第61話 まだあるんかい!
アッシュが工房に入って2週間が経過した。
僅か2週間で何ができる?
普通なら大した物などできようはずもない。
ところが彼は全てを僅か2週間で成し遂げていた。
「こいつのギミックは、投げると返ってくること。
いい? 見ててよ」
アッシュは、無造作に手に持ったナイフを次々に投げた。
ナイフは、結構な勢いで飛んで行ってから、シュンと音を鳴らしてアッシュの手元に戻ってきた。
「「「「「「ほう」」」」」」
クラスメイトたちがどよめく。
「はい。これはソフィアね」
アッシュが魔眼のソフィアに、ナイフ一式を渡す。
それを受け取ったソフィアは、凄く嬉しそうだ。
「アッシュ君。これの素材って……」
「ミスリル銀をオリハルコン金で覆っているんだよ。
ナイフは硬すぎるよりもしなやかさが重要だからね。でもオリハルコン金の甲殻でガッチリ守られているから耐久性はバッチリさ」
「「「「「「ミスリルにオリハルコンでコーティング!」」」」」」
クラスメイトが驚きの声をあげる。
「オリハルコンって硬すぎて変形できないんじゃなかった?」
商人の息子エディが横にいるソフィアに尋ねている。
ソフィアは無言でうんうん頷いている。
そんなクラスメイトたちを置き去りにしてアッシュの発表は終わらない。
「次のこれは実用性を重視したアイテムだよ」
アッシュは机の上から一つのバッグを取り出す。
それは良くなめされた革製のバッグだ。大きさはアッシュのショルダーバッグと同じ程度。
「これはね。もちろん次元収納の魔法のバッグだけど、本命はこのバッグの創生機能なんだよ。
こうやって素材を入れて、ここのボタンを押すとほら、アイテムが自動生成されるんだよ」
アッシュが素材をバッグに入れながら説明する。
ボタンを押すとバッグが光る。アッシュが、バッグに手を入れると丸い玉が現れる。
「これは爆裂魔法のアイテムだよ。
それで、この素材を入れてこっちのボタンを押すと治癒のポーションを作れるんだ。
こっちは防御力アップの補助魔法のアイテムに、魔法耐性強化のボタンはこっちね」
次々にアッシュが説明する。
クラスメイトはあんまりな効果に唖然と口を開いて見ているだけだ。
「アッシュ。お前、それって国宝級を超える魔道具じゃないか?」
魔導王子バインドだ。
「え? そんな大した事ないよ。作れる物の効果が弱いからね」
アッシュが答えた。
そのアッシュの答えに首を左右に振るクラスメイトたちだ。
「それと……」
アッシュはそう言いながら背後に置かれている様々な素材の山の中から何かを取り出そうとゴゾゴゾし始める。
「「「「「まだあるんかい」」」」」
全力突っ込みするクラスメイト達だった。
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