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追放された少年はとんでもない存在に王と勘違いされて今日もやらかす(旧題:追放された魔無しの俺にだけ、世界最強の魔法がひざまずく)  作者: seisei


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第65話 滅星弓《イクステラリューイン》

「なんか飛んでくるぞ」


 声を上げたのは魔導王子バインドだ。



 指差す先を見ると複数の黒い点が天空にあるのが見える。


「あれは前に来た龍のようだね」


「あの様子じゃ攻撃してくるつもりだな」


 剣鬼ライドが何故か嬉しそうに言った。


「そうだね。先頭の飛竜は口から煙を吐いている。あれは攻撃する気満々って意味だと思うよ」


 商人の息子のエディが少し不安になって言う。


「アッシュ。これは試射もしておらんが、もしかしたらあの長距離も届くか?」


 バインドが手に持つ長弓を示しながら尋ねた。


 それはアッシュがバインドの為に作った魔法具だ。


「我が滅星弓(イクステラリューイン)に不可能は無いぞ」


 バインドが弓を平手で叩きながら叫ぶ。


「へー。それはそんな名前だったんだ」


 そう呟いたのは弓を作った本人のアッシュだった。


 皮肉でないことは、本気で感心している彼の顔を見たら分かる。


「どんだけ惚けているんだか……」


 魔眼のソフィアが可笑しそうに、アッシュの真剣な驚きの顔を見て言った。


「え? だって滅星弓(イクステラリューイン)とか、よく考えつくよね。格好良い」


 アッシュは目を輝かせて言う。


 ダメだこりゃと、ソフィアは肩を竦めて見せる。


 そんなやり取りをしている中、バインドは、取り出した滅星弓(イクステラリューイン)に矢をつがえる。


 その矢はバインドが召喚した矢だ。


 アッシュから滅星弓(イクステラリューイン)を渡された時に「なぜ我に弓を?」とバインドは聞いたのだ。


 その答えが、今バインドが弓につがえている矢にある。


 そう、様々な種類の魔法の矢が作られていて、それをバインドが召喚魔法で亜空間から召喚しているのだ。


 そうすると何が起きるか?


 そう、矢は相手を射た後に、亜空間に戻すことが可能であり、更にはまた今のように再召喚が可能なのである。


 無限の矢の召喚が可能なのだ。


 バインドは亜空間から次々に矢を取り出すとどんどん目標に向かって速射していくのだった。


「アッシュ。これは最高だな! 狙うと自然に狙った方向に矢が向くようになっているのだな?」


「そうそう」


 アッシュが嬉しそうに答える。


「「「「「はい?」」」」」


 二人のやり取りにクラスメイトが突っ込む。


 以下同文……


 そんな感じのクラスメイト達とのやり取りがあり、速射された矢は遥か彼方の龍達に向かう。


 そして、その効果は絶大だった。


 次々に遥か彼方の黒点が消えていく。


 最後に残ったのは古代龍ギガズだけだ。


「アイツ、硬ぇな」


 バインドは悪態をついた。


「いやいや、そもそも遠すぎるだろ」


 神聖国の魔導士ギネスが突っ込む。


「本当に君らは規格外過ぎるんだよ」


 生真面目なギネスはそう評して首を左右に振っていた。


 仲間の飛竜を撃ち落とされた古代龍ギガズは、狂乱している。翼を大きく開いてその巨大さを際立たせている。


 その古代龍に矢を向けているバインドへ、新生アーマーをまとった姫騎士アテナが颯爽と言う。


「バインド殿下。あれはわたくしにやらせて貰えませんか?」


 美しいフォルムのアーマーを陽光に輝かせながら勇ましく姫騎士は宣言した。

いつも読んで頂きありがとうございます。

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