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魔魅相談!〜魔法JKひかりがお悩み相談部と共に魑魅魍魎なキャラ達を巻き込む〜ドタバタ学園生活!  作者: 風みやび
1年の4月

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第14話 部活クラッシャー①

 放課後——。

 ひかりは生徒指導室からOSBの部室に向かう。

 部室のドアを開けると梓の前に2人の女子生徒が座っている。


 梓はひかりを見るなり席を立ち、「どこ行ってたの?」と鬼気迫る思いで聞いた。

「梓怖いよ……」

 ひかりはその圧に押されて、言い淀む。


「どれだけ心配したと思ってるの?ポスター貼りに行ったきり帰ってこなくて、学校中探し回ったんだよ」

 梓は珍しく感情をぶつけてきた。


「ごめん、本当にごめん……困ってる人がいたから、無視せずにはいられなかった」

「そうだったんだ……良かった。事件に巻き込まれてると思ったけど——ひかりらしいね!」

 梓の顔に笑顔が宿り、輝いている。


「ありがとう、梓!やっぱりアタシには梓が必要だよ!!」

 ひかりは笑顔で返した。


 座っていた女子生徒の1人が「あのー」と申し訳なさそうに声をかける。

 梓はその声で我に返り、

「あ、ひかり紹介するね。」

 と言って、ひかりを座らせ自分もひかりの隣に座る。


「えっと、こちらがさっき言ったひかりです」

 梓はひかりを指して紹介した。

「それで、この2人が今回の依頼人。左が2年生の小鉢(こばち)雀(すずめ)さんで、右が3年生の笠原(かさはら)美久(みく)さんです」


 雀は黒髪ボブで丸メガネをかけていて、雰囲気は暗い感じだが、表情は明るく、美久は茶色い長髪で、どこか不機嫌そうに表情も硬い。


 ひかりは元気よく「こんにちは!」と言って、2人は「こんにちは」とトーン低めで言った。


「それで、お悩みは何ですか?」

「もう一度説明していただけます?」

 ひかりが質問して、梓が促した。


 2人は目配せして、雀が話す。

「私達は写真部で、ゆるく楽しく活動してきました。自分達の好きな物を撮ってはみんなと共有して、感想をもらうみたいな感じで。


 楽しかったのに……1年の子が全てを壊した。


 黒川姫乃(ひめの)が入ると部の男子全員が彼女の下僕になってしまったの。

 全員が彼女の写真を撮り、命令されるとなんでも従い、時にはパシリ、時には足置きに。

 とにかく酷くて、部活動どころじゃないんです。」


 雀は涙目になりながら、眉を落とし語った。

 ひかりと梓はその顔を見て、酷さが伝わってきた。

 今まで話してこなかった、美久が口を開く。


「噂によると黒川さんは中学時代は部活クラッシャーって呼ばれてたらしいです。

 お願いです、助けてください」

 美久は深々と頭を下げる。


「雀先輩、はいこれ」と言ってひかりはハンカチを渡す。

「美久先輩も顔を上げてください!アタシ達、OSBが姫乃ちゃんを止めてみせますから」

 ひかりは胸を張り、自信満々に言った。


「うん!部活を取り戻します」

 梓はひかりに影響されて、明るく言った。

 4人は写真部の部室に向かう。


 部室のドアを開けて中に入ると、奥に真っ赤な背もたれに金色の縁取りがされた玉座に、髪はことりベージュのロングで、目が鋭く凍てつく雰囲気を醸し出す女子生徒が座っており、それが黒川姫乃だった。


 男子生徒達はずらっと両壁に並んでおり、姫乃の左隣の男子生徒が紅茶を注いでいる。

 

「なにこれ?!殿様の御成りみたい」

 ひかりは目の前の光景に驚く。

「どちらかというと完全に女王と側近って感じ」

 梓はツッコミを入れつつ、目の前の光景に目を疑う。


 姫乃は雀と美久に気付き話しかける。

「あら、美久さんと雀さん何しに来たんですの?」

 美久は気持ちを込めて、

「あなたを追い出しに来たんです」

 と言った。

「返してください。私達が作り上げた青春を。」

 雀が続けて言った。


 真剣な様子の2人を見て、姫乃は嘲笑う。

「ふふ、はははは。あなた達に何ができるのかしら?」


「そのために連れてきたんです」

 雀はそう言って、2人を指す。


 ひかりは前に出て、

「ひどいよ。みんなが作り上げた場所を破壊するなんて!

