9月5日 Gatekeepers
いつもこの小説で走り回っている「茶番くん」はログアウトしました。
(編集済みになってますがサブタイの数字を全角にしただけです。それ以外はいじっていません)
9月5日
結局どのくらい待っただろうか。
太陽が地平線に沈むころにやっと列の先頭が見えるようになった。
「そうだ、シルフィンちゃん。そこの坊やにあなたのローブを貸してあげて?」
「え~やだよ...こんな奴に私の...ローブを貸したくない。」
シルフィンは声を荒げる。
「そうね。それがどんなに苦痛なのか私はわかるわ。」
「分からない!!スミスには分からないよ。絶対に。このローブをこんなほぼ裸が羽織ることの苦痛が!!」
...ウルサイナ。
「...お願い。シルフィンちゃん。このままではこの街にはきっと入ることができない。こんな怪しさ満点な男の子を入れるほどこの街の門番はバカじゃないわ。良くて街に入れない。最悪の場合...目の前でこの子は殺されるわ。」
「...なんで俺殺されるの??」
「以前も言ったけど、この街は国境近く。何度も敵国の戦闘員が入り込み、この街は幾度となく被害を受けたわ。そのため、この街に城壁が築かれ、門番がこの街に入るものを審査するようになった。」
「......。」
「それでも完全に被害を無くすことはできなかった。そこで門番は『疑わしくは罰する』という言葉をモットーにこの街を守っているのよ。数えきれない犠牲のもとにね。」
その時、
「おい、そこのお前!!フードを取れ!!」と怒号が飛ぶ。
先頭にはフードを深く被った5人の人物。
家族なのか、背の高い人物が2人、子供ほどの背丈の人物が3人である。
そしてそのフードを何とかして脱がそうとする5人の門番。
フードを脱がされないように抵抗するも虚しく、フードは剥ぎ取られる。
抵抗していた主は肌は浅黒く、金髪の中年男性だった。
「お前...この肌、髪...さてはムスベルヘイムの者だろう!!」
門番たちは集団を円状に取り囲み、手に持っていた槍の切っ先を集団に向ける。
フードを被った人々は鈍く光る切っ先にうろたえたのか、2、3歩後ずさりする。
その中フードを剥ぎ取られた人物であるさっきの中年男性が膝を地面に付かせ、
「お願いだ!オラの村はずっと雨が降らずに稲が...食べ物が育たねぇんだ。このままじゃぁオラたちは飢え死にしてしまう!お願いだ!!この街に何とかして入れてくれ!!この通りだ!」
男性は額を地面につけ、深々と頭を下げる。
それを見る門番は
「...そういう奴らが多くて困るんだよ。それに何か見返りがないとハイ、ドウゾとこの門をくぐらせるわけないでしょ。」とボソリと告げる。
「!タダとは言わねぇ!!どうかこれで...」
男性は小さな小袋を正座のまま門番の1人に差し出す。
小袋を受け取った門番は中身を確認する。
「...フン...こんなもんか。」
門番は鼻を鳴らし目の前の男性を見る。無言でもうないのかと催促。
「...今のがオラたちの有り金 全部だ。金が足りないのならオラを奴隷として売り出してもいい。クニの情報を洗いざらい話してもいい。だから妻とこの子たちだけはどうか...」
男性は目の前の男の足にすがり付きなら懇願する。
男性の訴えに胸を打たれたのか、溜息を一つ吐き、中年男性と同じ目線の高さになるようにしゃがむ。
「そこまで言われたら仕方ないな。」
「それじゃあ...」
男性は顔を上げ、顔を輝かす。
突如、何かが肉を貫く軽い音、液体が滴る音、息を詰まらせる音が鳴る。
フードを被った一行は男性以外 胸を門番の持つ槍によって突かれたのだった。
「...へ?」
男性は素っ頓狂な声を上げる。
倒れた4人の身体から溢れ出す液体が徐々に地面を赤く染め上げる。
「あぁ...ジェシカ...トムソン...オリバー...リリー...」
男性は地面を這うようにして もう動くことがない家族に近づく。
「...なんで!?なんでオラの家族を殺した!?さっき仕方ないって...」
嗚咽を漏らしながら男性は門番を睨みつける。
「あんなはしたない金で5人の異国人をこの街に入れるわけないだろ。お前が情報を一通り吐き、奴隷となり俺たちの懐を温めるのなら『仕方なしに』街に入るのを許可しよう と言ったんだよ。」
「...お前ら...良くも...良くも~!!」
中年男性は門番に掴みかかろうとするが、周囲の門番によって取り押さえられる。
「離せっ!!離せ この人でなしがぁぁぁぁぁ」
男性の悲痛な叫びが太陽が沈みかけ、赤く染まった空に虚しく吸い込まれる。
この小説は人種差別を奨励する内容でないことをご了承ください。
という注意書きから始まる今回の後書き。
皆さんどうもこんにちは。おっさんです。
今回の話はだいぶ長い方です。(なんせ通常版?の二倍ほどの字数なんで。(気になった方はこの前の小説を見てみてください。そしてもし良ければ読んでみてください。))
話はぶっ飛びますが他の御方の小説を拝見したんですけど、章分けすることができるんですね。(今更)
次回(今回?)から「始まりの地、ニメ=フルフィア」での話が(やっと)始まります。
スタッフ一同(一人)尽力で小説を投稿していきます。
ではこの辺で。読んで頂きありがとうございます。また次話でお会いしましょう!!




