↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【魔魅相談!】〜無双出来る力は遅刻回避に使う!?ポンコツ魔法使いと苦労人ツッコミ〜  作者: 風みやび
1年の4月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
38/56

第38話 学校に侵入したら注目の的

学校に侵入したら注目の的

 朝——。

 春風が肌に当たるたびに心地よく、穏やかな気分になる梓。

 散歩日和だな、と思いながらも学校に向かった。


 駅から学校まで徒歩で移動していると、奇妙な光景を見て、双眸を広げて「は?」と顔を前に出した。


 梓が見たものとは——横断歩道に4匹のネコが整列して、足を前に出して止まっていた。


「有名なジャケット写真じゃん。何でネコがやってんの? 人ですらもう真似してないのに」

 梓はいつも通り偏見混じりにツッコミを入れた。


 梓はずっと観察したが耳をピクピクさせるくらいで全然動かなかったので、学校に向かうことにした。


 少し歩くと今度は、足をスムーズに滑らせながらバックで梓の元にやってくるネコ。


 梓はチラッと見た後、すぐに目を丸くしてもう一度凝視した。

「天才ダンサーネコ!? KING OF POP目指せるよ」

 梓はなぜかネコにアドバイスをした。


“イーヒィ”——とハイトーンボイスでネコは鳴いた。


「鳴き声の癖が素質の塊だよ」

 梓は耳を疑うほどに似ており、感心した。


 ネコはそのままどこかへ行ってしまった。


「どんだけ変なネコがいるの? これで終わればいいけど……」

 梓がぼやきながら歩いていると、突然曲が流れ出した。


「まさか……この曲……確か、なんかマッスルポーズ決める芸らしいけど……ネコが?!」


 梓が身構えていると、前の角から……ガチムキマッチョが歩いてきた。

 そのマッチョはイヤホンを耳にしているが、大音量なのか、はたまたプラグが抜けているのか梓にしっかりと聞こえていた。


「なんだ、人か……」

 梓は一瞬注意しようか迷ったが無視して学校に向かった。


(落ち着いて、普通に考えたらそんなネコいるわけないんだから……考えすぎ)

 梓は心を落ち着かせるためにも自分に言い聞かせた。


 梓が心を無にして歩いていると……水道管が破裂しているのか水が噴き出していた。

 梓は回り道しようとした時、1匹のネコが目に入った。


 そのネコは濡れるにもかかわらず、噴き出している所に近づいた。

 ネコは濡れると歌っているかのように鳴いて、軽やかにその周りを動き、水に向かって笑顔を向けていた。


「ひかりみたいなネコだな〜

 こういう時に幸せを見出せる人が幸せなんだろうな」

 梓はネコから幸せのあり方を教えてもらった。


 しばらく進み学校が見えてきて、梓はようやくと思ったとき……ネコが目に映った。

 顔は茶色いネコだが、体は黒い線状のもの、ガムテープで巻かれているような毛色をしていた。


 そのネコは換気扇の前に二本足で立って、決めポーズをして、換気扇の風を浴びていた。


「早くない……夏までまだまだ先だよ。

 後、急に邦楽になった」

 梓は呆れたようにツッコミを入れた。


「どんだけ、変なネコがいるの!」

 梓は心のモヤモヤを口に出して、もう周りを見ずに走って学校に向かった。


     ***


 1時間目の授業——。

 この学校は窓側から出席番号順に座っているため、ひかりと梓は窓側で外が見える。


 ひかりは授業中暇で外を眺めていた。

 すると、グラウンドに……

「ロバだ!!」

 ひかりは授業中なのにも関わらず、声を出した。


「天魔野さん、どうしたんですか?」

 担任は手を止めて聞いてきた。

「グラウンドにロバがいるんです!」

「朝だから寝ぼけてるんですか? ちゃんと授業を聞きなさい」


「ほんとにいるのに……」

 ひかりは小さく呟いて、また窓の外を眺めた。

 梓は気になり、外を見ると本当にいた。

 遠目だがギリギリ茶色いロバだと分かった。


(本当にいるじゃん!?)

 梓は目を大きく開き驚いた。


 2人はそのロバを見ていると、ロバは急に立ち上がりブレイクダンスを始めた。


「どんなロバ!?」

 梓はつい勢いよく口から出てしまった。

 全員の視線が梓に向けられた。

 梓は顔を赤くして、下を向いた。


「鈴木さんまで……本当にいるわけないでしょ」

 担任はため息混じりに呆れた。

「ロバがブレイクダンスしてるんです!」

 ひかりは熱い眼差しを担任に向けた。


「はあ〜」担任はため息を吐き、窓の外を見てロバを確認した。

 目玉が飛び出るほど驚いた。

「ほんとにいるじゃない」

 クラスのみんなはその言葉で窓に集まった。

「お〜すげぇ」「ガチだ!」「おもろ」「やばっ」

 と次々に感嘆の声をあげた。


 そして、1人の男子が言った。

「あれ、今話題のロバートロバじゃね?」

 その言葉でひかりは思い出した。

「そうかも! ロバの格好して町中でダンスする人だ!」

「てことは侵入者じゃない!」

 担任はそう言い残して、どこかへ行ってしまった。


 みんなが鑑賞していると、どこからか犬とネコがロバの元へやって来た。


「ネコだ! それに犬も!」

 ひかりは嬉しそうな口ぶりで言った。

「お〜!」

 クラスメイト達もまたテンションが上がっていた。


 ロバはダンスをやめて再び四つん這いになって動物のフリをした。

 犬とネコが側まで来ると、突然ニワトリが走って来た。


「あー!? 生物部のニワトリが!?」

 誰かの驚いた一言で、みんなは、

「やばくね」「脱走?」

 とざわざわし始めた。


 ニワトリもロバの側に来ると、犬がロバの上に乗った。


「お〜!」とクラスでは歓声が上がった。


 そして、ネコはロバの上に乗っている犬の上に乗って、ニワトリはロバの上に乗っている犬の上に乗っているネコの上に乗った。


「“ブレーメンの音楽隊じゃん”!!!!」

 梓は渾身のツッコミを入れた。


 その声はグラウンドまで聞こえて、動物達は逃げて行った。

 ロバは残ったが、複数人の先生がこちらへ来ているのが分かり逃げた。


「あ〜……」と残念がる声がクラスを埋め尽くした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。