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魔魅相談!〜魔法JKひかりがお悩み相談部と共に魑魅魍魎なキャラ達を巻き込む〜ドタバタ学園生活!  作者: 風みやび
1年の5月

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49/51

第49話 予定は埋め尽くされた

「明日はゴールデンウィーク!!!!」

 ひかりはこの上なく明るい表情で喜び、OSBの部室を喜びで満たした。


「そんな喜ぶ?」

 梓には理解できなくて、困惑の表情を浮かべた。


「だって、勉強から解放されるんだよ!!!!」

「いや、宿題出たから解放されないよ」

「それに、明日は2人でショッピング! 明後日はスイーツ巡り! 明々後日は少し遠出しよう! 明々々後日は……」


 ひかりは梓の言葉に聞く耳を貸さず……いや、宿題のことを記憶から消したように、幸せそうに語った。


 そんなひかりの言葉を遮って、冷めた顔で言った。

「そもそもなんで、さも決定したみたいになってるの? 私は家で静かに過ごす予定なんだけど」


「えー、そんなのつまんないじゃん!! 遊ぼうよ! 一緒に雪だるま、つく〜ろ〜!」

「冬から1番遠い季節に言うことじゃないよ」


 ひかりは梓に対して落胆したように眉を下げて、その後いきなり幼児のような純粋さで歌い出した。

 梓は意味がわからない様子でツッコミを入れた。


「ね! 遊ぼうよ! お願い〜!」

 ひかりはすがるように懇願した。

「いや、だって、明後日は私の家に招待しようと思ったから」


「ええーーーー!!!! 嘘!? 良いの?」


 ひかりは梓の思いがけない言葉に目が飛び出るほど驚き、声を上げた。

「うん、その日だったら両親いるから良いって」

「やったー! 梓の家に行ける! 行ける!」


 ひかりは嬉しさのあまり、心が踊るままに体を動かした。

 それはまるで……


「どこの民族の踊り? それは……雨乞いかなんかしてるの?」

 梓はひかりの踊りに眉をしかめて、考えながらツッコミを入れた。


“ガラガラ”——突如、部室のドアが開いた。


 ひかりは動きを止めて見ると……真希が立っていた。

「あっ! 真希だ! どうしたんですか?」

「実は……」


 真希は下を向き、暗そうな雰囲気を漂わせた。

 2人は(もしかして、蓮斗に嫌われた)と思い、息を呑んだ。


 真希は次の瞬間、満面の笑みを浮かべて、


「実は……明日、蓮斗とデートなの!!!!」


 と意気揚々と述べた。


「ふ〜」2人は安堵したと同時に喜びが湧き上がった。


「えーー!! おめでとうございます!」

「おめでとうございます」

「ありがとう!」

「どっちが誘ったんですか?」

「私から」

「デート誘えるなら、なんで今まで誘わなかったんですか?」

「それは……好きってバレたくなかったから……!」


 真希はモジモジと恥ずかしそうに小声で言った。その姿はまさしく恋する乙女そのものだった。


「真希、可愛いですね!」

 ひかりはニヤついてイジるように言った。

「……」

 真希は顔を火照らせ、黙っていた。

「どこに行くんですか?」

 梓はイジる勇気はなく、あくまでも先輩として接した。


「遊園地」

「良いですね!」

「定番だ」

「梓、そういうことは言わないの」

「そ、それで、2人にも来て欲しいの……!」


「んっ!?」2人は耳を疑い、もう一度言って欲しそうにした。

 真希は応えるように、

「2人にも来て欲しいの! 私だけじゃあ心元ないから、お願い!」

 と頭を下げて言った。


 2人は顔を見合わせて、どうしよう?、といった感じで、アイコンタクトをした。


