第60話 ダメだこりゃ
「あれ? アーマーを作ってたんじゃないの?」
商人の息子エディが尋ねた。
「ああ、もうできてるよ」
アッシュは軽く流す。
「はあ? そんなに早く……それなら早速お披露目した方が良いじゃない」
アッシュが首を左右に振る。
「だって他の人の分ができてないもん」
「え? それってもしかしたら?」
「そうだよ。剣鬼の剣だよ。オリハルコンを持ってきてくれた人がいるんだよ」
アッシュは嬉しそうに金色の金属塊を見せる。
「いやいやいや、オリハルコンなんて、加工もできない不思議金属なんじゃ……」
「え?」
エディの言葉の途中でアッシュが加工途中の刀を持ち上げて首を傾げる。
「ああ、俺がバカだったよ。
それより、みんなのって言ってたけど俺にも作ってくれるの?」
「もちろん。エディにはいいのを作るつもりさ。期待していてよ」
「え? いやあ、なんか怖いよ」
喜ぶどころか、加工途中のオリハルコンの剣を見ながらエディは呟いた。
☆★☆
「アッシュ様。どうしてこんな事をするのか教えてもらってもよろしいですか?」
尋ねたのは聖女マリアだ。
「ああ、マリアってさ、意外に打撃系の攻撃がうまそうだなって」
アッシュが答えた。
清楚なマリアが持つには相応しくない、凶悪なトゲトゲの棒だ。
「スパイクメイスっていう武器だよ」
その見た目の凶悪さに顔を顰めて投げ出してしまうかと思いきや、意外なことにマリアは、力いっぱい振って見せている。
すると、ブン、ブンと凄い音が鳴る。
マリアは嬉しそうだ。
「良いね」
アッシュはサムズアップをして見せた。
そんな二人を見ていた魔眼のソフィアが呆れたように首を振る。
「ダメだこりゃ」
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