表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしかしてこれって異世界転移?  作者: ぬか漬けプディング
第三章 王都 アスガルド
97/123

一人目の私から二人目のあなたへ

名前変えてみた。

20??年 6月10日


地球上で起こった人類と異世界人との争いは地球上の環境や生態系、そして一人の少年の運命をも狂わせた。


そしてこの日、人類と叡智を乗せ宇宙空間を漂う|箱舟≪アーク≫である地球は壊滅した。


―――――――――――――――――――――――――――

建国歴348年 5月24日 AM11:23


一人の少年が小高い丘から声のする方にやってくる。

その少年は一切衣服を着ていない。


どうやら昼時なのだろうか。

散村から煮炊きの煙が空に向かって伸びている。


見知らぬ世界にいきなり飛ばされ、驚いている時でも腹は空く。


「図々しいかもしれないが衣服と少しのご飯を分けてもらおう。」

彼はそう呟き、村に向かうのであった。


―――――――――――――――――――――――――

5月24日     AM11:25


俺は村のとある小屋の戸口を叩く。

その小屋は丸太を組んだ粗末な小屋だったが細かいことは気にすることなど出来ない。

俺は目の前の扉を軽く叩く。


ノックから数秒程たち、戸口は内側から開けられた。

「すみません。ご飯を分けてもらえませんか。」

小屋の中から顔を出し、30代後半ほどの女性がこちらを一瞥。

その女性はこちらを見るなり驚きの顔をし、扉をぱっと大きく開く。


「そんな恰好なら人目に付くから家の中に早く入りなさい。」


...よかった良い人のようだ。

見ず知らずの不審者である俺をかくまってくれるなんて。


「失礼します。」

俺は小屋の中に入った。

小屋の中にはランプの明かりが一つあるだけで薄暗い。


「狭いところでしょう。まぁ多少は我慢して。」


三十路の女は俺に衣服を無言で差し出す。

麻で出来ているようだ。


「ありがとうございます...」

俺は礼を言い、モソモソと服を着る。


「...なんで俺みたいな不審者を助けてくれたんですか?」

服を着終わった俺は女性に訊ねる。


「...聞きたいことがあったから。」

スープをよそいながら彼女は呟いた。


「あんたってこの世界とは異なるところからやって来たんだろ?」

女性は何でもないように聞いた。


「!!どうしてそれを?」

俺は若干驚きながら女性の方を見る。


「その様子なら図星だね。」

女性はスープ鍋に目を落としたまま、言った。

「ほら、おなか減ってるんでしょ。スープしかないけど飲みなさい。多少は腹が膨れるでしょう。」

女性はぶっきらぼうにスープの入った木の器を俺に寄越した。


「いただきます...」

俺はそれをゆっくりと飲み干す。


身体の内側から温かいのが伝わってくる。

スープの味が五臓六腑に澄み渡り、空腹感は霧散する。


温かい飲み物を飲んだせいか内心焦っていたのが和らぎそれにつれ瞼が重くなる。

「眠いのか。」


女性の声がする。、


「一人で異世界に来たのだから張りつめていたのだろう。しばらくの間休むと良い。」


この言葉を皮切りに俺の意識は遠のいた。


――――――――――――――――――――――――――――――――

5月24日     PM6:46


激しい振動とガタガタと騒々しい音で目が覚めた。

「...!!」

しまった。はめられた。


どうやら俺は今荷馬車にいるようだ。

手は後ろで縛られ、足はロープで両足首を縛られ身動きが出来ない。


周りには俺と同じように拘束された人物が複数人いる。

「クソッ...」

どれだけ身をよじっても固く縛られた縄は解けそうにない。


「この馬車はどこにむかっているのだろうか。」

外の風景が一切見えないため、いまどこを走っているのか分からない。

まぁ仮に見えたとしてもこの世界の地理について一切知らないから意味は無いのだが。


そんな少年の心境とは無関係に馬車は進む。


―――――――――――――――――――――――――

5月24日     PM11:34


どれほどの距離走ったのだろうか。

突然、馬車は止まった。


「!!」

荷馬車内の人々は伏せていた顔を上げる。


その中に異世界転移をした少年も勿論含まれている。

彼は同乗していた人物の一人に自分は奴隷として買われた事、この馬車の行き先は港町であるニメ=ヴァハムに向かっていることを聞き、己がどうなるのか一心に考えていた。

どうやらこの世界では奴隷が商品の一つとして売買されているようだ。


ギィィィ...

