罪
時は少し戻り、三人組の男たちが栄の街をぶらぶらと歩いている時間軸。
「おい、聞いたか?」
「あぁ、あいつ一人で何突っ走てんだか…」
「……」
「ただ、挑発するだけだと言っていたが、いったいどんな挑発をしたのか…」
「あいつのことだ…死体蹴っ飛ばしたとかじゃないか?手足をもいで苦しめようと言ったのはあいつだし、それくらいならやりかねんだろ。」
「……」
「ただ、殺すだけなら誰にでもできよう。」
「……まぁ、そうだけどさ。」
「……」
「何か不満か?」
「いや、俺らは身内殺して何してんだかって思ってさ…」
「……」
「それが仕事なのだ。致し方ない。」
「まぁ、そうだよなぁ、しのごの言っても仕方ないし、」
「……」
無口な男はアルファとの戦いのことを思い出していた。
「き、君たちは何でこんなことするの?」
アルファの脇腹から大量に血が流れている。
「さぁな、国の指令だからな。仕方ない。それより、自分の心配したほうがいいぞ、腹にそんなもの突き刺されてかなり血が流れたはず、もうすぐ力尽きる。それがおまえの最後だ。」
「はっ、なめないでよ。こんな槍に刺されたくらいで…うっ…」
アルファは頭から倒れた。
「どうした?もう言葉も出ないか?なら、楽にしてやろう…」
「待て…面白いこと考えた。」
「なんだ?」
「それは見てのお楽しみ。」
「……」
男はアルファの右腕を引きちぎった。
「………うはぁ…エグイなぁ…」
「………」
(俺たちは何のためにこんなことをしているんだ…俺たちの仕事はブロッカー討伐のはず、それをなぜこの女を殺しにかかっている…なぜだ…なぜ…)
その時、アルファの耳についていたイヤリングが外れた。
「あ?なんだこのイヤリング?」
「はっ!?待って!!それはだけはやめて!!!お願い!!!」
「は?やだよ、そんなに大事なら、守ってみろって!!」
粉々になるイヤリングをアルファはただ見るしかなかった。粉々になってもなお破壊を続ける男にアルファは恐怖を感じる。
「やめて…やめてよ…それはあーちゃんにもらった大切なものなんだよ…やめてよ!!」
「はぁ?調子乗ってんじゃねーぞ…てめぇはもう用済みなんだよ…泣こうが喚こうが、誰も何もしてくれない…国はおまえを捨てたんだ!!ざまぁねぇなぁ!!」
「あーちゃん、ごめん、あーちゃん、ごめんなさい。もう一度だけでもいいから顔が見たかった…ごめんね…恨んでいいよ…私のこと…」
その後、再びアルファの声が聞こえることは
なかった。
「……」
「おい、高鷲、何考えてんだよ?」
「……俺はあいつの言っていた、あーちゃんというやつに会ってみたい…」
「あぁ、それ栄さんらしいぜ…たく、とんでもないやつに目をかけられるかもしれないなぁ…」
「なに、問題なかろう…三人もいれば必ず勝てる。」
「いや、どうかな?アルファさんも不意打ちでやっと互角だったんだぞ…あれがなきゃ、おそらくこっちが全滅だよ。」
「買い被りすぎだ…」
「いや、事実さ…」
「……」
「もし栄さんが本気で俺らを殺しにかかってくればおそらく一瞬で終わるだろうよ…」
「なら…こちらから仕掛けるまでよ…」
「……」
「本気か?」
「でないと、やられるならそれしかあるまいに…」
「……」
「オーケー…!じゃあ…今日にでも!」
「……」




