼のための箱庭と、愛する人を用意した」
淡々とした声が残酷な内容を告げる。
「再び大切な人に会いたいという執着を羅針盤にして過去を繰り返す」
「……彼の愛も、想いも、利用してあなたたちは演算を維持してきた……」
リオの言葉にエメスは否定しなかった。
「おかげで計算は効率よく進んだ。だからこそ計画のために彼を失うわけにはいかない」
エメスの声が少しだけ低くなった。
「だが、このままでは彼の精神は次の繰り返しに耐えられないだろう。過去に意識を飛ばすことすら不可能になるかもしれない」
リオは流れ込んだ自分たちの知識を頼りに反論した。
「……でも、ミールは言ってた。記憶を全部受け継ぐわけじゃないって。摩耗もする。だから少しずつ、新しい繰り返しに塗り替えられるから耐えられるって」
「すべてが消えるわけじゃない」
否定するかのようにエメスは即座に言った。
「思い出は時に毒になる。あやふやな過去ほど美化されて、遠い黄金郷になる」
静かな言葉が重く突き刺さった。
「君たちの方がそういう心理はよく理解しているだろう?」
「……」
これまで幾度も見てきた彼の苦しみを思い出し言葉を失った。
「それに今回は紛争が起きてしまった。未来にも戦争の一つや二つはあったと思うけどね」
「戦闘が……悪影響だったってこと?」
でも、戦闘なんて……何回もあったはず……。
「超能力者は人を殺すと精神に影響が出る。程度の差はあれど」
「そんなの……初耳なんだけど」
リオの中には、数え切れないほどの繰り返しの記憶があった。それでもその知識に覚えはなかった。
「当然かな。他人を殺せば誰でも何かは感じる。それが超能力者固有の反応だと判断できる者はいない。私もミールの口から漏れた断片を拾って、ようやく気づいた。彼は……知られたくなかったんだろう」
「……知らなかった」
エメスは一拍置いて続けた。
「超能力者は意識の欠片を吸収する適性がある存在。人が死んだ時の残渣すら吸収してしまう。ミールほどの適性なら、死の感覚をそのまま受け取るだろう――彼限定の特性ってところかな」
リオの背筋が冷える。
「それって……」
どう考えても、正気を保てるはずがない……。
「長い年月を過ごす彼にとっても『生の死』は堪えるはず。しかも君は近い繰り返しで、彼の目の前で殺されてるらしい」
エメスが少し間を置いて付け加えた。
「良くないことが重なったね。私も最近知ったけど」
「……だったら!」
自分の中の「リオたち」の感情が、一気に噴き上がった。
「なおさら、なんで彼を戦わせてるの!? あなたなら戦争を無理やり止めることだって――」
首を振ってエメスはリオの言葉を否定した。
「連邦の狙いは我々の持つ未来の技術データだ。そこには彼らの求める即物的な力が大量にある。価値の本質ではないが――」
そう言いながらエメスは腕を広げ、大仰に周囲のソルトピラーを示した。
「そして――データベースの中枢はここだ。この侵略は都市を明け渡せば終わるような戦いじゃない。連邦は見つからないデータベースを探し続ける。いずれここに辿り着くかもしれない。譲歩すれば終わる話ではないんだよ」
腕を下ろし、エメスはリオと視線を合わせた。
「我々にとってそれは看過できない。都市が滅びようと、ここにエネルギーを供給する発電施設さえ無事なら最悪それでもいい。だが――『ソルトピラー』だけは譲れない」
「……そのために戦争になるんだよ」
エメスたちの目的は理解できる。ミールが犠牲になってでも進めてきた計画を、ここで無に帰すわけにはいかないだろう。
それでも、そのために無数の「今」を生きる人々の死をリオは受け入れられるわけではなかった。
「君の気持ちは理解できるが考慮はできない。優先順位が違う」
「ミールは……」
「駅でも言ったけど、彼の絶大な力を使わないというのはあり得ない。それに過去に意識を送るにも入念な準備がいる。ここの防衛の失敗は許されない」
今から過去にミールを送ってやり直す。その手段が使えない以上、エメスにとってここの防衛が最優先なのは当然だった。リオもそれを頭では理解していた。だが、そのためにミールを犠牲にするのは本末転倒だ。
「ミールが潰れたら……あなたたちも結局終わりでしょ……」
「そうだね。だけど――戦うのは彼の意思でもある」
「え?」
俯きかけていたリオは思わず顔を上げた。
「彼のこれまでの繰り返しに具体的に何があったかは知らない。だが、君が死ぬような場面が幾度もあったのなら、自分が戦わないことも耐えられないのだろう――私はそう推定している」
「未来人も超能力が使えるなら……あなたたちの誰かが代わって――」
その言葉に被せるようにエメスは即座に反論した。
「我々がこの時代に来る際、優先したのは技術と演算だ。超常の力は二の次。それに機械の体では十全には扱えない。戦闘力という面では彼に遠く及ばないよ」
「そんな……」
彼の代わりはいない。それが明確な答えだった。
「だから君に期待した。記憶を取り戻せたなら、彼の精神は多少なりとも回復するだろうと」
それに対してリオは睨むようにエメスを見つめた。その声色は心なしが冷たかった。
「他人の想いを利用するのやめないと、痛い目に遭うよ」
「今まさに遭ってるさ。実感はないが、残酷なことをしているとは理解しているよ」
申し訳なさそうな表情を作ろうとしているのだろう。だがその動きはどこか作り物めいていた。
――自分はどうすればいい?
問いに対し、リオたちの心がすでに答えを出していた。
「ミールに会う……会いたいんだ。私たちは、あらためて彼に会いたい」
「行くといい。今、この真上にいる」
「……真上って、どこなの?」
「セラン外縁部、第三発電所の展望室だ。メンテナンス層での戦いがひと段落したらしい。アンジェもいるよ」
「……勢揃いだ」
「ここに電源を供給する最重要施設だからね。我々の最も信頼できる子飼いを置くのは当然かな」
会いに行く。彼に。約束を守りに――必ず会いに行く、その約束を――
「行くよ。どうすればいい?」
「手を掴んで、跳ぶから」
差し出されたエメスの手を掴んだ瞬間、眩い光とスパークのあと、ふたりの姿は空間から消えていた。




