9月7日 AM10:30~11:40 二人
風邪ひいた。
9月7日 AM11:40
...いつからシルフィンは僕のことを名前でなく、スミスと呼び始めたのだろう。
いや、わかっている。
始まりは9年前のあの日からだ...
スミスはゆっくりと重い瞼を開ける。
部屋の窓から日の光が差し込んでいる。
左半身に質量を感じ、上体を起こす。
そこには椅子に座り、スミスの足に覆いかぶさるように寝るシルフィンの姿があった。
スミスはシルフィンの白い髪を指ですきながら、何度心の中で呟いたであろう言葉を繰り返す。
「僕は彼女のために何ができるのだろう。」
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9月7日 AM10:30
下腹部からの重い衝撃で目を覚ます。
「おごっ!?」
口から変なうめき声が漏れかけるが、誰かの手が口を塞ぎ、それは阻止される。
首だけ起こし、未だに腹部に感じる重量の正体を確かめる。
見るとそこにはシルフィンが鎮座していた。
「...あの...何か?」
サッサとそこからどいてほしい。シルフィンの膝が肋骨にゴリゴリ当たって非常に痛いんですけど。
そんなことを知ってか知らずか(まぁ微塵も気にしないだろうが)
シルフィンはニヤリと笑い、こちらにビシッと指を立て言い放つ。
「おつかい行ってこい」
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9月7日 AM11:00
俺はギルドのカウンターにムガルの尻尾がたんまり入った袋をドンと置く。
ちなみにこの袋、なかなかの重さです。
シルフィン曰く、「袋をカウンターに出すだけでお金を貰えるコミュ障に優しいギルドの換金方法」らしい。
俺コミュ障じゃないんですけど...。
結局、何もしゃべらぬまま換金を終え宿屋に帰ろうとギルドのドアを開ける。
が、ドアを開けた先には若干長めの黒い髪の少年(俺と同い年くらい)がいた。
これはあれだな。出る人と入る人が運命的な偶然によって同時にドアノブに手を掛けたのか。
普通はどちらが先に入る、または出るのか若干の間互いにたじろぐのだが、残念ながら俺はそんな一般
ピープルとは違うのだよ。
ルールを守る心優しい少年だからね。
俺は伸ばした手でドアを開けたまま、目の前の少年に入るようエスコート(?)する。
少年はそのままギルドの中に入り...俺の襟を両手で掴んだ。
「......?」
流れるような動作だったから一瞬、何が起きたのか分からなかったよ。
「お前...今までどこに行っていた!!俺を見捨てるのは分かるし、まだ許せる。でも何であいつまで...あいつは関係ないだろうが!!」
息を荒くして喋る目の前の少年。
えっ?何?何なのコレは。どんなシチュエーション?
ギルドにいる冒険者の方々からの視線が痛い。
その姿を前に俺は。
咄嗟に少年を突き飛ばし、尻尾を巻いて逃げた。
人を突き飛ばしてはいけません?知らねぇな そんなルールはぁ!!
そう一通り心の中で捲し上げて俺は宿屋とは反対方向に脱兎のごとく走り去るのだった。
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9月7日 AM10:30
同じパーティーに所属している少年がギルドに向かって歩いていくのを宿屋の窓からシルフィンは見送る。
「......」
シルフィンは体を窓に向けたまま、顔だけをベッドの方向に向ける。
そこには色黒の屈強な男性が寝ている。
私は知っている。
彼は非常に頼りになる人だということを。
私は知っている。
彼はこう見えても責任感が人一倍強いことを。
私は知っている。
そのために彼は今も9年前のことを気に病んでいることを。
シルフィンは静かにベッドで寝ている男性に近づき、近くにあった椅子に座る。
スミスの顔を見て昔の日々を思い出す。
語りつくすことができない数多くの出来事があった。
でもその日々もきっと長くはない。
ボフッ
布団に顔をうずめる音が静寂に包まれていた部屋に静かに響く。
「...私はどうしたらいいの?教えてよ...スティーブ」
シルフィンの口から小さな声が漏れた。
はい。どうもこんにちは。おっさんでございます。
いやー...暑いっすね。(気温とか。あと私は体温が。)
そうれはそうと投稿が伸びに伸びて申し訳ありません。
毎日投稿したいな~...とかちょっと前まで言ってたんですけどどうやら無理みたいです。
すみません。
それではここいらでちょいと締めを。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
もしよろしければまた次話でお会いしましょう。 それでは!!