 梓は考えを巡らせて、良いことを思いつきひかりに耳打ちをした。

「断れないしここは引き受けて、デート中に私達がはけて2人の空間を作るのはどう?」


 ひかりは心が爽快に晴れ渡った顔をして、

「真希! アタシ達はついて行きます!」

 とまるで家臣のように言った。


「ほんと!? ありがとう!」

 真希の心に安堵が宿って、安心した顔をしていた。


「アタシ達に任せてください!」

「うん、恋人として高校生活を送りたいと引き受けたからにはやりましょう」

 ひかりも梓もやる気に満ちていた。


「じゃあまた明日! これから塾だから詳細は今日中に連絡する!」

 真希は心のわだかまりが消え、清々しい顔で部室を後にした。


「明日は遊園地デートか、そして明後日は梓の家! 最高すぎる!」

 ひかりは想像しただけでニヤつきが止まらなかった。


「デート? 家? あたしを抜きに楽しそうね」

「?」

 ひかりは声の方を確認すると、姫乃が怒りが爆発寸前の様子で立っていた。


「姫乃ちゃん、どうしたの?」

「どうしたのじゃないわよ!! せっかくあたしがゴールデンウィークに時間を作ってあげたのに!!」

「えっ!? あっ、そうなんだ、良いよ、遊ぼ遊ぼ!」


 ひかりは何かを察して、すぐに承諾した。

 姫乃は変わらず怒りがマックスでいた。

「ふん、それなら、あたしの家に招待してあげるわ!! 他のことが霞むくらいおもてなししてあげるから、2人とも覚悟しておきなさい!!」


「なんで私も入ってるの?」

 梓は巻き込まれたみたいな様子で聞いた。

「はあ!! あたしを差し置いてひかりを家に招き入れるなんて、果たし状を送ってるのよ!!

 だから、梓に惨めな思いをさせてあげる!!

 絶対に来なさい5月4日を楽しみにしておきなさい!!」

 姫乃の怒りが爆発して、捲し立てるように言った。

 そして、有無を言わせず部室を出て行き、どこかへ電話した。


「なんだったの?」

「分かんない。嵐のように過ぎ去った」

 2人がキョトンとしていると、チリッ、と鈴の音が聞こえてきた。


「ここにいたかにゃ。おにゃあらに頼みがあるにゃ」

 アルがめんどくさそうな顔で現れた。


「アル! どうしたの?」

「はあ〜、なんか知らないが、直人がずっとにゃあの周りで『5月5日は僕の誕生日だな〜。祝ってくれるかな〜』って気持ち悪いにゃ」

 アルは嫌悪感あらわにした顔で言った。


「へぇ〜誕生日なんだ」

「それで私達はどうすればいいの?」

「おにゃあらが祝ってやれにゃ! にゃあは猫にゃ!」

「でも、喋れるじゃん」

「猫に祝われるより、人間の方が嬉しいと思うにゃ」

「祝うならアルも一緒じゃないとやらないよ!!」


 ひかりはアルに強く言い切った。

 その言葉にアルも怒ったように口答えした。


「なんでにゃ!!」

「飼われてるからだよ!!」

「飼って欲しいなんて言ってないにゃ!!

 にゃあはおにゃあらに人間を殲滅して欲しいって頼んだにゃ!!」

「せんべいはよく分かんないけど、怪我して治して貰ったんでしょ!!」


「せんべいじゃなくて殲滅ね」

 梓は横から口を挟んで、言い間違えを正した。

「それにひかりの言う通り、アルには直人さんに恩があるんだから、返さないと」

 梓は優しく諭した。


 アルは眉間に皺を寄せて、めっちゃくちゃ嫌そうにしたが、苦渋を飲まざるを得なかった。

「わ、わかったにゃ。でも、おにゃあらが来ないと絶対やらないにゃ」

「分かったよ! 約束ね!」


「ふん!」

 アルは強く鼻を鳴らして、不機嫌な様子で帰って行った。


「結局予定埋まったね」

「1日しか静かに休めない……」

 梓はその事実に落胆した。

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