 OSBの威信にかけて姫乃ちゃんを追い出す!」

 姫乃に言い放った。


「なんで警察みたいに言ったの?あとどうやって追い出すの?」

 梓はひかりにツッコミを入れて、質問した。

「あっ、えっとその、みんなが迷惑してるんでやめてほしいです」

 ひかりは慌てて答えを出した。

「まさかの懇願。それは無理だよ」


 姫乃は黙って聞いていたが、ひかりの言葉に反応した。

「みんなって誰のこと。あんた達はあたしのこと迷惑だって思ってんの?」


 男子生徒達に聞くと、一斉に

「一切思っておりません。姫乃様といられて光栄でございます」

 と重厚な声で言った。


 姫乃は満足そうな顔をして、

「ほら、みんな喜んでるじゃない。分かったらさっさと帰りなさい、愚民ども」

 とひかり達に言った。


 ひかりは「愚民」に反応して、顔をむすっとする。

「アタシ達は愚民じゃない!アタシは天魔野ひかり!

 こっちはアタシの大切な友達、梓なんだから!

 愚民呼ばわりなんて許せない。

——勝負しよ、アタシが勝てば部活を辞めてもらう」

「あたしにメリットは?」

「姫乃ちゃんが勝てばアタシが下僕になる。

 これでどう?アタシなんでもできるから、役に立つよ!」

 ひかりはまっすぐな瞳で言った。

「ちょっと、何言ってるの?」

 梓が止めようとする。


 姫乃は大きい声で笑う。

「はははは、面白いわ!

 自分を差し出すだなんて。いいでしょう!

 ルールは3本勝負であたしが決める」

「いいよ!」

 ひかりは迷わず引き受けた。


「最初は写真部らしく写真で勝負にしましょう!

 ルールはそれぞれ風景、人物、スナップの3枚を撮ってきてもらう。

 その後、見せ合ってどちらがいいかを判定する。

 判定は顧問にしてもらう。これでいいかしら?」


 姫乃は勝負のルールを説明した。

 ひかりは頷いた。

「いいよ!」


「制限時間は30分!よーい、スタート」

 姫乃が勝負を始めたとたん、両壁にいた男子生徒達が一斉に走り出し、廊下へ出た。

 ひかり達は巻き込まれないように壁に張り付き、その圧倒的な光景に驚く。


 姫乃の両隣に1人ずつ残った。

 その2人はゆっくりとカメラや照明をいじっている。


「アタシ達も行かないと」

 ひかりが焦りながら言った。

「でも、写真撮れないよ」

 梓は冷静を保っている。


「大丈夫です。うちらも写真部なんで」

 美久は真剣な面持ちで言った。

「私達に任せてください!OSBのおかげでチャンスが来たんですから!」

 雀は笑顔で言った。


「分かった!任せます!」

 ひかりは信じて頷く。

「じゃあ、まずは屋上に行きましょう」

 美久の言葉で4人は屋上に向かう。


 屋上に行くと、数人が自前のカメラで外を撮っていた。

 屈んで撮ったり、斜めにしたりしていた。


 美久は負けじと、ドアの屋根に登り始める。

「大丈夫なんですか?」

 梓が心配すると、足を滑らせ落ちそうになる。


 ひかりが咄嗟に『浮(・)遊(・)』と言って魔法を使い、美久の滑った足の靴を浮かせて、バレないように屋根に登らせた。


 そこからの景色は町を一望でき、フェンスがない分、より綺麗な景色を写真に収めている。

 美久が真剣な面持ちで写真と向き合っている間に、雀が2人に話す。


「美久先輩、いつも屋上から風景を撮っているんです!それが心の拠り所なんですって!