軋む音と共に暗い空間に一筋の光が差し込む。

「お前ら、降りろ。」


海の近くなのだろう。

荷馬車の中に潮の香りがなだれ込んだ。


向こうに小舟が見える。

どう見ても荷馬車にいた奴隷全員が乗るには小さすぎる。

が、少年を含めた奴隷はゾロゾロと船に乗り込む。


彼らに自由などない。


そして船は静かに進みだした。


――――――――――――――――――――――

12月6日     PM11:25


季節は冬になった。

まともな衣服を着ずに力仕事をする日々。

身体もまともに動きやしないが、無理にでも動かさなければ鞭が飛んでくる。

もう何人仲間が死んだのだろうか。


今朝も仲間の一人が凍死していた。

俺の同じ日にここにやって来たものだった。


「今日も何とか終わった...」


俺が安堵するのは眠る直前のこの瞬間のみ。

まぁ数時間後、その安堵は消え失せ再び一日が始まるのだが。


まともに風を防げることが無い小屋に俺は丸まり寝転がる。

同じように仲間の奴隷たちはこの掘立小屋で眠る。


...今日もまどろみの中、俺は物思いにふける。


俺はどこかの富裕層に買われた。

こちらの世界に来て半年以上たっているのにまともな情報を掴めていないことに俺は苛立っていた。

だが、現状を打破できる打開策などなくここで死ぬまで奴隷として働くしかない。

それがこの世界での俺の2つ目の人生となるのだろう。


あの時点で死んでいたら良かったのだろうか。

なんで自分だけ助かったのだろうか。


...もし俺があの時死んでいたら良かったのに。


――――――――――――――――――――――――

12月7日     AM8:58


チチチ...

小鳥が囀る音が聞こえる。

もう朝か...


「ヤバい!!寝すぎた!!」

俺は跳ね起きる。

が、目に飛び込んできた光景は見慣れたみすぼらしい小屋...ではなく高そうな装飾の家具の数々。


俺の身を包んでいる服も布切れのようなものから肌触りが良いいかにも高そうな寝間着に代わっている。


「これは...?」

俺は寝起きで働かない頭で俺は考える。

が出てくるのは疑問ばかり。


カチッ

部屋に置かれた時計の分針が1分を刻み、時間は九時を指し示した。

それと同時に部屋の扉が開き、メイド服を身に包んだ女性が姿を現す。

髪は腰近くまで伸ばし、その髪色は茶色である。

そのキリッとした顔はまさに美人と呼ぶに相応しい。


「ご主人様、起きてください。朝でござい...あぁ、既にお起きになられていたのですか。おはようございます。」

深々とこちらにお辞儀をし、こちらに近づいてくる。


「ん?ちょっ!!まだ心の準備が!!」

これほどの美人なのだ。

訳も分からない状況で親密そうに近づかれると流石に狼狽える。


「...?御冗談もほどほどにしてくださいね。」

口元を手で隠し、メイドの彼女は微笑み、俺の服を脱がせに掛かる。


「えぇぇっぇぇぇええぇぇぇぇ!?なになになになに??」

一人で騒ぎまくる俺と黙々と作業を続けるメイドさん。

これは夢だ。そう、これは夢。

現実なわけがない。

...こんな夢を見るって俺はどれだけ欲求不満なのだろうか。

そんな実にしょうもないことを考えている内に服を着替え終わった。


「お似合いですよ。ご主人様。」

メイドの人は鏡で俺の姿を見せる。



...その鏡に映った人物は俺では無かった。

ハイどうもこんにちは。ぬか漬けプディングです。


毎日...とはいかないけど出来るだけ高頻度で投稿しようと思ってはいるのでどうぞこれからもよろしくです。


それでは!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