9月11日 AM1:34~3:23 赤き果実
クリスマスの日に誰かストーリー内で殺そうと思ったけどメンドク...私的な用事があったんで書けなかった。残念!!
9月11日 AM1:34
「...ふむ。」
ニメ=フルフィアの地下空洞で整髪料で髪をきれいに整えた痩身の男性は顎を摩りながら唸る。
彼の名はチューニ少佐。
ニメ=フルフィアの管理をする憲兵である。
「この2日間、君の身体を少々いじくらせてもらったが、非常に興味深いね。」
床に倒れ伏している人物に向かって彼は言葉を続ける。
この人物は冒険者数人とギルドの受付嬢で結成されたパーティーに捕獲された、ただの一般人であり、難民である。
そうであったはずなのだが。
数日前に身体検査をしたデータとは大幅に異なり、特異な身体能力を有していることが今更になり判明した。
この数日間でこのように大幅に体が変化したとは思えない。
...そう、言うなれば...身体を作り変えたとしか言いようがないほど変化をしている。
「どれほど傷つけても無限に回復するその治癒力、尽きる事の無い魔力...
君のその力を私にもっと見せてくれよ。」
チューニ少佐は子供のような無邪気な顔で笑った。
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9月11日 AM2:54
...ニメ=フルフィアから遠く離れた場所にて。
製薬会社「スカイガーデン」の地下室にて。
新薬『crimson apple』の臨床実験にされた人物の一人である白髪の少年がベッドに横たわっている。
その眼は虚空を見つめており、虚ろに横たわっている。
その一点の汚れの無い白髪はやや長く、その体はやせ細っており、いかにも弱々しい。
少年の右目は眼帯で隠されており、体中に包帯が巻かれている。
その包帯には赤い何かが滲んでおり、今までの実験の痛々しさを感じさせる。
...彼はアリノたちと同じく異世界転移をしてきた人物であったが、現在では違法となっている奴隷として他国に買われた身だ。
そのため元の名を捨て、ここでは35番と呼ばれている。
あぁ。まただ。また実験の時間だ。
足音がこちらにやってくる。
少年は静かに目を瞑り、世界を憎む。
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9月11日 AM3;23
また朝まで飲んでしまった。
鈍痛が走る頭を押さえながら、中年男性であるゴルバディウス=ベン=ヴァルドは自宅の椅子に倒れるように座り込む。
「あー畜生...飲み過ぎた...。」
呟きながらいすの背もたれに体重をかけ、わが家を見渡す。
薄暗い、アルコール臭のする薄汚い部屋。
まぁいわゆる汚部屋である。
掃除なんてここ数年やっていない。
物の配置も同じく年単位で変化していない。
...いや、一つだけ例外がある。
数日前、飲み屋で不思議な雰囲気がする男性からもらった液体と注射器だ。
「...これで人生をやり直せるねぇ...。」
如何にも胡散臭い話だ。
これを体に注入するだけで新しい魔術を獲得できるなんて。
そんなことでこれまでの30余年で堕ち続けた俺の人生が挽回できるわけはない...が何となく興味は湧く。
大量の酒で思考力、判断力が低下していたからであろうか。
まぁ少しだけならいいだろう。
そう思い俺は赤い液体で満たされた注射器を自分の肌に突き立てる。
鋭い痛みが脳を刺激する。
そして一息にピストンを押し込む。
カシュッ
軽い音を放ち、紅の液体が一気に俺の体の中に入った。
「...やっぱ何も起きねぇじゃ...グッ!!?」
俺は唸り、床に倒れこむ。
身体が...熱い...
脳のキャパシティーを超える痛みは熱となり俺の身体を焦がす。
血液が沸騰するかのようだ。
体中の血管がプツプツと音を鳴らしながら破裂していく。
身体のあちこちの骨がギシギシと鈍い音を奏でながら軋む。
ギリ...
耐えきれぬ痛みと熱で俺は歯を食いしばる。
歯ぐきから鮮血が流れる。
何かに縋ろうと床を引っ掻くが、ただ爪が剥がれるだけ。
俺の身体は破壊と再生を無限に繰り返しながらも俺の身体を作り替える。
...どれほど時が経ったのだろうか。
熱は引き、呆然と天井を見つめる俺は身体を起こす。
「死ぬかと思った...」
俺は息も絶え絶えで汗を拭いながら呟いた。
はい、どうもぬか漬けプディングです。
どうでも良いこと...まぁただの補足なんですが、異世界とこの星...地球って全く同じ環境であるとは考えにくいじゃないですか。
例えば異世界の重力がやや大きい、空気の酸素濃度、二酸化炭素濃度が異なる...etc.
だから異世界転移する人物の体の組成が異なるのも必然的な訳です。シャーない。
まぁそんな訳でどうでも良い説明を終えます。
ここまでお読みしてくださりありがとうございました。
それでは!!




