9月8日 PM4:45~9:50 スミス&シルフィン
2章はもうちっとだけ続くんじゃ
僕は最低な奴だ。
自分の保身のために二人の仲間を見殺しにした。
確かに誰かが街に戻って襲撃を知らせないといけなかった。
さもないと街がムガルによって襲撃されるのは目に見えている。
問題はなんで僕が助けを呼びに戻ったのかという点である。
僕の魔術は12m以内の生物を麻痺させる。
この魔術でムガルをある程度足止めし、仲間のどちらかを街に戻らせたら被害は少なかったのではないか。
二人の仲間も行方不明になることは無かったのではないか。
それだけではない。
その仲間の娘であるシルフィンと共に12年間生活してきた。
僕がシルフィンの両親を殺したのは自分であると教えることなく。
僕はシルフィンにバレるのが怖かった。
だからシルフィンの前ではオネェキャラのスミスというもう一つの人格をコーティングしてきた。
そもそも僕がシルフィンと一緒に住むことを決めたのは少しは罪滅ぼしになるだろうと考えたからである。
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9月8日 PM4:45
「僕は...保身のためにムガルに襲われる君の両親を...見捨てた。」
それを聞いたシルフィンの表情はこわばる。
「...えっ?」
シルフィンの口からは小さな声が漏れる。
「僕がシルフィンと生活...してきたのだって...せめてもの罪滅ぼしにと思って...やったことだ。」
「......。」
「見限っただろう?君にしてきたことは...全部自分の為なんだ。
僕は近いうちに...死ぬ。だから君とはもういられない。
少ないけど貯金があるから...そのお金で...自由に暮らしなさい。」
「...ふふっ...」
僕の告白を聞いてシルフィンは小さく笑う。
「...シルフィン...?」
何で?
何で笑うんだ?
シルフィンはこちらを向いて笑いかける。
その眼には涙が溜まっている。
「そんなことどうだっていいよ。それでも私はスミスと一緒に居たい。」
満面の笑みで僕にシルフィンは笑いかける。
ベッドに一粒の涙が落ちた。
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9月8日 PM9:50
「...う~ん...」
大きく伸びをして起き上がる。
時刻は夜の10時になろうとしていた。
開けっ放しの窓からは月明かりがこぼれる。
スミスを治すために出来るだけ早くこの街を出たい。
そうだな...
ショウヘイが明日にはこの街を出ると言っていたから俺も同じく明日には出るか。
ベッドの上で考えていた所、ドアがノックされる。
「...アリノ、起きてる?入るよ。」
シルフィンの声だ。
「どうぞ~」
ドアが開く。
シルフィンが入ってくる。
「こんな時間にどうしたんだよ。」
「ん~...ちょっとね。」
シルフィンはどこかはぐらかすかのように言った。
シルフィンの目はどこか赤い。
「アリノはいつこの街を出発するの?」
シルフィンは壁に寄りかかりながらこちらに訊ねてきた。
「明日には出ていく。あまり時間が無いらしいからな。」
言った瞬間、衝撃と甘い香りが鼻孔をくすぐる。
シルフィンが抱き着いてきたのである。
「お願い...あの人を...スミスを助けてあげて...。
私から大切な人を奪わないで...」
背中に感じる弱い腕力と少女の弱弱しい叫びは決して失敗できない圧力として重く俺に圧しかかる。
俺は嗚咽を漏らす白髪の少女の背中を小さく|擦る≪さする≫事しかできなかった。
はい、どうもこんにちは。おっさんです。
うーん...スミスは元々聖人キャラのつもりだったんだけどなぁ...
まぁいいか。
あともう少しで2章も終わり。
いやー無駄に長かった。
あ、2章が終わったら年表のほかに現在判明していることを簡単に書くつもりです
これで書くときに分からなくなったときに一々前の話を見直さなくていいね!
やったぜ!!
そんな訳で今日の後書きもこの辺で。
ここまでお読みいただきありがとうございました
それでは!!




