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魔魅相談!〜魔法JKひかりがお悩み相談部と共に魑魅魍魎なキャラ達を巻き込む〜ドタバタ学園生活!  作者: 風みやび
1年の4月

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第4話 2人の始まり〜解決〜

 ひかりはトイレに行くと顔を洗って、鏡に映った自分と話し出した。


「アタシは何をしようとしたの? 今までこんなことなかったのに……どうしたらいいのかわからない……」


 不安がひかりを襲い、雲がかかったように持ち前の明るさが消え、自分の魔法を恐れた。


「どうして、どうしてあんなことを……

 梓を傷つけた梓のおばあちゃんが許せなくって……でも、だからって傷つけていい理由にならない……!

 どうしたらいいの、誰か助けて……」


 窮地に陥った時、ひかりは母親を思い出した。

 母親の温もりを思い出し、平常心を取り戻そうとした。


『ひかり、魔法は困ってる人のために使いなさい。使い方次第で人を貶めることも幸せにさせることもできるんだから』


 その言葉が急に頭を駆け巡った。

 延々と繰り返されて、次第にひかりは前向きに考え始めた。


「アタシの魔法で幸せにできる——アタシは梓を救える。それが、アタシのやるべきこと」

 ひかりは覚悟を決めて立ち上がった。


 今度は正しい方法で裁いて行く、その決意を胸にトイレを出た。

 黒雲はひかりの恐怖心と共に過ぎ去って、外は満天に晴れていた。


     ***


 病室に行くと、梓は俯き黙っており、祖母と母が会話していた。


「梓がまたワタクシを犯人呼ばわりして、クラスメイトがそれを信じて襲ってきたの」

 祖母は迫真の演技で嘘の事情を話していた。


 ひかりはすぐに割って入った。

「それは違う! 梓は嘘なんかついていない!

 お母さんなら信じてあげないの?」

 ひかりは真っ直ぐな眼差しで梓の母親を見つめた。


「おばあちゃんが梓を怪我させて何の利益があるの? 梓は寝ぼけておばあちゃんがいたと思っているだけ。

 あなたこそおばあちゃんを襲うなんて信じられない」


 母親はひかりの言葉に聞く耳を持たない様子でひかりを責めた。

 祖母は勝ち誇った顔でひかりを睨みつけた。


 ひかりは負けずに、俯いて黙っている梓に話しかけた。

「梓、本当にこのままでいいの?

 お母さんに信じてもらえないままで。


——もう、アタシは逃げないよ!!

 側にいるから、本当に思ってることを言えば良いよ!

 心からの想いならきっと伝わる。一歩踏み出して!」


 梓は目を瞑り、片耳に手をかけて考えはじめた。

 本当に現状を変えられるのか? 信じてくれるのか? ひかりを信じていいのか? そんなことが頭を埋め尽くした。


 そして、ひかりのこれまでのことを振り返った。

(ひかりは私を信じてくれた。

 マカロン買う約束を果たしてくれた。一度は逃げてもまた戻ってきた。

 私を裏切ることはしてない……なら信じないと!)


 梓は悩みが吹っ飛び、目を開けた。

 その目は信念が宿り、燃えていた。

「お母さん、私寝ぼけてたわけじゃない!

 本当におばあちゃんが起こしに来て階段で押されたの!

 嘘ついたのはおばあちゃんだよ——信じて!」


 それを聞いても母親はおばあちゃんがやるわけないと信じているが、心のどこかでは梓のことを信じようとしていた。


 そんな様子を察してひかりは迷うことなく魔法を使った。

「梓が嘘をついてない証拠を見せてあげる。

『テ(・)レ(・)パ(・)シ(・)ー(・)』

 お母さんに梓が体験したことを見せて!」


 すると母親の脳内に、あの夜階段で梓が誰かに押された瞬間……祖母の脅しの場面……さっき起きた出来事が次々に入っていった。


「これは? 梓、本当に押されたの? どういうこと?」

 母親は現実離れした出来事に混乱していた。


「今は頭に流れたことすべて梓が体験したこと。これでもおばあちゃんを信じるの?」

 ひかりは母親の脳内に直接話しかけた。


 この記憶で母親は思い出した。

 結婚に反対していたことを。

 梓を産んでからは人が変わったように気持ち悪いほど優しくなったことを。


 そして、操り人形の糸が切れたかのように完全に梓を信じて、祖母を睨んだ。

 その目は獲物を狩る猛獣のように、鋭い。


「なんてことを、あたしの大切な娘を傷つけて脅し、その理由が涼を取られたからだ……謝れ!!!!

 梓にしたことをそして二度と近づかせないからなあたしの夫にも梓にも。土下座しろ!!!!」


 母親はヤンキーの如く口調が悪くなり言い放った。

 祖母の腕が取れるくらい強く引っ張り、梓の側に向かわせた。


 祖母は謝る気がないけど母親の気迫に負けて、土下座した。

「すみません」とたった一言だけ言った。


 それに続き母親も梓に謝った。

「ごめんなさい、梓を信じてあげれなくて……母親失格よ。

 これからは梓を第一に信じるから許して」


「私がもっと話してれば良かったんだよ。お母さんは悪くない」

 梓は母親を抱擁して、母親も強く抱きしめ返した。


 その光景を微笑ましく見ていたひかり。

 祖母はチッとでかい舌打ちをし、立ち上がった。


「お前らみんな地獄に堕ちればいいのよ」

 祖母は悪魔のような顔になり、病室から出ようとした。

 ひかりは目の前に立ち塞いだ。

「逃がさない。ちゃんと反省して、償いなさい」


「反省? あっちがワタクシに償わせてるの。

 涼たんを奪った罰よ」

「反省しないんだね。だったら、

『幻(・)想(・)』

 梓の気持ちを味わわせて!」


     ***


 祖母は戸惑った顔を浮かべ、何事もない様子で病室を出た。

 出ると目の前には階段が現れた。


 祖母の頭にハテナが浮かんだ。

 困っていると急に後ろを押された。


 押した奴の顔を見ると涼だった。祖母は身の毛がよだつ思いをした。


     ***


 すると病室に戻っていた。目の前にはひかりがいて、一歩も動いてなかった。


「どう?これが梓の気持ちだよ」


 祖母は呼吸が荒くなって膝から崩れ、ひかりを恐れ始めた。

「何なのよ! お前は化け物だわ!!」


「アタシは天魔野ひかりだよ! 化け物なんかじゃない!」

「そんなことどうでもいいわ!!」

「人の名前ちゃんと覚えないと! 反省するまで終わらないからね……『幻(・)想(・)』」


 ひかりは心の底から反省するまで、延々と祖母を階段から落とし続けた。


 何回目かの後、ようやく、

「ごめんなさい……ワタクシが悪かったわ……反省したから許して……」

 と憔悴し切った様子だった。


「ちゃんと罪を償ってね!」

 ひかりは解除してあげた。


 祖母はすぐさま、警察に連絡して自首した。

 母親は証人として、祖母と一緒に警察署へ向かった。


 取り残された2人は話をした。

「一つ聞いてもいい? なんで物が浮いたの?

 あとお母さんが私を信じるようになったのはなんで?」


「二つだよ、梓。隠せる状況じゃないし、話すけど誰にも言わないでね。


……実はアタシ魔法使いなの! だから『浮(・)遊(・)』だってできるし『透(・)明(・)』にもなれる」


と言ったら、ひかりの体が浮き出して驚く暇を与えないまま、透明にまでなった。

 梓はこれでもかと開いた口が塞がらなかった。


「本当に? あり得ない。でも、本当に浮いてるし透明になってる。

 てことはテレパシーって言ったときお母さんに真実を伝えたってこと?」


「そういうこと——あ、そうだ!」

 ひかりは何かを思いつき、梓の側に行き、片手で梓のおでこに触れて、もう片方で自分のおでこに触れた。

「なに?」と聞くが「まあ、見てて」と言ってはぐらかされた。


「いくよ!『共有』アタシの学校での記憶を梓に見せて」


 すると、脳内に高校の入学式の映像が……次の日のみんなの自己紹介の様子なんかが、流れて来た。

 梓はそこにいるかのような気分になった。


「どう? すごいでしょ!

 梓、入学式来れなかったから見せてあげた」


 梓はなぜか恥ずかしさが込み上げていた。

「何、セーフって。あんなことしたら私恥ずかしくて死んじゃう」

「それは……忘れて!」

「忘れられるわけない。恥ずかしすぎる、ひかりが言ったの?」

「あはは……」

 ひかりは愛想笑いして誤魔化した。少し顔が赤い。


 梓はこれ以上詮索しないようにした。

 そして、ひかりに気持ちを伝えた。

「ありがとう、私のためにたくさんのことやってくれて。まだ何にも知らない他人なのに」

「うん? もう他人なんかじゃないでしょ。

 一緒に山場を乗り越えたんだからさ、立派な友達でしょ、アタシ達!」


 ひかりは屈託のない笑顔で手を前に出した。

 梓はそれに応えるようにひかりの手を握った。

「うん!友達だね!」

 梓は見たことない満面の笑みでひかりを見つめた。


     ***


 翌日——。

 この日から授業が始まり、夕方に病室を訪れた。

「梓、来たよ!」


 梓はひかりを見るや否や話しかけた。

「今日、レントゲン撮ったんだけど、骨がもうくっつき始めてるって。

 医者が言うにはありえないらしいんだけど、もしかして?」

 梓は疑いの目を向けた。


 ひかりは自慢気に言った。

「そう、アタシの魔法で怪我の治りを早めたの!

 すぐには回復しないから死にそうな人には効果ないけどね!」


「そうなんだ、また助けられたね。この借りは必ず返すから!」

「無理はしないでね。病人なんだから」

「いや、さすがに治ってから借り返すから」


 ひかりと梓は日が暮れるまで、楽しく自分のことを話し合った。


 次の日も次の日もひかりは病室を訪れ梓に会いに行った。

 そこで明日には退院すると伝えられた。

 その理由はひかりの魔法で異常に治りが早く、ほとんど骨がくっついていたため。


     ***


月曜日——。

 教室には梓の姿は見られないまま、ホームルームが始まった。

 ひかりは心配していると、担任と一緒に梓が入って来た。


「みんなもご存知の通り、鈴木さんは入学式から休んでたけど、今日から来れるようになりました。ほら、自己紹介して」

 担任が促し、梓は簡単な自己紹介した。


「初めまして、鈴木梓です。

 好きなお菓子はマカロンです。よろしくお願いします」


 一礼したあと、ひかりを見つけ、微笑んだ。

 クラスメイトが拍手をして、梓は席についた。


    ***


昼休憩——。

 ひかりと梓は教室で一緒にご飯を食べていた。


「ねぇ梓、部活何入る?」

「私は入らない」

 それを聞いたひかりは目を輝かせた。


「だったら、アタシと一緒に部活作らない?」

 少しの沈黙の後、梓は答える。

「いいよ! 作るってなんの部活?」


「お悩み(Onayami)相談(Sodan)部(Bu)! 略してO(・)S(・)B(・)!」

読んでいただきありがとうございます!

面白かったらブクマ&レビューの方をよろしくお願いします!

これからもたくさん面白い作品を書いていきます!!

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