 私にとっては部室がそれだったんです。

 写真撮るのは好きだけど、下手だった。

 でも、みんなは褒めてくれて改善点も教えてくれてメキメキ上達したのに……」

 雀は悔しそうに拳を握りしめている。


 ひかりは雀を見て更に決意が固くなる。

「必ず取り戻させる!

 人にはそういう自分にとっての居場所がないと生きるのが辛くなるからさ、OSBが雀先輩の居場所を取り戻します!!」


 それを聞いた梓は思考を巡らせる。

(どうやったら、勝てるんだろう?)

 なんとなく美久に目を向ける。

 梓の目には美久の周りには眩しいほどの光があり、私達とは違う世界が存在していた。


 梓はこれだと思った。

「雀さん!日常の写真、今の美久さんを撮れば良くないですか?」

 梓は興奮気味で言った。


 2人は美久を見ると、2人の目にも美久が1人だけの世界に入っているのが分かった。

「それいいかも!梓、天才!」

 ひかりは梓の案に賛成した。


「うん……やってる……」

 雀は自信なさそうだった。

「どうしたんですか?」

 ひかりが聞くと、モジモジする雀。

「私、風景しか撮ったことない……」


 2人は目が点になった。

「なんで写真部なのに風景以外撮ったことないんですか?!」

「いや、さっきメキメキ上達したって」

 ひかりが先に口を開いた。


「いや、だって、私、人に声かけるの無理なんですから。ましてや、写真撮らせてくださいなんて到底言えない……」

 雀は顔を手で覆い隠した。


「美久先輩なら撮っても大丈夫じゃないんですか?早くしないと撮り終わりますよ」

「美久さん以外に被写体いないと思うので撮ってください」

 2人は雀を急かした。


 雀は嫌々承諾して、美久が下から全体像を撮れるところまで移動して、カメラを向ける。

 雀もまた、真剣な面持ちで写真と向き合うが、たまに不安そうに目が泳ぐものの、顔を横に振って切り替える。


 10分間、2人は写真を撮り、ひかりと梓は優しい目で見守っていた。

 美久が撮るのをやめて、振り向くと雀がカメラをこちらに向けているのに気づく。

 「雀ちゃん、何してるの?」


「え、いや、その……」と焦りで言葉が出てこず、雀はひかり達のもとに駆け足で向かう。

 美久は雀を目で追い、下に降りる。


 美久は下に降りると開口一番に

「何してたの?」

 と聞いた。


 雀はひかり達の後ろに隠れて答えない。

 仕方なくひかりが答える。

「雀先輩は美久先輩を撮っていたんです!」

「どうして?」

「美久さんが写真撮っている姿が輝いて見えたからです」

 梓が補足した。


 美久は眉間に皺を寄せ、「見せて」と言って、手を出した。

 雀は怯えながらカメラを渡す。

 美久が操作して確認する。

 ひかりと梓も横から覗く。


 そこには、勇ましく、ライオンのように立ってカメラと向き合っている、美久が撮れていた。

 ひかりと梓は「かっこいい」と呟いた。

 美久は不安そうだった。


「うちには荷が重いよ……雀ちゃんはどう思うの?」

 美久は雀に質問した。

「美久先輩は、私にとっては家族みたいなものです。だから、特別な人の特別な瞬間であり、日常を撮りました。

 後悔はありません!これで勝負したいです!」

 雀の目には炎が宿っていた。


 美久はその目を見て、大きく頷く。

「分かった!これで行こう!あとは人物だね」

 3人は笑顔になり、最後の1枚を撮りに行く。

「ひかりさんと梓さんを撮れば良いじゃないですか?」

 雀は提案した。


「良いね!」

 美久は迷わず賛成した。

 ひかりも「良いですね!」と賛成したが、梓は恥ずかしそうだった。


「梓、別に恥ずかしがらなくていいよ!記念にね!」

 ひかりは梓の背中を押す。

 梓は仕方なくコクッと頷いた。


「じゃあ、照明がいるから一旦部室に行きましょう」

 雀に従い、写真部の部室に行く。

今回も遅れてしまい申し訳ございません。

私事ですが風邪を引いてしまいました。

間に合わせるように善処します。

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