9月8日 AM4:40~4:50 反対と決意
暑い。
あらすじ:記憶喪失のアリノがのんびりまったり頑張る話
9月8日 AM4:50
ドアを開ける。
その動作に合わせるようにベルが鳴る。
ここはシルフィン、スミスとパーティーをしていた頃に宿泊をしていたあのぼったくり宿屋である。
二日程度しか宿泊してないはずなのにもう我が家のように感じる。
そんなこんなで俺達はシルフィンに勧められるがまま203号室に入る。
「んあ、そういえばスミスの怪我ってまだ治らないの?」
俺はシルフィンに質問する。
「え?あぁそうだね。傷が深いみたいでなかなか治らないみたい。」
シルフィンは若干焦ったように答える。
...なんか怪しい。
とここでショウヘイがボソリと言った。
「そりゃ治るわけねえだろ。ムガルに噛まれたんだから。」
「「えっ?」」
俺とシルフィンの声が見事に被った。
何を言っているんだ?コイツは。
「いや、傷自体はそのうち治るだろうがスミスって奴はこの先絶対にベッドから降りることは無い。
自分の体が朽ちていくのを感じながら息を引き取るだけだろ」
アリノはそっぽを向きながら答えた。
「...どういうことだよ。」
初耳の情報に驚きながら俺はショウヘイに聞く。
「知らねぇのかよ。...ああ、そういやお前記憶喪失だったな。じゃあ教えてやるよ。
魔獣 ムガルに噛まれた人物は遅効性の麻痺によって体を自由に動かせなくなる。
これ、常識だからな。覚えとけよ。テストに出るぞ。」
ショウヘイはヘラヘラと笑いながら俺の質問に答えた。
「...なんで教えてくれなかったんだよ。シルフィン。」
「アリノはパーティーに入ってまだ数日程度でしょ。赤の他人でしょ。なんでそんなことまで教えないといけないの?」
シルフィンは冷たく言い除けた。
「...そ、それでもスミスやお前に貸しがあるんだから恩返しとかもしたいし...」
俺は口を尖らせる。
「そういうことが余計なお世話なんだよ!!」
シルフィンは急に大声を上げた。
「余計なお世話ってなんだよ!!金が足りないんだろ?お前一人で何とかなるのかよ!」
思わず俺も声を荒げる。
「なんで一々言わないと分からないのかな。あんたは関係ないから放っておいてよ!!」
「お前がいくら反対しようとも俺はスミスを助ける。何があっても。」
俺はシルフィンに言い終えるとドアを開け、部屋を出た。
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9月8日 AM5:00
宿屋の外で待っていた俺の元にショウヘイがやっと来た。
「遅いぞ。なにやってんだ」
「何やってんだって...お前さ、何のためにここに来たのか忘れては無い?」
イライラしながらショウヘイは言った。
「あっ...ま、まあ過ぎたことだし別に良いだろ。それよりどうするよ。」
「どうするよって...ちったぁ自分で考えろよ。まぁシルフィンは今更除くことはできないな。
後で仲直りしとけよ。スミスとか言うおっさんの助けになりたいという目標は同じなんだし、仲たがいする暇なんてないだろ。」
「うん...まぁそうだな。」
「あと、俺がお前に大魔王の場所を伝える連絡方法を探すだけだが、あてが付いた。」
「マジかよスゲェな。あ、もしかして遅れて出てきたのは宿屋の中で情報を集めてたから?」
「いや、ただ単に気まずくて部屋をでるタイミングを見失っただけ。」
「......。」
なんじゃそりゃ。...てことは俺とも面識がある人物ってことになるんだが。
「え?誰だよ。その連絡係をする人物って。」
俺の問いにショウヘイはサラリと言う。
「ギルドの受付嬢だ。さっさとギルドに行くぞ。」
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9月8日 AM4:50
だんだんと離れていくアリノの後ろ姿をシルフィンは部屋の窓から覗く。
先ほどアリノに言ったことに偽りがある。
アリノはこのパーティーの一員である。
どんなに使えなかろうが問題なく大切な仲間である。
赤の他人であるわけが無い。
だからこそ。
だからこそアリノには負担を掛けたくない。
現在のスミスの容態を知ればきっとアリノはスミスの為に無茶をするのではないかと危惧していた。
だからこそ彼にパーティーから抜けるように言った。
...アリノはいくら自分が止めてもその決意を曲げないだろう。
それが頼りになると思う反面、私は思うのだ。
無茶をして再び私の前から大切な人が消えてしまうのではないかと。
はい。どうもこんにちは。おっさんです。
...久しぶりだから後書きの書き出し文章(名乗り)の文を忘れた。
たかが15文字程度なのに。
というよりサッサとタナカ大魔王をしばけよ。
なかなか話が進まないだろ。
頑張れよ主人公。(ブーメラン)
...ここまでお読みいただきありがとうございました。(急に切り上げるスタイル)
それでは!!




