9月6日 PM6:05 獣との闘い
動物愛護団体が黙っていない気がする。
9月6日 PM6:05
胸のあたり...心臓からだろうか。
そこから何か温かいものが、じんわりと身体に広がっていく気がする。
それとともに体が羽のように軽くなるのを感じる。
俺は魔獣目掛けて走り出した。
一瞬で距離を詰めた俺は魔獣に蹴りを放つ。
ボッッッッッ!!と圧縮された空気が一瞬にして膨張することにより爆音が鳴り響く。
スミスならそれだけの動作で魔獣はこと切れていただろう。
しかし。
「ピンピンしてるんですけど!?」
なんと頭部に蹴りを食らった魔獣は全く効果がない様子だ。
...まさかシルフィンの魔術の身体能力の上昇って魔術を掛けられた人物の筋力に依存するのだろうか。
例えばスミスのように筋骨隆々な人物なら上昇値も高い...とか。
「先に言ってよぉぉぉぉ!?」
俺は叫びながらムガルの頭部を力いっぱい踏んづける。
何ともまぁシュールな光景。
何回ムガルを踏んだろうか。
「パキリ」と軽い音を立て、足元でもがいていた魔獣は動かなくなった。
頭蓋骨を粉砕したようだ。
とりあえず1匹は仕留めた。
次だ。
残った1匹を探すために周囲を見渡す。
それはすぐに見つかった。
そいつは力なくへ垂れ込むシルフィンと立ち上がることのできないスミスの元に走っていた。
どちらかを捕食しようとしている。
そうはさせない。
俺は足に力を籠め、大地を蹴る。
風る切る音が耳に響く。
あと5mほど。
それだけでムガルの牙はスミス・シルフィンの身体のどちらかに突き刺さることになる。
もっと速く。もっと俊く(はやく)。
あと3m。
2m...
50cm。
辛うじてムガルに追いつき、俺はムガルの身体を蹴り上げる。
ムガルの体は空高く飛ぶ。
そして、打ちどころが悪かったのか、地面に落ちる際「グシャッ」と音とともに動かなくなった。
それと同時に俺の体の先端まで広がっていた温かい何かが急に引いてのを感じる。
どうやらシルフィンの魔術が切れたのだろう。
シルフィンを見ると、グッタリしている。
「!!おい、大丈夫か!!」
シルフィンの元に駆け寄る。
先にシルフィンの調子を見ていたスミスは触れていた胸から手を放し、
「大丈夫みたい。心拍はいつもと変わらないし。」と告げる。
...脈を図るんだったら別に手首からでいいじゃん...と心の中で突っ込むが、口には出さない。
「再び襲撃があるかもしれないから迅速にここから離れるよ。その前にムガルの尻尾を切り落として。」
と言いながらスミスはこちらにナイフを投げ渡す。
あぶねぇなあ!刃物は投げ渡さないって小さい時に習わなかったのかよ。
10分かけて襲ってきた魔獣の尻尾を切り落とす作業を終える。
集まった尻尾の数は23。
キャンプする前に集めたムガルの尻尾の数は7だから、合計で30匹ムガルを一日の内に殺したことになる。
「さて、じゃあさっさとここから離れよう。」
スミスは焚火に水をかけ、消火する。
ちなみにテントはスミスが片付けてくれた。ありがと。
俺たちは『始まりの地 ニメ=フルフィア』を目指し、森の中を歩き始める。
ハイ。どうもこんにちは。おっさんです。
ボチボチこの編も終了に近づいてまいりました。(まだまだ続くよ!)
というより少なくともあと5話は続くよ!!
...何が言いたいんだ。私は。
まぁいいや。ここでこのしょうも無い後書きの締めを。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
もしよろしければまた次話でお会いしましょう。 それでは!!!




