表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/15

第六学区と濡れ衣と・・・?

 時間が経ち、現在は正午を回ったところ。

 現在の俺はというと、予定していた通りにお隣の第六学区へと赴いていた。

 

 この学園都市は、誰がどの学区へいるのかさえも把握しているらしく、学区から学区へと移動するときには関所のようなところを通らなければならないらしい。おまけに学区間は高い壁で分けられているときた。姿を隠して見ていたのだが、人が通るたびに本人確認されているのを確認している。


 まぁ、超えていったんだけれども。


 魔法を使えば上空からの侵入は容易い。壁を越えられないようにと壁の上にも見えない障壁のようなものが張られていたが、流石に上空数百メートルは想定していなかったのだろう。それにあまり高すぎても飛行機やらにぶつかるしな。


 魔王の魔法ってすごい(小並感)


 

 さて、そんなわけで容易くこの学園都市のセキュリティを突破して隣の学区へやってきたのだが、この第六学区は俺のいた第五学区と少しばかり町並みが異なっているように感じられた。

 俺がはじめて見たのが第五学区だったので、あの学区が普通なのかと思っていたのだが、思い返して見れば第五学区は研究所らしき施設が多かったような気がする。


 魔法で姿を隠して近くの高層ビルの屋上から第六学区を見下してみたが、この学園都市は俺の知る東京と同じくらいの土地になっているため学区一つ一つが非常に大きいのだ。遥か先にうっすらと見えるはずの学園都市を囲む外壁は、多数の高層ビルに阻まれて見えない。

 

 研究所が少ない代わりに高層ビルが多いのが第六学区、というのが上から見た俺の印象だった。


 「学区ごとに特徴があるのか…?」


 ちょうどよく見つけた公園のベンチに座り込むと、そう独り言を呟いた。

 まだ五学区とこの六学区しか見ていないのだが、学園都市という如何にもな所なら、そんな設定がありそうだ。

 海に面している学区は海関係、とか?


 『それで? 何かわかったことはあったのかえ?』

 「まぁ、この学区が何してるのかぐらいだけどな。ここじゃ魔導器具(デバイス)とやらの開発、生産がメインらしい」

 『でばいす? 何じゃ、それは』

 「何でも、魔導の補助をする道具らしいぜ。魔法使いの使う杖、みたいな? ほら、あそこの店にも置いてあるだろ」


 そう言って公園の向かいに建つ建物を指差した。

 一階部分がお店になっているようで、正面には大きなショーウィンドウ。そこにはお高そうな箱に詰められた何かの機器が見えている。

 あれがデバイスとか言うものらしく、先ほども言ったとおり、魔導の補助を行うものだ。


 この都市に住む魔導師全員が所持しているといってもいいだろう。


 「形もいろいろあるらしくてな。俺の持ってるスマホみたいなのだったり、武器として使えるのもあるんだと」

 『ふむ? 魔法剣士の使う魔剣のようなものかの?』

 「…その魔法剣士を詳しくは知らんが、要は武器として使える杖だな。多分、前にちょっかいかけてきた少年が使ってた剣もこの類だろうよ」


 思い出すのは俺がこちらへ転移して来てすぐの出来事。

 あの時あの少年が使ってた剣は魔導器具だったのだろう。少女のほうは常に距離があったからよくわからなかったが、身に着けてはいたはずだ。

 この町で売られていた魔導器具を遠目から見ていた限り、腕輪だったり、ネックレスだったりと身につけていても違和感のない魔導器具もある。というか、もう一種のファッションのようなものになっているのだろう。なんだよ、ティアラ型って。売れんのかよ。


 あと、調べた限りじゃ、魔導器具の種類もいろいろあるようだった。

 売られていた魔導器具の売り文句で、全魔導系統対応! だったり、強化系特化! 等といった宣伝がされていたのだ。

 どうやら、この世界の魔導とやらはいろんな系統とやらに分けられているようなのだ。


 今のところ、わかっているのは強化、精神、知覚の三つ。他にもあるようだが、今知らずとも、この都市を巡ればすぐに知ることになるだろう。

 

 「お、また見っけ」


 休憩をやめて再び第六学区を散策していると、『自然系、強化系の二種に対応』と書かれた魔導器具が目に入った。

 いまいちピンと来ない系統だなと思いつつも、その魔導器具と一緒に飾られている魔導器具も見てみる。


 「操作系…? 何じゃそりゃ」


 また新しく魔導の系統を発見したが、またわけのわからないものが出てきたな、と思った。

 あまり想像出来ないが、何か操るのだろうか?


 「…よくわからんな」

 『じゃな。まぁ、そう悩まずともよいじゃろう。妾さえいれば問題なんぞありゃせんからの』


 ルシアの言葉に、それもそうかと思いながらまた歩を進める。

 ルシアはルシアで、また寝ることにしようと言い残したきり、声が聞こえなくなった。また魔力の回復に専念しているのだろう。


 とりあえず、街の散策はこのまま続けることにしよう。

 街並みを観察しながら歩いていて気づいたことであるが、この第六学区はビルの他にも魔導器具を生産するための工場も多いようだ。

 工場自体に魔力が感じられるのだが、防音の効果でもあるのだろうか? 音がまったく聞こえてこない。


 人通りの少ないところなのか、街を歩く人はちらほらと見かける程度。それも主婦や老人をよく見る。あの少女も学校だったのを考えるに、今日は平日なのだろう。それならば日中の街であるにもかかわらず、学生くらいの少年少女や社会人らしき人たちを見かけないことにも納得がいく。


 …そういや、俺はどうみえるのだろうか?


 一応向こうじゃ大学生あったわけなんだが、今は大学に行ってない。というか行けない。


……無職のニー…いや、考えるのはやめておこう。

 あれだ。職業:魔王(仮)としておこう。


 事実であるのだが、自己紹介なんかでやれば確実に頭のおかしいやつだ。



 「というか、現状じゃ追われてるんだったな」


 本当に、俺自身についての問題を何とかしないと面倒だ。戸籍なんかの問題もあるし、早いとこテロ云々の誤解を解かなければならない。


 「っと、お目当てのもん発見っと」


 見つけたのはただのありふれたゴミ箱。それなら今の今まででかなりの数を見つけていたのだが、今回のものは違う。


 監視カメラや人目がないことを気にしつつ、魔法を使ってその姿を隠してからお目当てのものをゴミ箱から取り出した。もちろん、魔法で汚れを浄化しておくことも忘れない。


 手に取ったそれをすぐに空間庫にしまいこむと、手元にウィンドウを表示させた。


 「よしっ、回収完了」


 表示されたのは『魔導器具(デバイス)(腕輪型)』の文字。

 微弱ながら魔力が感じ取れたからよかったものの、そうでなければただの腕輪だと思ってスルーするところだった。


 「こんなけ魔導器具に溢れてるんだ。捨ててあるのもすぐに見つかると思ってたんだが…意外と時間がかかったな」


 廃棄する際には何かしらのルールが決められているのだろうか? まぁ、国としても魔導と関わりの深い魔導器具の扱いを雑にするはずもないか。


 ともかく、いろいろと収穫もあったことだし、今日のところはもう帰ってもいいだろう。時間もそろそろ夕方に近い。あのなぎさと名乗った少女がまた公園に来そうな気もするしな。








 『速報です。本日の午後二時ごろ、第九学区にて高西魔導研究所が爆発。調べによりますと、研究所には黒フードの男が侵入する様子が確認されており、男は研究所の資料を奪った後逃走。同時に施設の爆破を行った、とのこと。魔導警察はこれを受け、先日第五学区で起きたテロリストと同一犯だとしてその行方を追っています。それでは、ここで現場と中継が…』



 ……は?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